第六十六話 初めての授業
レオンの講義は、ドワインの説明よりもずっと明快で、わかりやすかった。
たとえば、最も基礎的な攻撃手段である光弾についての説明がそうだった。
彼が私たちに求めたのは、ただ闇雲に手の中へ魔力を集めることではない。
可能な限り、一筋一筋の魔力の流れを把握することだった。
その感覚は、無数の触手を同時に伸ばし、空中に漂う煙を集めていくようなものだった。散らばった魔力を少しずつ寄せ集め、収縮させ、やがて一つの完全な球形へと凝り固めていく。
ドワインがかつて私に教えてくれたのは、まず掌から光の魔力を放出し、それから泥団子を握るように形を整える方法だった。そのやり方は、比較的簡単にできる。
けれど、レオンの教える方法で作り上げた光球は、明らかに密度が違っていた。
それは、一筋一筋の絹の布を幾重にも巻き重ねて作った布球のようだった。厚く、緊密で、内側に確かな力が満ちている。
見た目だけは光の透過性を保っているのに、内部は空気と変わらないほど空っぽだったこれまでのものとは、まるで違っていた。
私はその変化を興奮しながら感じ取り、思わず両手で光球を転がすように扱ってしまった。
左手から右手へ光球を移し、さらに右手で高く掲げる。そこから掌に沿わせてゆっくりと落とし、最後に左手で形を保ったまま、胸の前へと持ち上げた。
「ペラルド。その扱い方は危険ですよ」
レオンの注意は、やや厳しかった。
私は仕方なく、手の中の光球をきちんと構え直す。
確かに、これは明光術とは違う。明確な攻撃魔法なのだ。
「では、次は手の中の光弾を操作し、遠くの的を狙って攻撃してみましょう。同時に攻撃できるのは五人までです」
レオンはそう言いながら両手を振るい、薄絹のような光を教室の床と壁一面に広げていった。
これは、教室を保護しているのだろうか。
正直に言えば、家でドワインに指導されながら練習していた時よりも、ずっと慎重だった。
もし何かを壊してしまえば、専門の職人に修理を頼まなければならない。
それなのにドワインは、そういうことをまったく気にしていないように見える。普段は貴族としての規則や作法にあれほど厳しいのに、こういう時になると何も言わない。
不思議だ。
すでに五人が、レオン導師の指定した位置へ先に立っているのを見て、私は光球を両手に抱えたまま、後ろへ回って順番を待つことにした。
レオンは左手で、五枚の巨大な円形石板を指し示した。
それぞれの石板の中央には、目標点として明るい星形の石が嵌め込まれている。
その星は、どうやら何かの宝石を彫って作られたものらしい。透き通るように澄んでいて、淡い青の光輪を放っていた。
「忘れてはいけません。皆さんが手の中で制御している光の魔力は、まず身体の制御下から、魔力でそっと、少しずつ切り離していく必要があります。オスワルド、急ぎすぎです! ファロ、あなたの光球は維持する魔力が足りません。このままでは形が崩れますよ!」
五人の狙いを同時に見守りながら保護することは、もしかするとレオンにとって限界ではないのかもしれない。
だが、その五人に同時に光弾を正しく撃たせるとなると、さすがにかなり難しそうだった。
幸い、この練習なら私はすでに百回以上やっている。
鏡を見なくてもわかる。
きっと今の私の口元は、得意げに少し吊り上がっているはずだ。
「よろしい。では、切り離しの最終段階では、それを別の場所へ漂わせたり、地面へ落としたりしてはいけません。魔力で光弾を押し出しなさい。同じく強い光の魔力で、それに衝撃を与えるのです。覚えておきなさい。魔力運用が完璧に近い者ほど、放たれる光弾は本来の速度と威力を発揮します!」
レオンはなおも根気よく、前に立つ五人へ光弾の撃ち方を教えていた。
その言葉は、スレーとハンク、二人の元王剣騎士が言っていたことを思い出させた。
自身の魔力運用を完璧に磨き上げた者だけが、放つ魔法の速度、威力、そして範囲を真に極限まで高められる。
そしてその過程は、私の一生に付き従う修行になるのだという。
それは、終わりのない戦いであり、努力だった。
けれど私は、終わりのない戦いを嫌いだとは思わない。
そこには、確かな成長を感じられるからだ。
