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除霊師シオ  作者: らすく
第2章 除霊師達の活躍
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23/25

誰もいない公園

 「楽しいね。」

 「う、うん。」

 幼馴染みのタキちゃんがボクの顔を覗き込んできました。タキちゃんは僕と同い年なのに、とてもしっかりとした物言いの女の子なのです。今日は子供会の日帰りバス旅行なのでした。そして僕の両親も一緒にいるのです。でも両親は気を遣ってくれている(!?)のか、席は窓際で隣はタキちゃんが座っているのです。

 「サトルくん。」

 「何だい?」

 気のせいかタキちゃんの頬っぺたが、ちょっとだけ紅く見えます。そのボクの気のせいは、当たっていたのかも知れません。だから・・・・。

 「私たち恋人同時に見えるかな?」

 「ぶっ!」

 突然の言葉に、僕は思わず吹き出してしまいました。そんな僕達を見て、僕の両親・タキちゃんのお母さんは僕たちの方を見て笑っていました。全く平和な世の中だなあ、と子供心に思ったのです。バスは黙々と皆を運んでいくのでした。


 ~~~~~ 暫くして ~~~~~

 僕は近所の公園で佇んでいました。とても寂しい気持ちなのです。だって他に誰もいないんですから・・・。「カアカア」と鳴き声が聞こえます。ふと空を眺めると、青から赤くなっていました。もうこれから日が落ちて、空は暗くなる頃でした。もう仕方がありません。僕は誰もいない公園を出て、トボトボと歩いて帰ったのです。


 ~~~~~ その翌日 ~~~~~

 夜が明けました。今日も僕は近所の公園にいます。しかし今日も誰もいない公園なのです。

 (どうしてなの・・・・?)

 僕は1人でブランコに座り揺れていました。いつもはいるはずの犬を散歩させている人や、ジョギングしている人も見掛けません。ここは決して小さな公園ではありません。誰もいないなんて不自然だと思うのです。そうこう考えているうちに、僕は途方に暮れてしまったのでした。

 (なんで・・・?)

 もう日が暮れてしまいます。今日も一日、誰もいない公園だったのでした。僕は仕方なく公園を出ました。そしてトボトボと・・・・。


 ~~~~~ 数日後 ~~~~~

 もうかれこれ一週間になります。もう本当に、この公園には誰もいなくなってしまったのでした。

 (どうしたらいいの・・・・。)

 座るブランコの揺れが、とても悲しいです。なんでこんな事になってしまったのでしょうか。ずっと僕は独りぼっちなのでしょうか・・・。だとしたら、人生は何のためにあるのでしょうか。自分以外の人たちと関わらないなんて・・・。しかしそれは杞憂と言うものなのでした。

 「ここにいたのね。」

 「えっ!?」

 久しぶりの人の声に、僕は驚いてしまいました。一体誰・・・。

 

 「えっ・・・。」

 僕は拍子抜けしました。何故なら、そこには自分の知らない顔がいたからなのです。

 「お姉さん、誰なの?」

 制服姿のお姉さんが、隣のブランコに座っていたのでした。僕はジッと、お姉さんの顔を見ました。でも分からないのです。全くこの人の顔に見覚えが無いのです。なのに何故このお姉さんは、僕に話かけてきたのでしょうか。

 「ちょっと待っていてね。」

 「え?」

 お姉さんは僕の反応を余り気にする様子もなく、公園を出ていきどこかに行ってしまったのでした。僕は何もすることが出来ずに、そのままここに佇んでいたのです。そしてむしろ、そうしなければいけない気持ちもあるのです。この現状を打破してくれるのは、このお姉さんなのではないでしょうか・・・。


 ~~~~~ 暫くして ~~~~~

 どれくらい時間がたったのでしょうか。お姉さんは「ちょっと待っていてね。」、と言いました。一体そのちょっと、とはどれくらいなのでしょうか。お姉さんは本当に戻ってくるのでしょうか。

(うーん。何をやっているのかなあ・・・)

 僕は腕組みをしてブランコを揺らしています。

 (・・・・・・・。)


 ~~~~~ さらに暫くして ~~~~~

 「サトルくん。サトルくん。」

 (うん?)

 薄らいでいた意識が取り戻されてきました。どうやら僕はブランコに揺られながら、いつの間にやら眠りに就いていた様なのでした。目の前には、自分の良く知った顔がありました。

 「サトルくん。」

 「あっ!?タキちゃん!!」

 僕の眼から涙が溢れてきました。この子は紛れもない近所の幼馴染みタキちゃん・・・・・。

 「タッ、タキちゃん!」

 何と僕はブランコから飛びつくように、タキちゃんに抱き着いてしまったのでした。我ながらドサクサに紛れて、とんでもない事をする男なのです。そんな僕の頭を、タキちゃんは優しく撫でてくれたのでした。安心感でまた眠ってしまいそうです。でもそうはいきませんでした。

 「横のお姉さんは誰なの?」

 そうなんです。先ほどの制服姿のお姉さんがいました。言ったとおりに戻ってきたのです。ちょっと遅すぎる気がしますが・・・・。

 「今日はね、サトルくんをお迎えにきたの。お姉さんにお願いしたのよ。」

 そのタキちゃんの言葉で、僕は全てを思い出したのでした。気がつけば周りにパパ、ママそれに近所の皆がいたのです。


 ====== 子供会のバスで事故に遭った事を思い出したのです ======

 どうやら僕だけが迷って、皆とはぐれてしまっていた様なのです。僕が見つかるまで、皆この世を彷徨っていたでした。でももうこれで終わりです。僕達は、この制服のお姉さんに成仏させてもらえるのです。寂しくなんかありません。だって僕の傍には、お父さん・お母さん・・・、そして何といってもタキちゃんがいるのですから。お姉さんは右手を上げ、そしてゆっくりと降ろしていったのでした・・・。

                             ~「誰もいない公園」~ <完>

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