表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
15/46

第14話 種蒔き

 屋敷から離れるとやはり蒸し暑い。

 特に山頂付近から麓まで下りるので、普通よりも暑さを感じやすいのかもな。


「震々ってあれだな。着るエアコンみたいだな。

 本来は恐怖を感じた時に寒気を感じるとかってあやかしだよな?」


『そうだ。お主の場合はあやかしに対しての感受性が強い。

 それ自身でもお主が快適になる様に調整はしているのだろうがな』


「ふぅん。戻ったら酒を飲ませてやろう。

 夏の間は外出する時にまた頼む。

 今度は俺が盛大にスベらなくても頼むわ」


 そんな会話をしながら屋敷まで戻ると、池が冷たすぎるのか河童がブルブル震えていた。

 お前らが作った池なのにすまんな。

 しかし俺の快適生活には変えられないんだ。

 快適なスローライフを送る為には多少の犠牲も必要なのである。


「何か良い方法を考えておくから桶に水張るとかして我慢してくれ」


 俺が声を掛けると九人の河童はちょっと決め顔を作ってサムズアップしてみせた。

 体がブルっているのであまり決まっていないのだが。

 あれ?一人増えてね?


「今日はもう出掛けたし家で酒を飲むつもりだったんだがな。

 やるかな家庭菜園」


『出掛けたってミミズと我の背に乗って鞄に物を詰めただけだろう』


 仰る通りで。

 帰りは化け狐に乗った訳だが、ミミズのペースに合わせたので普通に快適だった。

 いつもとんでもない速度で駆け上がるからな。

 俺の体への負担も考えて欲しい。


『む、すまぬ』


 素直な事でよござんすね。


「いつもありがとうな」


 、、、


 何だかお互いに小っ恥ずかしくなったので作業に移ろう。


 幾らあやかし任せで快適なスローライフを送っていると言っても、種蒔きぐらいは自分でやりたい。

 そうすれば種を蒔けばその後の全てを放り出したとしても俺の手柄と言って問題ないだろう。


『問題しか感じないが?』


「細かい事は気にするな。

 そんな訳だからミミズはまた俺を乗せてくれ。

 俺が適当に種を蒔くからな」


 俺は経を唱える事には少しばかり自信があるが、家庭菜園に関しては素人だ。

 だから一度やってみて、もし上手くいかなければ別の方法を試すトライアンドエラーでやっていく。

 一々動画を見たりだの、まとめブログを漁るのは正直ちょっと面倒臭い。


 俺は種まき権兵衛リスペクトで家庭菜園に挑む所存だ。

 その為に種を大人買いしておいたのだから。


 恐らく種蒔きの歴史上でもワースト五万以内に入るであろう雑な種蒔きを済ませたら家に入って酒を飲む。

 雪女は清酒を好むので飲ませてやると機嫌良く丸氷を作ってくれる。

 丸氷はグラスに入れて化け狐とウイスキーをオンザロックで。


 氷を削る訳ではなく何処から出しているのかわからないが、不純物を感じさせない透明度の丸氷。

 味だけでなく芸術点も高い酒を化け狐と楽しんで、今日もグダグダと一日が過ぎていく。

こちらの小説はアルファポリスで開催中の【第7回キャラ文芸大賞】にエントリーしています。

アルファポリスでは既に60話以降の投稿を開始していますので、是非そちらもご覧頂き、面白いと思ったら【投票】をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング
↑ これを押して貰えるとと少しだけ強くなれたような気がする。
★★★★★ くれたら嬉しくて泣いちゃうかも
ブックマークよろしくお願いしますぅぅ!
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