第六十一話 誕生日の夜会
数か月にわたる訓練を経て、私はすでにスレーおじさんの三割ほどの力で張られた光盾を打ち破れるようになっていた。さらに、小さく精密な光弾を操り、五十の標的を連続で撃ち砕くこともできるようになった。
もっとも、それはまだドワインたちが私のために定めた第一段階の目標にすぎないらしい。聞くところによると、この先にはまだ二つの段階が残っている。それでも、今の進み具合だけを見れば、かなり理想的な速度なのだそうだ。
次の段階に入れば、私はさまざまな武器を自在に扱えるようにならなければならない。少なくとも、光線を用いて数百メートル先の標的を正確に撃ち抜ける程度にはならねばならないらしい。そしてその後、ようやく最終段階へ進み、父上自らが私を教えることになる。
少しずつ緑に満たされていくこの庭で、私の技も、魔法への理解も、一日ごとに確かに進歩していた。
私たちの裏庭はそれなりに広く、近くに住む者もあまりいない。けれど訓練を終えて裏庭から前庭へ戻るたび、体に沿った細身の長衣をまとった魔法学院の生徒たちが通り過ぎるのを見ると、胸の中に湧き上がるものがいったい何なのか、自分でもわからなくなる。
心に、白い布を一枚かぶせられたようだった。
胸いっぱいに吸い込んだはずの空気も、途中で詰まったまま、どうしても吐き出せない。
彼らの中には、私とそう年の変わらない子も大勢いた。
私は以前、本で読んだことがある。光の領域に生まれた子供は、走れるようになる頃から、定められた規則に従って戦闘知識を学ばなければならない。とりわけ光の魔法は重要なのだという。
制度上は、子供が十歳を過ぎてから、学院制による体系的な教育が始まることになっている。けれど、毎日のようにこのあたりを通るあの子供たちのように、今ではより多くの者が、かなり早い段階から学び始めているらしい。
そうすれば、本当に学院へ入った時、彼らはある程度、周囲より先んじることができる。
そしてその差は、彼らが憧れる軍団兵士や高階魔法師へ近づく助けになる。そうなれば将来、帝国の中で、自分が欲しいものを手に入れやすくなるのだろう。
私には、特別に欲しいものなどない。
けれど、不思議だった。
私はいつも、何かをしなければならないような気がしている。
たとえ、その「何か」が何なのかも、どこへ向かうものなのかも、わからないとしても。
それはもしかすると、学院へ通うことなのだろうか。
とにかく、私はまずこの家を出て、外の世界を見てみたかった。
かつて聞かされた、母上の昔の物語のように。
以前のように父上へ直接相談しても、きっと何の結果も得られない。父上が私を学校へ通わせることに同意するはずがない。
誰か頼れる人はいないだろうか……。
ドワインは間違いなく駄目だ。彼はいつも父上の言いつけに従う。
ユーナも駄目だろう。今では料理や洗濯などの家事を引き受けるようになり、ドワインは前よりずいぶん楽になっている。けれど父上のあの強硬な態度を前にして、彼女が私のために口添えすることなど許されないはずだ。
スレーおじさんとハンクおじさんなら、二言三言は助けてくれるかもしれない。だが、決定的な力にはならない。
そうなると、残る候補は一人しかいない。
その考えが頭をよぎった瞬間、私はすぐに確信した。
あの人なら、きっとできる。
そして来月、私の誕生日の夜会には、その人も家族を連れて来ることになっている。その時に、私から頼んで父上に口添えしてもらえれば、この件はうまくいくかもしれない。
ああ、私はなんて天才なのだろう。
そう思うと、思わず口元がにやけた。手の中の魔弾に、すでに過剰な魔力が溜まっていることにも、まったく気づかなかった。
我に返った時には、魔弾はもう撃ち出されていた。
それは標的を貫いただけではなく、その後ろの枝まで一緒に撃ち抜いた。ぱきり、と大きな音がして、枝はしっかり地面へ落ちた。
「こほん」
傍らで執事が咳払いをした。
「坊ちゃま。ご成長が日ごとに目覚ましいことは、確かでございます。しかし、どうか加減もお覚えくださいませ。庭の修繕というものは、なかなか手間のかかる仕事でございますので」
その嗄れた声から、私はほんの少しだけ不満の響きを聞き取った気がした。
私は肩をすくめる。
「はい。少し、考え事をしていました」
「では、いったんお休みになりましょう。ユーナ殿が茶菓子をご用意くださっております。続きはその後でもよろしいでしょう」
ああ……。
また忙しい午後が過ぎていく。
私は杯に注がれた淡い茶を飲みながら、浅い橙色に染まる空をぼんやりと眺めていた。
それからしばらくして。私たちの家は分家の豪邸には遠く及ばないものの、私の誕生日会は我が家で開かれることになった。
それは同時に、レシュオンと、あの恐ろしい夫人が初めて私たちの家を訪れる集まりでもあった。
広くはない広間には、父上、レシュオン閣下、恐ろしいリリロット夫人、執事ドワイン、スレーとハンクの二人の騎士、そして私が一度も見たことのない貴族服の五人と、一人の老婦人がいた。
私は高い椅子に座り、目の前の食卓に置かれた、輝く光球で形作られた数字の「八」を見つめていた。胸の中は期待でいっぱいだった。
今日が私の誕生日だから、というだけではない。
何より、レシュオン閣下が来ているのだ。
私の計画を、ようやく実行できる!
