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第4話 立つ鳥跡を濁さず

 我が馬鹿息子も中々に良いツッコミとリアクションを取る様になった。

 これならば今後の明るく楽しいお寺経営も任せてしまって問題無いだろう。


「あと伝えておく事は」


「え?まだあんの?」


 何故だか馬鹿息子がぐったりしているが、山へ籠ってしまったら中々会えなくなるだろうからな。

 別にチャットで済ませても良いのだが、チャットだと相手のリアクションが見えないのが痛い。

 出来れば顔を合わせた状態でリアクション芸を楽しみたいものである。


「墓地の一番良い所に俺の墓を建てたから檀家さんには俺が死んだ事にして伝えといてくれ」


「まさかあのビニールシートが掛かってる所!?

 あそこあんたの墓だったのかよ!?」


 山に籠ってスローライフを送るには色々と事前準備が必要だからな。

 墓の一つや二つ既に用意している。


「あと追放後は町外れの山で暮らすから。

 あそこ俺の領地だから秘密基地とか作って荒らすなよ」


「意外と近場じゃねぇか!

 誰かがあの山買ったとか聞いてたけどあんたが買ってたのかよ!」


 あんまり田舎に引き籠ると酒が買えなくなるからな。

 だったら山を下りて車で15分圏内に酒屋が欲しい。

 ネットで買っても良いんだけれども。


「そんなもんか。完璧だな。

 正に立つ鳥跡を濁さずってやつだ」


「俺の心は濁りまくってますけどぉ!?」


 最後に馬鹿息子の成長も見れたので追放住職はさっさと出て行く事にする。

 あんまり遊んでると後で煩いのもいるからな。


「遊びに来る時は酒でも持って来いよ。

 そんじゃまた。バイビー」


 ブロロロロロロ


 馬鹿息子に別れを告げて爆音を残し寺を去る。

 寺の坊主には高級車を手に入れやすい仕組みがあるんだが、今や引退した身なのでそんな事は置いておいて。


『お主ついさっきしこたま酒を飲んでおいて。

 完全に飲酒運転だぞ』


「いっけね。

 私有地の中だからオッケーって事にして駐車場で酒抜いて朝になったら向かうか」


 危うくスローライフ開始する前にお縄について追放住職の囚人ライフが始まる所だった。

 そんなこんなで俺は朝まで眠って酒を抜き。

 町外れの山へと向かうつもりだったのだが、化け狐と朝まで酒盛りしてグースカ寝ている所を馬鹿息子の怒鳴り声で起こされ。

 このままだと一生車では山に辿り着けそうにないので運転手を呼んで山の麓まで運転して貰った。


 一つ言っておくが、俺は僧衣の袖に酒を隠し持っていたが、今まで飲酒運転を行った事は一度も無い。

 良いか?大事な事だからもう一度言っておくが、今まで飲酒運転を行った事はただの一度だって無い。

 良いか?運良く逮捕されてないとかじゃなくて、飲酒運転自体を一度だって行った事は無いのだ。


 三度も念を押すと確実にやってる奴の雰囲気が出るのは不思議でならない。

こちらの小説はアルファポリスで開催中の【第7回キャラ文芸大賞】にエントリーしています。

アルファポリス大幅先行公開となりますので、是非そちらもご覧下さいませ。

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