11ー5 行くよ!
11ー5 行くよ!
「今、ジークナー公爵は、危険な状態にあるの」
『西の魔女』があたしたちに切り出した。
「それを救うためには、あなたたちの力が必要」
突然の言葉にマリカさんは、狼狽していたし、グリエ君も戸惑いを隠せない。
でも。
あたしは、違った。
くるべき時がきた!
あたしは、今まで叔父さんがいないこととかで不安だった気持ちがすっと落ち着いてくるのを感じていた。
あたしの番だ!
あたしがやらないといけないんだ。
「世界樹が見つかったんですね?」
あたしがきくと『西の魔女』があたしを見つめる目に力を込めた。
「ええ」
「では、すぐに案内してください!」
あたしは、不思議と静かな気持ちだった。
『幻獣の王』は、あたしを待っている。
そう、感じていた。
少しの恐怖心と胸の高鳴りを感じてあたしは、深く呼吸をした。
落ち着いて、あたし!
あの方は。
あたしは、身震いがする。
あたしを許してくださるだろうか?
叔父さんは?
あたしは、どうなるの?
いろんなことが頭の中でぐるぐると駆け巡りあたしは、胸がどきどきとしていた。
けれど。
同じぐらいあたしは、期待もしていた。
それは、やっと約束を果たせるという思い。
眠りにつく前に、約束した。
必ず、あなたを目覚めさせると。
待っている。
あの方が目覚める時がくるのを。
そう、約束したのだ。
アイゼルのせいでその約束は、叶えられることなく時が流れて。
それでも。
やっと!
あたしは、彼の人との約束を果たすことができるのだ。
決意を固めているあたしのことを『西の魔女』は、ただ見つめていた。
一瞬。
その瞳に何かがよぎったような気がした。
けれど、『西の魔女』は、すぐに瞬きしてそれを散らせる。
「わかったわ」
『西の魔女』が目を閉じる。
「あなた方を世界樹へ、導きましょう」
「せ、世界樹?」
マリカさんがぎょっとしてあたしの方を見た。
あたしは、マリカさんに告げた。
「これは、あたしの問題。もしも嫌ならあなたたちは、くる必要はない」
マリカさんが一瞬、戸惑うような表情を浮かべる。
けど。
すぐにマリカさんは、きっと表情を引き締める。
「行きます!わたしもチカ様とグリノア様と一緒に行きますから!」
「もちろん」
グリエ君が口角を上げる。
「僕は、王族として世界を守る責任がある」
「では」
『西の魔女』が頷く。
「一刻を争います。すぐに出発しましょう」
あたしたちは、立ち上がる。
けど。
出発前に少しだけ時間をもらうことにする。
だって!
学園に通う服装のままだから!
あたしたちは、城の一室を借りて準備を整えることにした。
とりあえずあたしは、鞄に入れていたジャージに着替える。
マリカさんも。
そして。
マリカさんは、『聖女の錫杖』を呼び寄せた。
あたしは。
この世界に来た時に叔父さんにもらったミサンガに触れてその存在を確かめる。
「行くよ!」
あたしは呟いた。
待ってて、叔父さん!
それに。
『幻獣の王』




