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学園ランキング  作者: 寿タケ子
13/14

Grand King ⑨1/3


私は今Top of Kingライブビューイングの会場内にいる。

どうやら、結果発表の瞬間らしいが、一位に名前が挙がったのは「轟レン」ではなく、他の生徒の名前だった。

瞬間、観客席に座る客全員が一斉に私の方を向き。


「お前のせいだ」

「最低」

「あんなこと書くから・・・・・・」


・・・と、私を糾弾し始めた。

何が何だかまるでわからない。というか、何で私はまだシアターにいるんだろう?そして、何でまたライブビューイングを見ているんだろう?


目の前の状況に困惑しているところ、スマートリングが

勝手に起動したかと思えば、そこには私のSNSのアカウントページと私が投稿したであろう「呟き」があった。


その呟きには「レ、レン様?」という言葉に、脳神経に直接強制的に快感物質を分泌させる【磁場ドラッグ】という禁止ドラッグの一種をおでこに当てて接種してる写真があった。


「なにこれ・・・」


心当たりのない呟きと、有り得ない写真が自分のアカウントで投稿されている現実に理解が追いつかない。


「それ、ナツミが上げてた奴なの?」


私の横に立っている誰かがそう言った。横に顔を向けると、そこにはアキノがいた。


「どうして・・・どうして・・・こんな投稿したの・・・・・?」


「わ・・・私こんな投稿してな」


「レン様の夢をアンタが奪ったんだ!!」


「だから私っ」


「あたし、死んでも許さないから」


「違うんだって―――!」


誤解を解こうと必死に訴えている最中で、急に目の前が暗転した。




「おーい・・・・・・ナツミ?ナツミー?おーーい・・・・・・」



瞼を開くとそこにはクラスメイトであり隣の席の『望月ララ』の顔があった。


「もう起きないと二限目始まるぞ〜」


ぼやけた眼で周りを見る、そこにはAR型タッチパソコンに向き合い黙々とタッチペン動かす生徒と教室と『自習タイム』と表示された電子ボードがあった。


「あぁ〜〜〜良かっっった〜〜〜〜〜〜」


私は悪夢の様な出来事がまさしく夢だった事を知った安堵のあまり、机を抱え込むように顔を突っ伏した。


「おいおい、せっかく起こしたのに、寝るなよー」


「起きてるから大丈夫〜〜」


ホッとしたあまり、気の抜けた声でララに返事を返した。


それにしても、私はなんであんな夢を・・・・・・


「「俺のネガキャンしてよ」」


考えてるところで、ふとレン様の言葉が頭に浮かんだ。

もしかしたら、私が言われた通りにレン様のネガキャンをした未来の予知夢かもしれない。


そして、それは最悪な光景だった。


「やっぱ出来るわけないよ〜〜」


呻く様に、私は机に突っ伏したまま一人呟いた。



3限目が終わり昼食時間に入った。

私はさっき売店で買ってきたサンドウィッチの袋を開く


開くと言っても古代式のテープを剥がすタイプの開き方では無い。黒いマークに指を2秒程触れると袋自体が消え、そのまま食べられる仕組みになっている。


「で、どしたの?」


「え?」


「朝から様子おかしかったからさ、めっちゃクマできてるし」


ララがおにぎりの封を開きながら私に聞く。


「一限終わる時なんか寝ながら唸ってたよ「うぅ・・・私じゃ・・・・・・私じゃない〜・・・・・・」なんて」


「うん・・・凄い夢見ちゃったんだよね」

「何の夢?」


私は瞬間頭をフル回転させて、それらしい嘘の夢を作り上げた。

「『ハグタイム』に私が選ばれる夢」


『ハグタイム』とはTop of king内のイベントのひとつでアリーナ会場内からランダムで選ばれた観客が推しに抱擁して貰える。


ララと私はパンとおにぎりを食べながら会話を続ける。


「えーー!いい〜な〜〜まっ、まさか・・・夢の中でレン様にハグして貰ったの??」

「そんなの無理無理!身が持たない!身が持たないって!」

「まぁ、アンタ生で見るのも嫌がるもんね「精神が持たない」つって」

「そう、だから私じゃないって言ったの!「何かの間違いですー」って」

「でも、良いな〜〜夢に推しが出てくるなんて、私の夢にもカイト様出て来てくれないかな〜夢の中で良いからカイト様とデートしてえ〜〜テーマパークに行ったり〜手繋いだり〜それと〜〜・・・・・・」


ホッ・・・何とか誤魔化せた・・・こうしないと本当に見た夢を話したらふと昨日あった出来事をうっかり話してしまいそうだから。


いや、そもそもいつから夢だったんだろう?

もしかして、昨日起きた出来事も夢だったのでは?

うんうん、そうに違いないよ!

