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11ー3 失踪

 11ー3 失踪


 あたしたちは、生徒会役員となることが決まった。

 あたしは、生徒会書記。

 マリカさんは、副会長見習い。

 グリノア君は、生徒会長見習い。

 なんであたしだけ見習いじゃないの?

 それには、理由があった。

 書記に選ばれていたのは、エレノアさんだったのだけど、毒殺未遂事件後、エレノアさんは、退校処分となってしまい、書記はそれ以来誰も引き受ける者がいなかったのだ。

 毒殺未遂事件は、犯人とされていた使用人が死んでしまったため、誰が彼女に命令したのかはわからずじまいだった。

 けれど、裏にエレノアさんがいたのではないかという噂があり、さらには、デューラ・ダンジョンでのこともあり、学園側は、エレノアさんを退学にしたのらしい。

 その後、エレノアさんの実家であるガストール男爵家は、とり潰されエレノアさん一家は、国外追放となった。

 あんな人でも不幸になったのかもしれないと思うとなんだか気分が沈んでしまう。

 でも。

 エレノアさんは、やりすぎたのだ。

 ちょっと意地悪をしているだけなら我慢すればよかった。

 けれど、彼女は、悪でありすぎた。

 あたしたちが生徒会役員になったことは、すぐに学園の生徒たちの知るところとなった。

 「普通クラスの奴らが生徒会役員?」

 「いや、でも、本当は、王族だったらしいし!」

 「しかし、普通クラスなんだろう?役員なんてつとまるのか?」

 みな、半信半疑であたしたちを見守っているようだった。

 あたしたちは、ルード会長たちの指導のもと毎日放課後、生徒会室に通って仕事を学んでいた。

 忙しい毎日は、あたしにとって救いだった。

 でないとあたしは、心が穏やかではなかったかもしれない。

 それは。

 叔父さんの不在のせいだ。

 叔父さんが『幻獣の国』の調査のためにあの扉の先にある世界へと向かってからすでに1ヶ月は過ぎようとしていたが、叔父さんは、まだ帰ってきてはいなかった。

 叔父さんが不在の間、ミルカリアの屋敷のことを任されているミランダ先生に訊ねても「わからない」としか返ってこない。

 実際に『西の魔女』にも叔父さんたち調査団がどうなっているのかはわかっていないようだった。

 もしものことがあったんじゃ?

 あたしは、すごく心配で夜も眠れなくて!

 少しでも叔父さんのことを考えないようにしようと思って、あたしは、生徒会の仕事にのめり込んだ。

 毎日、遅くまで残って仕事をしているあたしにメイアは、黙って付き合ってくれた。

 今日も。

 辺りが暗くなるまで資料の整理をしていたあたしが書類を置いて顔を上げたら、グリノア様とマリカさんがじっとあたしのことを見つめていた。

 「い、いたの?」

 驚いているあたしにグリノア様とマリカさんが眉を下げる。

 「チカ・・ジークナー公爵のこと聞いた」

 グリノア様があたしに訊ねる。

 「僕たちにできることがあればなんでもいってくれ」

 

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