第20話 座敷童の変化
座敷童が初めて焼き芋を食ったあの日から、何度か焼き芋を作ってやったら毎回一人一本ずつペロリと平らげる様になった。
何が要因なんだろうかと疑問に感じたが、本人達が喋らないので理由はわからない。
もしや囲炉裏で調理した料理は食えるのか?と考えたが、囲炉裏で焼いた魚には興味を示さないので謎である。
「お前らは髪型以外にも見分けが付き易ければ良いんだけどな」
うちにいる座敷童はまるで五つ子の様に同じ顔をしている。
服装も赤いちゃんちゃんこで全く同じだ。
このちゃんちゃんこ、既製服か?ってぐらいそっくりなんだが同じ所で買ったのか?
座敷童用のちゃんちゃんこが売ってる店があやかし界には存在するのか?
『そんなもの、ある筈がないであろう』
化け狐からの補足が入る。
『まあ商いをするのもいるにはいるがな』
やっぱりいるのかそういう奴も。
「服を買ったら着替えてくれると思うか?
魔法少女の服とか買えば興味を持って着るんじゃないだろうか」
『変なのが寄って来そうだから止めておけ。
しつこい霊は追い払うのが面倒だ』
敢えて言及はしないが、確かに俺も同意だな。
その日は何となしにそんな事を考えただけだったのだが。
「何か、育ってねぇ?」
最近は随分と短くなった秋も終わりに差し掛かった頃、目が覚めたら囲炉裏の周りに赤いちゃんちゃんこを着た見慣れない五人組が座っていた。
いや、見慣れないとは言ったが一人だけは見慣れたままの姿だ。
『お主が見分けが付く様になれと願ったからだな』
確かにそう願ってはいたけれども。
三つ編みにしたのが十五ぐらい。
前髪を編んでおでこを出しているのが十二ぐらい。
コーンロウにしたのが十ぐらい。
縦ロールにしたのが八つぐらい。
スタンダードなおかっぱが変わらず六つぐらい。
顔のそっくりな五つ子だったのが、顔のそっくりな姉妹みたいになっている。
順番に並べたら幼女から少女への成長を記録したフォトグラフみたいになっている。
あやかしって成長したり出来るのかよ。
『人の姿に化けるのもいるのだから姿を変える程度なら他愛のない事よ』
「そう言われてみればそうだな」
確かに姿を変えられるあやかしはいる。
だから冷静に考えれば座敷童が五つ子から五人姉妹になっても何の違和感もないな。
「いや、冷静に考える程におかしいとしか思えないけれども!?
何だよ成長する座敷童って!」
俺が戸惑っていると五人が揃って同じ顔で不安そうにこちらを見ていた。
「違うぞ?お前らが悪い訳ではなくてな。
ちょっとだけ頭が混乱しただけだからな。
俺の為にしてくれたんだもんな?ありがとう」
そう言って全員の頭を撫でてやると嬉しそうにニコニコして皆で俺に抱き着いて来た。
何だか五人も可愛い娘が出来た気分になるな。
馬鹿息子と違って見た目も純和風だし。
俺は大きい座敷童から順に一子、二子、三子、四子、五子と名前を付けた。
もっと考えて名前を付けてやれって?
練りに練られたキラキラネームよりも覚えやすい名前のが都合が良い事だってあるんだよ。
本人達が気に入っているんだから問題なしだ。
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