あとは機会を見極めて、レシュオン閣下と二人きりで話し、それから……。
へへ。
私はレシュオン閣下をじっと見つめた。目から光が出てしまいそうなくらいだった。
彼も私の視線に気づいたらしく、こちらへ微笑んで軽く頷いた。そしてまた、父上との会話へ戻っていく。
どうやら、今すぐは無理らしい。
ドワインが横で一本指を立てた。
私はすぐにその意味を理解し、慌てて背筋を伸ばして座り直した。いつでも自信と気品を保った姿勢でいなければならないのだ。
私は我が家と分家の女中たちが、次々と料理を運び込み、つなぎ合わせた大きな食卓へ並べていくのを眺めた。客人たちが父上と話し、時折頷き合う様子も見ていた。胸の中には、どこか見慣れない光景を前にしているような感覚があった。
これは、私が以前に経験した誕生日会とはずいぶん違う。
去年の誕生日の夜会には、母上と父上、ドワイン、それに数人の使用人しかいなかったことだけを覚えている。
こんなに賑やかではなかった。
母上……。
私はぎゅっと瞬きをして、またまっすぐ遠くを見つめた。
宴の料理はどれもとても美味しかった。私がこれまで食べたことのない、珍しいご馳走ばかりである。言うまでもなく、その傑作の数々はきっと分家の女中たちの手によるものだろう。
ユーナも早く上達して、いつかこんな見事な食卓を用意できるようになってほしい。
私はずっとレシュオン閣下を気にしていた。彼がこちらへ視線を向けてくれないか、あるいは自ら歩み寄ってくれないかと期待していた。そうすれば、小声で少しだけ話せる機会が生まれるかもしれない。
けれど、そんな機会はまったく訪れなかった。
レシュオン閣下は、どうしてあんなに話好きなのだろう。
彼はずっと父上と話し続けている。しかもその内容は、領地や管理に関する、私にはよくわからないことばかりだった。
これは本当に困ったことになった。
せっかく待ち続けた機会を、このまま無駄に逃すわけにはいかない。
でも、どうすればいいのだろう。
私がひそかに焦っていると、澄んだ足音が少しずつ近づいてきた。
顔を向けると、リリロット夫人がゆっくりこちらへ歩いてくるところだった。
な、何をするつもりなのだろう。
私の顔全体が強張った。
前に彼女を訪ねた時、延々と叱られた光景がすぐに蘇る。
しかし今回は、彼女は私の前まで来ると、ただ手を伸ばして、私の頭を撫でただけだった。
いい香りがした。
レシュオン家の庭に咲いていた花の香りに似ている。
「あなた、レシュオンに何か用があるの?」
リリロット夫人の声は、前回とはまるで違っていた。
ひどく冷静で、しかも小さい。ほとんど周囲の注意を引かない声だった。
「あ、い、いえ……何もありません」
私がそう言い終えるや否や、彼女の顔つきが一気に厳しくなった。ほとんど前回怒った時と同じ表情だった。
終わった。
言い間違えた。
私が彼女の怒声を覚悟して身を固くした、その時だった。
彼女は何も言わずに私の手を取り、そのまま広間の外へ歩き出した。
「奥様、どうなさいましたか?」
廊下にいた女中たちが、私の手を強く引くリリロットを呼び止めた。
「この子に、少しきつく説教してくるわ!」
リリロット夫人は強い口調で言い切った。
それほど強気な夫人を前に、女中たちは誰も止めに入れない。ただ小さく頭を下げて答えた。
「はい。お気をつけて」
いや、彼女はいったい私をどこへ連れて行くつもりなのだろう。
さっき素直に、「はい、レシュオン閣下にお願いしたいことがあります」と言うべきだったのではないか……。
不安で胸が落ち着かないまま、私は広間の隣にある更衣室へ連れて行かれた。
彼女は扉を閉める。
私はごくりと唾を飲み込んだ。
まさか、ここであの大声を披露するつもりなのだろうか。
こんな閉め切った部屋で怒鳴られたら、私の耳はきっと耐えられない。
だが彼女は、またも私の予想とは違う行動を取った。
私を自分の腕の中へ引き寄せ、もう一度そっと頭を撫でる。そしてまっすぐ私を見つめた。その目は冷静で鋭く、父上が怒っている時の眼差しを思い出させた。
「それで、あなたはいったい何を頼みたいの?」
彼女は低く尋ねた。
「さっき私たちが宴会場へ入ってから、あなたはレシュオンを合計十七回見たわ。目には不安と焦りが出ていた。出された菓子も食べきっていない。あれはあなたが一番好きだと、お父様から聞いたから、わざわざ使用人たちに用意させたものなのに」
私は言葉を失った。
私の小さな思惑は、少しも隠せていなかったのだ。
しかも、目の前のこの恐ろしい女性には、すべて見抜かれていた。
ここまで来たら、もう正直に話すしかない。
「はい。実は、お願いしたいことがございます。尊敬するリリロット夫人」
「なら早く言いなさい!」
彼女が突然大声を出したので、私は飛び上がりそうになった。
やはり、彼女は怒っているのだ。
「わ、私は……学校へ行きたいのです」