自分が成長できるという事実だけで、私は十分に嬉しくなれる。
もっとも今は、それよりも早くレオン導師に見せたくてたまらなかった。
毎日何十回も練習し続けてきた成果を、彼に見てもらいたい。
ああ、前の五人がようやく光弾を撃ち出したようだ。
光弾が石板へ命中した瞬間、しゅぱっ、と軽い音が響いた。
しかし、それらの光弾は水晶に触れた途端、まるで中へ溶け込むように消えていった。
なるほど、あれは魔力を吸収できる宝石なのか。
以前、家にあった百科事典のような本で、そういうものの説明を読んだことはある。けれど実物をこの目で見るのは初めてだった。
魔法学院に、こんな珍しいものまで置かれているとは思わなかった。
次は、私も参加しよう。
そう思い、私は急いで光弾を構え直した。
的に命中させた生徒が位置を離れると、私はすぐにその後へ続こうとした。
「入学したばかりで、もう自分の魔法を見せびらかしたいのか? お前は端に寄ってろよ。俺たち先輩が教えてやるからさ」
振り返ると、案の定、そこにいたのはオスワルドという、あの黄色い髪の面倒な少年だった。
私は彼と関わりたくなかった。
それなら、彼とその隣の者を先に行かせればいい。
どうせ手の中の光弾を維持する程度なら、私にとって大した魔力の消耗にはならない。
その時、私の隣にいたエルノス嬢も、黙ってオスワルドと同じ線上に立ち、的へ狙いを定めた。
彼女も、ほかの同級生たちも、どうやらオスワルドの性格にはすでに慣れているらしい。
魔法学院の低級学徒なら、彼らもまだ入学してそれほど長くはないはずだ。
それなのに、もうこんなにも慣れてしまったのだろうか。
それとも、ヴィスカルロではこういう雰囲気が普通なのか。
私はその場に立ったまま、自分だけがここから浮いているような空気について考えた。
けれど、これは私自身が望んで決めた入学なのだ。
そして、私が初めて自分で下した決断でもある。
それに、たった数時間の間に、私はすでに自分の成長を感じている。
だから、あの面倒な少年のことなど無視すればいい。
彼は、見たところ私より数歳は年上のようだけれど。
私は前に並ぶ生徒たちが、一人ずつ練習を終えていくのを見ていた。
そしてついに、私の番が来た。
私はほかの三人とともに、レオン導師が光で区切った線の後ろに立ち、ゆっくりと左手を掲げた。
同時に右手を伸ばし、左手の照準を補助する。
「深呼吸だ、パーリセウス」
これは、スレーおじさんが教えてくれたことだ。
狙う前に深呼吸すれば、照準はより安定する。同時に魔力の錬成速度も上がり、光弾が手を離れた後の速度も速くなる。
そして、今はレオンがさっき教えてくれた方法も使わなければならない。
幾重にも光の魔力を包み込んだこの光弾に宿る力を、一息にすべて撃ち出す。
「いいですよ、ペラルド。そろそろ手から放ちなさい」
レオンがそばで私を励ました。
その言葉に、私は背中を押された気がした。
その期待に応えなければならない。
行け!
「はっ!」
私は声を上げた。
掌に込めた魔力が一気に力を放ち、制御された光弾を、弓弦に番えた矢のように弾き出す。
その光弾は、ほかの誰よりもはるかに速く飛んだ。
ぱん、と音が響く。
光弾は、いつもの練習と同じように、正確に的の中心へ命中した。
ただ、普段の三倍近い魔力を込めた光弾であっても、練習の時のように的を破壊することはなかった。それは宝石に吸い込まれるように消えていく。
だが消える寸前、その光弾が放った輝きは、まるで彗星が空を横切るように、教室全体を照らし出した。
よし。
私は練習の成果を完全に形にできた。
そして、レオン導師の教えにも応えられたのだ。
振り返ったらそこに拍手している者がいた。
レオンと同じように、頷いて称賛してくれる者もいた。
私の胸にも、強い喜びが湧き上がる。
その感情は噴水のようにあふれ、胸の内側をいっぱいに満たしていった。
「さて、皆さん、とてもよくできました。いったん席へ戻ってください。最後の注意事項を説明したら、この授業は終わりにしましょう」
レオンは手を叩き、私たちを席へ戻らせた。
次は、どんな授業なのだろう。
私はもう、期待せずにはいられなかった。




