10ー11 決意
10ー11 決意
3日後。
あたしは、ランディーノが迎えに来て叔父さんのもとに戻ることになった。
あたしとメイアが乗る馬車を見送るクリスティア様とエドワードさんは、なぜか、涙目だった。
「これが娘を嫁に出すってことかぁっ!」
エドワードさんが涙声でいうとクリスティア様もあたしの手をとり告げた。
「いつでも・・辛いことがあればここに帰ってきてもいいのですからね、チカ」
「ありがとうございます」
あたしもちょっと涙ぐんでしまう。
なんでも人間と竜の間には子は成せないのだとか。
だから、2人にとってはあたしは、本当の養女なのだ。
少しだけ。
もとの世界からこの異世界に来たときのことを思い出していた。
あたしが乗ったバスが見えなくなるまで見送ってくれた父さんと母さん。
いろいろなことが次々に起こって。
あたしは、まだ、2人に手紙も書けていなかった。
というか。
叔父さんが言うには、向こうの世界と連絡をとることはとっても難しいらしい。
なんでも国家レベルの事業になるらしい。
そこまで考えてはっと気付いた。
これからは、あたしも王族なんだからもしかしたら王家の力で異世界と連絡をとることができるんじゃ?
いや。
あたしは、頭を振った。
そんなわがままが通じるわけがないし!
まあ、マリカさんを召喚した時とは違って、ちょっと連絡をとるぐらいならそんな大事ではないのかも?
そんなことより。
あたしが王家の人間になることで何かを変えられるのなら。
叔父さんや『西の魔女』のやろうとしていることの力になれるのだとしたら。
あたしは、胸が高鳴った。
あたしだって、みんなの役に立ちたいし!
それに。
『幻獣の女王』として、この世界に『幻獣の王』を甦らせるのだから。
これは、必要な力を得ることになるのかも!
今、この世界では、魔素の欠乏による魔力不足が起こりつつある。
このまま世界が滅ぶ前にあたしは、『幻獣の王』を復活させなくてはならないのだ。
『幻獣の王』を目覚めさせることは、叔父さんが危機に陥る可能性もある。
その時、あたしは、叔父さんを守れるだろうか。
いや!
あたしは、頭を振った。
目を見開き、拳を握りしめる。
あたしが守るんだ!
幻獣たちも人間も、精霊も!
全てを丸っとあたしが守ってみせる!
みんなの平和で穏やかな日常をあたしが守らなくては!
「メイア」
「はいっ!」
あたしに名を呼ばれてメイアがすぐに顔を上げる。
その瞳がきらっと輝く。
「チカ様?」
「あたし、この世界を守るよ。いや!それ以上によくしてみせるから!」
もう、誰も悲しませない!
馬車ががたがた揺れて、あたしの心も不安に揺れていた。
けども同時に、あたしは、心に強く誓っていた。
あたしは、とにかく出来るだけのことをやろう!
まずは、剣の鍛練!
そして、王族として恥ずかしくないだけの知識をつける!
それから。
『幻獣の国』
王が眠る世界樹のある国へ。
そこで何が待っているのかもわからないけれど。
もう、何かを自ら諦めようとしたりはしない!
あたしは!
これからは、全てを守るために生きるのだから!




