第7話 幸せを呼ぶ座敷童
「こりゃあまあ何とも」
『迫っ苦しいしきったいないな』
ナウでヤングな爺はもちろんの助と言っていたが、人が住んでない山小屋だけあってお世辞にも状態が良いとは言えない。
見た目にも年季の入った木の小屋だ。
確か以前に囲炉裏があるとか聞いていたが、外から見た限り囲炉裏のあるリビングダイニングキッチンとトイレと風呂場ぐらいしか無いのが予想出来る。
『囲炉裏のある空間をリビングダイニングキッチンと呼ぶのはお主ぐらいだな』
俺もあんまり聞いた事がないな。
もしもこんな小屋をどこかの農業アイドルが見つけたら、すぐさま改築を始めるのではなかろうか。
許可無く入って来たら普通に不法侵入で追い出すが。
「とりあえず入ってみるか」
『うむ』
やけに軽い木の扉を開けて中に入ってみると、何とも素敵なリビングダイニングキッチンが広がってた。
外観から予想したのと寸分違わぬ室内である。
「お、あの子って座敷童か?」
『そうだな。早速お主の暮らす家にやって来るとは目聡い事だ』
確かに化け狐の言う通り囲炉裏を囲む四人の座敷童。
いや、座敷童多くね?
この狭い家に座敷童の密度高くね?
あと勝手に火熾してね?
今って梅雨の終わりで結構暑い季節なんだけど囲炉裏の周り暑くね?
「よし、座敷童集合。
見分けが付かんから髪型で個性を付けてくからな」
俺が呼び掛けると座敷童四人娘は素直に従って列を作った。
四つ子かな?ってぐらいに全員同じ顔してるから俺には見分けが出来ない。
全員オレンジ色で丈の短い着物を着てるしな。
だからせめて髪型だけでも変化を加えようって寸法だ。
まずは普通のおかっぱだが、後ろを刈り上げてワカメヘアーにするか?
『刈るのは取り返しが付かん。
そのままにしておいてやれ』
刈り上げNGを食らったので一人はスタンダード座敷童として王道を進んで貰おう。
「次は、、、定番の三つ編みにするか」
ナウヤン爺が言っていた通り、確かにスマホの電波が入るので動画を見ながら真似てみる。
なるほどなるほど、髪を三つの束にわけてぐるぐるぐるぐると。
髪が短いのにもっさもさなので、異様にボリューム感があってクリンとした出来になってしまった。
しかし本人は喜んでいる様子なので問題なかろう。
「三人目はどうするかな。
前髪を編んでおでこを出すスタイルにするか。
キャバクラのお姉ちゃんでやってる子がいたからな」
こちらも動画を参考にして髪型を作ってみると、クリンとしたお目目の可愛らしい少女に仕上がった。
もしも俺がロリコン坊主だったなら何かが熱く込み上がった事だろう。
「四人目は、やっぱりあれだな。
コーンロウだ。」
コーンロウは編み上げた形がコーンに似ていると言われる黒人や黒人文化に憧れる日本人がする髪型なのだが。
残念ながらセットするのには道具が必要だったので取り敢えずでポニーテールにしておいた。
数日後、恐らく日本で唯一となるコーンロウの前衛的な座敷童が誕生する事となり。
スタンダードな座敷童も何かアレンジを加えて欲しそうだったのでヘアアイロンで縦ロールにしておいた。
スタンダード座敷童は、その後加わった五人目が襲名する事となるのだが、それはまた別のお話。
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