GrandKing ⑧3/3
「くっ・・・・・・!ぐあっ・・・・・・・・・・・・!!くぅ」
レンは光覆われた瞬間、首筋に衝撃を感じた。
その衝撃を形容するならば、熱した物を直接肌に当てられている様な感覚で、それによる痛みに耐えかねたレンから苦悶の声が漏れる。
身体は「金縛」により動かせないから抵抗する事すら出来ない。しかし、首筋の痛みは数秒で薄まり、身の回りを覆っていた。「光」が解かれた。
「なっ・・・何を・・・つっ・・・・・・」
レンは衝撃が走った右首筋を触った。触ると首筋からは火傷の後のようなヒリつくを痛みを感じ、触れた手にはは熱いものを触った時の感覚があった。
「それは【魔縛紋】だよ」
「まばくもん・・・・・・?」
「あぁ、お前に三つ、魔縛を付与した」
【魔縛】とは禁忌魔法の一種で対象者に縛りを与え、その代償として、対象者に魔法ポーナスを付与する魔法である。
男は左手の指を三つ立てて、一本ずつ折り曲げて行く。
「一つ、学園ランキング種目への棄権を禁ず。
二つ、学園ランキング種目において、一切の加減を禁ず。
三つ、この魔縛の事を他言する行為を禁ず」
「破ったら、どうなるんだ?」
「魔縛のペナルティについては学校で習っているだろー?それに、縛りが複雑な要項であればある程、【ペナルティー】の【棘】は増幅するって事もな」
「じゃ・・・試してみる」
「おいおい、マジかよ・・・」
「いやーいくらレンさんとはいえ、やめといた方が・・・」
動揺する2人を他所に、レンは空中を指でタップし
浮遊型透過フォンの画面を出現させた。
「学園ランキングの特設ページを開いて出場者ページ・・・」
「えぇ・・・本当にやるつもりなんすかー?」
透過フォンの画面にレンの参加番号とエントリー中の文字があり、その下に各評価項目名がある。
そして、その各評価項目名の横には【リタイア】と書かれたアイコンが表示されている。
レンは【仮想戦前記】という項目の横にあるボタンに触れた。
「ぐっ・・・・・・!?があ"あ"あ"あ"あ"あ"ああ"あ"あ"あ"!!!!」
ボタンアイコンに触れたその瞬間、レンの身体中を駆け巡る様に、鋭利な針を突き立てられた様な痛みが襲った。
「ほら、言わんこっちゃな〜い」
シートが呆れ気味に呟く。
その痛みは到底、少年が耐えられるものでは無い。
しかし、レンは学園ランキングで身体強度は多少鍛えられている。
「【いいえ】を押せば、ペナルティは解除されるぞ」
「ぐっ・・・・・・う"ぅ"・・・・・・!む"む"む"っ・・・・・・・・・!!!」
提案を無視し、耐えるレンであったが身体を駆け巡る【痛み】は最初からピークではなく、時間が経つ事に増して行っている事を苦悶の表情を浮かべ、汗を流しながら、レンは痛感している。
そして遂にその【痛み】はレンの痛覚キャパシティを超えた。それは、持って40秒の事だった。
レンは押し渋っていた。【いいえ】のアイコンを震える指で押した。
その刹那、全身を走り回ってた激痛が嘘のように消え去る。
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・・」
「ヒュー!40秒も耐えるなんて!さすが、轟家の超新星と謳われるだけあるっすねー」
「あぁ、その力は是非とも次の【種目】で活かして欲しいもんだぜ」
「アンタ・・・・・・・・・悪魔だよ・・・・・・・・・」
「悪ぃな、息子よ〜俺も【国の頭】を背負ってるんでねっ。じゃっ。」
男はそう言い残すと、軽く片手を上げると、背後に虚空の穴が現れ、その中へと男は去って行った。




