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万色無双の役立たず  作者: 士口 十介
冒険編
39/48

スキルの罠

「で?この馬車はどこへ向かっているのかしら?」

行先もわからないのに乗る方に問題があると思うのだが・・・。


「ギルダーの遺跡。」


ギルダーの遺跡

聖騎士ギルダーの住居とその地下にあるダンジョンを示す。

全5層からなるダンジョンで別名“ギルダーの訓練場”

このダンジョン自体、ギルダーが自らの訓練の為に建築した物らしい。

最近では攻略した者はいない。

数十年前に攻略者が出たらしいが、多分うちの爺ちゃんだろう。

そのギルダーの遺跡は訓練場としては申し分ない作りらしく、王都の騎士団も訓練に使用しているという話だ。


「ギルダーの遺跡ならここから1週間と言ったところね。」

「ああ、途中の町や村を通るとして、今日この後は野宿だな。」

野宿と言ってもこの幌馬車がある限り心配はない。




夜は昼に獲った瑠璃走鳥の丸焼きとスープ。

瑠璃走鳥は高級食材とはいかないまでも、上級の部類に入る食材で焼きでも煮物でもおいしく食べることのできる食材だ。

実際、冒険者は干し肉をそのまま食べたりするぐらいなので料理の味について文句をいう奴はほとんどいない。

一人増えた為か今日の晩飯は量が少し少ないのが難点だった。

食事の後、早く起きて食材を探すとのことなので早めに就寝することにする。


・・・・・


眠れない。


腹が減って眠れない。

やはり、晩飯の量が少なかったのだろう。

わざわざフレデリカを起すのもかわいそうなので自分で調理しよう。


小麦粉、瑠璃走鳥の卵(昼間採った)、砂糖を用意する。

パンケーキにはあと重曹が必要だ。

幸いこの世界にもトロナ鉱石が存在する為、重曹は売られている。


(まず卵をボールに入れ・・・おっと、殻が入ったが、ま、良いか)

続いて、小麦粉、砂糖、水、重曹と加えて行く。

うむ、簡単じゃないか、料理という奴は。

俺がこのぐらいが出来ないと何故思ったのだろうか?


途中で味見をする。

何か物足りない。

辛さが足りないのかも・・・と思い鷹の爪を混ぜる・・・少し違う。

塩か?

これも違う様だ。

と、その後も求める味にするために色々混ぜてみた。


1時間後、

皿の上には紫色の名状しがたい物が鎮座していた。


パンケーキ??


見てくれは悪くても、問題は味だろう。


パクりと一口食べる。

モグモグ、なかなか噛み切れないが問題はない。

残りも全て平らげる。

問題はなさそうだ。

少し刺激の強い味だが大丈夫だろう。

それなりに空腹が収まったので寝ようとすると、


ガッガツン!!!


脳天を突き抜けるような刺激と共に猛烈な眠気と痺れが襲い掛かって来た。

手足も固くなり動きそうにない。

俺は猛烈な眠気と痺れの為、意識を手放した。


翌朝、いつもと同じ時間に目が覚める。

昨日の晩のあれは何だったのだろうか?

兎も角、いつもの日課である鑑定(アナライズ)を行う。

さらに高度な解析(オシリス)も使えるがオシリスは汎用性が低い。


名前:ヴィンフリート・ジンネマン

性別:男

年齢:18才


クラス:魔法戦士Lv75

称号:万色無双、その他(NEW!)


体力:4500

精神:6800


筋力:950

耐久:800

敏捷:800

器用:1400

知性:1500

魅力:1750


万色魔法:Lv75

武器全般:Lv75

その他

ユニーク(NEW!)


ん?

見慣れないモノが見える。

称号のその他(NEW!)とユニーク(NEW!)か。

詳しく見てみる。


称号:万色無双、冒険者、探究者、ウエポンマスター、マジックマスター、悪食(NEW!)


悪食?


悪食:およそ食べられない物を完食した証。


・・・・・


ユニーク(NEW!)は嫌な予感しかしない。


ユニーク:ライブラリー:Lv∞、EXP追加補正×10、味覚耐性(NEW!)


以外にまともそうだ?


味覚耐性

味覚異常が極まってユニークスキル化した物。

麻痺、毒、石化、精神攻撃無効。味覚判定は必ず超大失敗になる。


味覚判定

判定に成功すると薬品調合、料理などの成功率が上昇する。

ただし、判定に失敗した場合、成功率は1/2になる。

(大失敗は1/10、超大失敗は1/100)


味覚異常 Lv100

正しい味覚が判らない状態。

この状態の場合、味覚に必要なスキルの成功率は1/2になる。

通常の料理を食べることでそのレベルを下げることが出来る。

Lv100となった場合、ユニークスキル化し通常の料理ではレベルを下げることが出来なくなる。

下げる為には一定以上のレベルの料理が必要となる。

この制限は味覚異常のレベルが0にならない限り無くならない。



うむ、とんでもないスキルだ。

麻痺、毒、石化無効はとても便利だが、味覚判定には必ず失敗する上、それが必要となるスキルは成功率が極端に落ちる。

でも何故あれだけで味覚異常のレベルが上がったのだろうか?


少し考えて、他のスキルを見る。

俺はあるスキルが目に留まった。


EXP追加補正×10

EXP追加補正のレベルが1000になったスキル。これ以上レベルが上がらない。

全てのスキルの使用に追加効果を発揮する。


追加補正はペナルティスキルのEXP追加補正にも影響を与えるようだ。


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