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万色無双の役立たず  作者: 士口 十介
学園篇
26/48

蠢くモノ

ロドリコが見失っていた隙に有利な位置に移動する。

反撃も可能だがそれはまだ早い。

フレデリカがどこにいるのか?それが判るまで反撃することが出来ない。


さて、どうしたものか・・・。



「・・・反撃しないのか・・・クックックッ、そうだろうな。」

ロドリコはゆっくりとこちらを向きながら話す。

「お前の言うフレデリカとやらがどこにいるのか知りたいのだろう・・・」

ロドリコがニヤリと笑う。


「大方、パルミロやカーティスあたりに探させているのだろう。」


反撃をしない事でばれていたようだ。


ロドリコは話を続ける。

「さて、彼らは見つけられるかな?そして助けに行ったとして無事でいるかな?」


「?!」


「業火よ!吹き飛ばせ!ブラスト!」


ゴウォン!!


一部の瓦礫が吹き飛ばされ奥に下への通路が見える。


「その通路の奥にいるぞ。」

ロドリコに注意しながら通路の方へゆっくりと移動する。

「おいおい、せっかく教えたんだ。そんなにゆっくり進んで間に合うのかい?」

どうやらロドリコは後ろから狙う気は無い様に見える。


意を決して通路へ向かい走る。



石造りの薄暗い通路を進むと円形の部屋に出る。

直径20mほどの部屋はすり鉢状になっており、真ん中が少し高く台の様になっている。

その上にフレデリカがいた。


だが俺はそれ以上前に進めなかった。

台の周りを不定形で黒く蠢くモノがいた。


「・・・ブラックプティング」


“ブラックプティング”、それはダンジョンや下水に生息するスライム系の生物だ。

スライム系の特徴である捕食は双璧を成す強さであり、触れただけで皮膚がただれ溶解する。

(ちなみにもう一方はゼラチナスキューブ。)


これでは他取りつく前に体を溶かされるだろう。


「火炎球(ファイアーボール)!」


火炎呪文による攻撃でブラックプティングは燃え、空間が出来る。

しかし、あまりにも数が多いため出来た空間も瞬く間に埋まる。



「フハハハハハ、無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!」

いつの間にかやって来たロドリコが高笑いをする。


「そのブラックプティングを一掃しようと思えば台を中心に獄炎(インフェルノ)クラスの呪文を使うしかないのだよ。」


上級呪文である獄炎(インフェルノ)は俺にはまだ使えない。


その一つ下の火炎嵐(ファイアーストーム)を威力拡大により獄炎(インフェルノ)以上にすることは可能だ。

と言うのも獄炎(インフェルノ)呪文が行動制限(バッドステータス)を与える呪文である為である。

行動制限(バッドステータス)を与える代わりに呪文自体の威力は低くなっている。


問題は威力を拡大していなくてもフレデリカを巻き込むという事である。

中級レベルの火炎球(ファイアーボール)ならば巻き込んでも耐えることは出来るだろう。

だが、威力を拡大した呪文には耐えることは出来ないだろう。


「さぁ。選べ。火炎嵐(ファイアーストーム)で焼き殺すかこのままブラクプティングに溶かされるかを!」

ロドリコが二択を迫ってくる。


「フハハハハハ。考えるだけ無駄だ!火炎嵐(ファイアーストーム)で特定の場所を除く(・・)ことは誰も出来ないのだ!!」


(そうか!)



「荒れ狂う炎よ!我が前に出でよ!火炎嵐(ファイアーストーム)!!」


フレデリカのいた台を中心に火炎嵐(ファイアーストーム)がブラックプティングを嘗め尽くす。


その炎の嵐が収まった後、台の上に目を向けるとフレデリカがいた。


どうやら無事なようだ。


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