旅は道連れ その2
橋を渡り少し進むと少し開けた場所がある。
今日はここで昼食をとることにした。
「はい、ヴィン。」
と、パメラが弓矢を渡してきた。
狩りをしてウサギでも取ってこいという事だろう。
保存されている食料は十分にあるが、狩が出来る時には狩りをすべきなのだ。
「大物を取って来なさいよ~。」
俺は二つ返事で狩りに出かけた。
「さてと、私は魚釣りでも・・・。」
「・・・パメラぁ。」
フレデリカが服の裾を掴んで何か言いたそうだ。
「勢い良いよく付いてきたけど二人きりだと何を言って良いか緊張して・・・」
「でも、ヴィンはあんな事故にあったから、一人気には心配だし・・・。」
「事故?」
「うん。何か装置の様な物を作って、それが爆発して・・・」
「・・・装置に爆発ね・・・」
パメラは何か考えている様だった。
やはりスキルレベルが高いと狩りは成功する。
ものの数十分で羽ウサギ二匹を仕留めた。
後、瑠璃走鳥も一羽。
青色の羽が美しい大型の鳥だが飛べない。
卵もあると思われるが食後に探すとしよう。
馬車に収納されているテーブルを外に出し設置。
十分な空き地さえあれば簡単な食堂になる。
今日は天気もいいし、馬車の外での昼食だ。
本日のメニューはフレデリカが作った羽うさぎのスープとライ麦パンの簡単な昼食である。
キッチン付きだと温かい食事が出来て非常にありがたい。
瑠璃走鳥は貯蔵庫に保存しておく。
「・・・というわけで、フリッカの親御さんに頼まれたわけよ。」
パメラが言うには連絡を取る際、フレデリカの両親(特にリックおじさん)に頼まれたみたいだ。
「それにヴィンの起こした事故も気になるしね。」
パメラが言う事故はこの旅に出るきっかけとなった爆発事故だろう。
「まぁ。少し寝込んでいたみたいだけど今は大丈夫だよ。」
「ヴィン、三日は少しじゃない。」
「まだ反省していない?」
少し怒った顔でフレデリカが詰め寄る。
「反省してます、してます。」
そんなフレデリカの様子を見たパメラが
「ヴィンの家の裏庭に池が出来るぐらいの爆発事故だったらしいじゃない。」
「いったい何をやっていてのよ?」
「ちょっと装置のテストを。同じ物なら馬車の中に置いているよ。」
「・・・どれどれ・・・????」
馬車に置いてあるエンジンを見ると黙ってしまった。
「・・・はぁ~」
しばらくそれを見ていたパメラがため息をつく。
「小さいから庭の池で済んだけど、もっと大きなものなら村全部が消滅してもおかしくないわよ。」
「エクリプス・レイクの話を知っているかしら?」
”エクリスプ・レイク”
一夜にして出来上がった円状の湖の名前。
事の起こりは100年前。
パメラによると、これより遥かに大きい10m四方の部屋一つ分はあるエンジンを使ったそうだ。
起動実験の際、暴走し爆発。
その爆発で一つの都市が消え去り、後には湖が出来た。
それが”エクリプス・レイク”だそうだ。
「兎も角、こんな危険な物は」
と言うとパメラはエンジンを馬車の外に放り出した。
そして、
「一撃必壊!!」
ピシピシピシピシピシバギャッ!
パメラの拳がエンジンに当たると粉々に砕け散った。
「取り敢えずこれで良し。」
「ヴィンはこれに使った物は何であるか、人に話さないようにね。」
爆弾になってしまう物を知っているとなれば人に狙われる危険があるのだろう。
「・・・エンジンか・・・確かに賢者の遺跡を巡るのはいい選択ね。」
「実用化するには賢者の資料に何かあるかもしれないわね。」
「でも、フリッカは心配よね?」
フレデリカはコクリとうなずく。
「それにエンジンがあったという事はまた実験をするつもりだった・・・違うかしら?」
否定はしない。
と言うより、周りに何もない所で動かしてみるつもりだった。
「やっぱりね。」
「いいことヴィン。私が良いと言うまで実験をしてはいけません。」
「でないと命がいくつあっても足りないわ。」
「あと、無茶しない様に監視しなくてはね。」
「うん。」
どうやらパメラはしばらく付いて来る様だ。




