真夜中の決闘
俺は祝賀会の会場を離れ、一人郊外の廃墟へ来ていた。
祝賀会の会場である講堂は今もまだ明るく、宴は続いている様だ。
辺りには人一人なく、静まりかえっている。
廃墟は元々大きな屋敷だったらしく、周囲を鉄柵で囲まれている。
草が生い茂った庭の中心には崩れかけた屋敷があり、玄関の扉はわずかに開いている。
「・・・入れってことだよな・・・」
意を決しての中に入る。
玄関を入ると広間があり奥へと暗い廊下が続いている。
ゆっくりと奥へと歩む。
しばらく進むと不意に廊下が途切れ、大きく開けている場所に出た。
屋敷の石材が所々に散乱しているが、ここは大広間だったようだ。
無残にも天井が崩れ、星空を覗かせている。
大広間に入ると、部屋の更に奥の方から一人現れた。
「よく来たな。ヴィンフリート。」
「・・・ロドリコ・・・フレデリカは何処だ!!」
ロドリコは鼻で笑うかのような態度で
「ふん。慌てるな。用が済んだら解放してやる。」
そう言うとロドリコはゆっくりと近づいて来る。
「俺はこの対抗戦が終われは最上位騎士となるはずだった・・・。」
ジャリン
ロドリゴは抜剣し、その切っ先をこちらに向けた。
「それを貴様が不正な手段で邪魔をした。
その為、俺は対抗戦に敗北し栄光ある経歴に汚点が付いた。」
「この汚点は貴様を倒すことでしか晴らすことは出来ないのだ!」
そう叫ぶとロドリコは切りかかって来た。
「!!」
ロドリコの初撃を躱し、呪文を使う。
(加速)
呪文の音声省略を併用する。
加速呪文の影響下にある体はロドリコの剣を楽々躱してゆく。
「よく躱す。だがそれがいつまで続くかな?」
口の端を吊り上げながらロドリコがニヤリと笑う。
気が付くと周りには瓦礫が散乱しており動きを阻害している。
どうやらこの一角に誘導されたようだ。
「それそれそれそれ!後が無いぞ!」
剣を降り回しロドリコが迫る。
ブォン!ブォン!
ブォン!
ブォン!
何度目かの斬撃の時、瓦礫に阻まれ回避の方向が限定される。
「フハハハハハ!これで終わりだっ!!」
回避予定後の位置に剣が振り払われる。
ブォン!
だが、その剣は空を切る。
「避けた!だと?」
避けたからと言って窮地を脱したわけではない。
やはり何度目かの斬撃の後、動きが限定されその場所を狙われる。
移動したその体は剣に吸い込まれるかのように動いてゆく。
ブォン!
剣が届く刹那、吸い込まれる時と同じ速度で剣から離れて行く。
それを見たロドリコが目を見開く。
「何だ!その動きは!!」
ロドリコは剣を降り回すが、全く同じ速度で動き回り回避する。
加速は一般には対象者の速度を上げる呪文だと思われている。
だが実際は速度を上げているわけではない。
結果的に速度が上がっているように見えるだけなのだ。
この呪文は対象が受ける抵抗を減らす呪文なのだ。
その為、急な方向転換やストップ&ゴーを繰り返しても動きが止まることが無い。
その動きに翻弄されたロドリコは俺を見失っていた。
次はもう少し早く投稿したい。