だって、私がレン様と会話なんて出来るわけない。

あの瞬間は「私がレン様を見間違うわけが無い」なんて奢り高ぶったこと思ってしまったけれど。

誰かがなりすましてる可能性だってある。


それこそ・・・アンチがネガキャンの為にした事に決まってる・・・!そうだ!きっと、そうに違いない・・・!


「ねぇ!ねぇ?おーい!聞いてるー?」


「ごめん・・・またボーッとしてた」


「マジ大丈夫?」


「昨日ビューイングの興奮で帰った後も眠れなかったから、寝不足で疲れとれてないのかも」


「分かるわ〜〜〜!私もさ〜全ッッ然・・・寝れなくって眠くなるようにカイト様のASMR流したら余計目バキバキになっちゃって」

「ふふっ・・・お互い寝不足なんだね 」

「四限サボる?」

「ダメだよ授業は受けなきゃ」

「真面目だね〜・・・てか、ナツミは一限寝てたでしょうがー」

「一限は自習だから、それに""最初から寝るつもりで寝たんじゃないから""」

「じゃあ、私も瞼が閉じちゃったって事にしよーーっと、それなら良いでしょ?」

「ぜ・・・全然わけが違うと思うけど・・・」

「表向きは一緒なら良いんだよ」

「ごめん、食べたらガチ眠くなってきた・・・おやすみ・・・・・・」

「ちょっとララ!?」


突如電源が切れたAIロボの様にララは机に突っ伏してしまった。


そして「スースー」という寝息が微かにララの口から漏れ出る。


「・・・・・・本当に寝ちゃった・・・」


まぁ、二限目前に起こして貰ったし、四限目の内容は後で教えてあげよう。


私は今日の授業が終わった後、そのままバイト先に直行し、3時間働いた。


「では、お先に失礼します」

アガリの時間になり、試着室で着替えたあと、スタッフルームで寛ぐ他のアルバイトの人に挨拶してから私はバイト先のレストランを後にした。


「ねぇ、ここのミルクティー美味しいね」


レストランから数歩離れた先の所で背後から誰かの声がした。

私はパッと振り向く、そこには男性の姿が

次に私はキョロキョロと周りを確認する、もしかしたら私の言った言葉じゃないのかもしれない。


「アナタに言ってるんだよ」


どうやら、私に対して言ってるらしい。

「よ・・・良かったです・・・・・・」


あぁ、思い出した―――!


19時頃、手作りシフォンケーキとミルクティーとダージリンティーとガトーショコラーを注文していたお客さんだ。

けれど、何でこの人は私に声をかけたんだろう?


そういえば、最近また皇崎学園各エリアで不審生徒によるストーカー被害が散見されているというネット報道を見たのを思い出した。


男の人が私に一歩近づく。


不審に感じほんの少しだけ恐怖感を抱いた私は一歩後ろに下がる。


「そのままにして」


そう言った直後、男の人は二本指の先を私に向けると次の言葉を唱えた。


「【解除】」


「ん・・・?」


「どう?」


男の人が帽子を脱いだ。


というか・・・今まで帽子被ってたっけ?


「どうって言われても・・・・・・へえぇぇ・・・・・・!!!??」


あ、有り得ない・・・・・・

だって、知らない男の人がキャップを被ったレン様に変わっているのだから。



「昨日ぶりだね」


「いや!違います!あなたはなりすましです!絶対そうです!そうに違いありません!!」


「えぇ・・・なんか、昨日とキャラ変わった?」


「さては・・・そうやって昨日もレン様に変装してたんですね!?レン様を悪事に利用するなんて!」


「じゃあ、僕の手をファクトチェックしてみてよ、キミのスマートリング使って」


なんでこんなに強気なのだろう。スマートリングで調べたら一発で本人じゃないって分かるのに。


私は男の人が差し出した掌の上に起動させたスマートリングを翳す。

スマートリングにはセあらゆる機能があり、その内の一つが【画像識別モード】読み込んだ画像データに映し出されている物体や生物の状態を99%正確に識別出来る。


『この人の手がどうしたの??』

識別モードのAI音声がスマートリングから発せられた。


私はキー表示ボタンを押して「この人物は変装魔法を使っている?」と入力した。


『この人は変装魔法を使ってないよ』


「え・・・て・・・てことは・・・・・・」


この人は本物のレン様?


「これで、信じて貰える?」


「は・・・・はひ・・・・・・」


遂に認めざる負えなくなった『レン様が傍にいる』という現実に私の頭のキャパシティは限界を迎え強制終了ボタンを誰かに押されたかのように、私の視界が暗転した。


ぷしゅううううううううう!!!!


「あっ・・・!また・・・!!」


視界が暗転する瞬間、私の鼻から大量の鼻血が噴出したことは、恥ずかしすぎるから夢だと信じたい。

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