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11ー4 時がきた!

 11ー4 時がきた!


 グリエ君とマリカさんに行方不明になってしまっている叔父さんのことを迷いつつも2人に相談したあたしは、その日の内に『西の魔女』の城を訪れていた。

 なぜ?

 それは、グリエ君とマリカさんがこれは、『西の魔女』に相談するべきだと主張したから。

 突然のあたしの、というかあたしたちの訪問に『西の魔女』は、驚くこともなく迎え入れてくれた。

 迎賓室に通されてお茶で歓待されながらもあたしは、ちょっと困っていた。

 あたしは、なんとなく『西の魔女』が苦手なのだ。

 いつもお世話になっている。

 でも、なんだか怖い。

 以前、病を癒すためにあたしが時を戻したせいで幼い少女の見た目だが、それとは不釣り合いな何を考えているのかわからない印象。

 なにより叔父さんにも『西の魔女』には気をつけるようにとアドバイスされているし!

 だから、叔父さんのためとはいえ『西の魔女』には近寄りたくはなかった。

 それでも一緒に来てくれたグリエ君とマリカさん、それにメリアがいるのでなんとか逃げ出さずにすんでいた。

 「よく来てくれたわね、みなさん」

 部屋に入ってきた『西の魔女』は、黒いドレスの裾を翻してあたしたちの正面に置かれた椅子に腰をかけるとぐるりとあたしたちを見回した。

 一瞬、緊迫感に包まれる。

 何しろ、あたしたちは、ただの学生であり、相手は、国の有力者なのだ。

 あたしは、静けさを破り口を開く。

 「あの・・クリスティア様たちのこと、ありがとうございました」

 あたしの言葉に『西の魔女』がキョトンとする。

 「なんのことかと思ったら・・『東の魔女』のこと?」

 『西の魔女』が頬を緩める。

 「いいのよ。あの子たちもいい養女を探してたのだから。あなたたち両方の需要が一致しただけよ」

 お互いの需要が一致?

 あたしは、ちょっと考えてしまった。

 確かにそうだけど。

 まさか王族になるなんて思ってなかった。

 「何か文句でも?」

 『西の魔女』の藍色の瞳がきらりと輝く。

 あたしは、首をすくめた。

 「文句なんて!ただ・・まさか王族になっちゃうなんて思ってなかっただけで」

 「これからのあなたには、いつかその権力が必要になるでしょうから」

 『西の魔女』が口角を上げる。

 「そのときがくれば私に感謝することになるわ。そんなことよりあなたたちが来てくれたのは、ジークナー公爵のことででしょう?」

 『西の魔女』は、星が散ったような瞳であたしたちを見つめる。

 「『勇王の剣』を持つ者、そして、『聖女の錫杖』を持つ者が『幻獣の女王』と共にここに集ったことは偶然ではないわ」

 『西の魔女』の言葉にあたしたちは、顔を見合わせる。

 「というと?」

 グリエ君の問いに『西の魔女』は、答えた。

 「ジークナー公爵たちを救うためには、あなたたちの力が必要なの」

 あたしは、びくん、と肩を揺らせた。

 「もしかして・・」

 「ええ」

 『西の魔女』がこくりと頷く。

 「いよいよ『幻獣の王』を目覚めさせるべき時がきたの」

 

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