探索できない物を探索する
「出来るはず。」
フレデリカが訊ねる。
「ヴィン?何か思いついたの?」
「詳しくは町に戻ってからだ。」
俺はパメラに向き直すと
「パメラ、少し協力してくれ。」
俺達は町に帰るとギルドに討伐の報告をした。
通常の数十倍もある超大型魔蟲の存在はギルドを騒がせたが、討伐完了しているとあってそれ以上大ごとになることはなかった。
「ギルドで少し時間を取られ過ぎた。」
「仕方がありませんわね。あんな超大型が出たとあれば、ギルドをあげての討伐。
それもレイドを組んでの討伐になるはずですから。」
フレヤがギルドの対応を説明してくれる。
「さて、まず聞くけど、フレヤ。例の木箱は壊されていないのだな?」
「まだ壊されてはいませんし、開けられてもいません。」
木箱の内側に仕掛けた術式の一つだ。
不運の呪いの他、その発動を製作者であるフレヤに伝える。
それにより木箱の破壊の有無を知るのだ。
「ではまず、馬車を中心に呪文を使うか。」
そして俺は呪文を唱えた。
「生物探査」
本来ならばこの呪文は最後に探し出す生物の指定をするのだが、指定を行わない場合あらゆる生命が対象になる。
この世界の人々(転生者、転移者を除く)には知られていない事だが、空中には目に見えないぐらい小さい生物が存在する。
極微小の生物にも反応する為、指定しない場合、探査範囲の全てが光ってみるのだ。
「流石に馬車自体には反応は無いか。」
驚いたことに、幌馬車自体が反応しない。
幌馬車自体が対魔法の結界を持っている為だろう。
俺達は呪文の発動をしながら通りを歩く。
しばらく歩いただろうか、裏通りから少し入った所の家屋に四角い無効化された空間を発見する。
大きさからみて盗まれた木箱だろう。
ただ、盗まれた木箱だとはっきり判らない限り、このまま正面切って乗り込むとこちら側が犯罪者になってしまう。
乗り込むか、穏便に話し合って取り戻すか・・・
それを考えていると家の扉が開き人相の悪い男たちが出てきた。
「何だ、お前ら!何の用だ!!!」
俺達の姿を見るなりすぐ威嚇してくる。
典型的なチンピラの様だ。
「わたくし達は「俺達は探している事があってここに来たんだ。」
何かを言いかけたフレアを遮ってチンピラに応える。
チンピラ達はジロリと俺達を見ると
「帰れ!帰れ!」
「ここはお上品な奴らが来るところじゃない!」
「そうだ!ここにお前たちが探す箱なんてねぇ!」
「ほう。俺達の探し物が箱だと何故わかった?」
「「「はっ!」」」
「・・・・・」
「構わねえ!やっちまえ!」
所詮は町のチンピラ超巨大魔蟲を討伐した冒険者の敵ではない。
数分で制圧する。
盗まれた箱は踏み込んだ家屋で発見できた。




