旅は道連れ、ふたたび
木箱を回収した翌日、アサギリの町を出発する。
フレヤの手伝いの謝礼として手に入れた。
木箱はおまけだ。
「む、む、む、む、開かないなこの木箱は。」
木箱を開けようと一人格闘している後ろから声がかかった。
「動かせるところは全部動かすわけではないのですよ。」
振り向くとフレヤが座ってこちらを見ていた。
解せぬ。何故ここにいる。
「ドワーフの商人たるもの、一度受けた恩は必ず返さなくてはなりません。」
「なるほど。でも俺は何もしていないはずだが・・・。」
「当然です。あなたに恩を受けたとは言っていませんし。」
恩人は俺ではなかったようだ。
では誰だ?
「私は、あの超大型魔蟲に襲われ瀕死の重傷を負っていました。」
「ふむふむ」
「そこをフレデリカ様の回復呪文で助けていただたのです。」
「なるほど!」
「傷も残らず完全に治るとは、素晴らしい呪文能力です。」
確かにフレデリカは回復、青系統呪文の達人、
あの一瞬で瀕死の重傷を回復させる上位呪文が使えるのは彼女だけだ。
(ついでに俺は単体用の同系統呪文は使えるが、広範囲版は使えない。
スキルのレベルが足りないのだ。)
「というわけで、その恩を返すまでは故郷にさえ戻ることは許されないのです。」
むむむ
恩義を感じるのはいいが、いったい何時までついてくるつもりだろうか?
それにこの幌馬車は一応俺の物である。
尋ねてみなくてはならない気がする。
嫌な予感しかしないが。
「期間ですか?それに関しては安心ていいですよ。ほんの短い時間だろうと思います。」
俺はここでほっと一安心した。
思えばそれが良くなかったのだろう。
「馬車に同乗させてもらう謝礼は、・・・・そうですね、
この馬車で商売を行って売り上げの何%かを渡すというのは?」
フレヤ曰く、この馬車には簡易店舗になる機能があるとのこと。
訪れる町々で商売も出来、俺でもできるようになれば今後の旅も楽になるだろう。
それに期間は短いし問題ない。
「判った。そういう事ならよろしく頼むよ。フレヤさん。」
「ありがとうございます。それとフレヤでいいですよ。」
「短い時間、ほんの二、三十年の事ですが・・・」
・・・・・
そう言えばフレヤはドワーフだった。
ドワーフの寿命は人間より長いんだった。
人間とは時間の感覚が違うの忘れていた!!
新たな同行者を連れて旅は続いてゆくのであった。




