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万色無双の役立たず  作者: 士口 十介
学園篇
24/48

祝賀会と行方不明

全ての対抗戦が終了して祝賀会が開かれていた。


好成績(・・・)を残した俺たちもその祝賀会に参加していた。


壇上では対抗戦大会の役員長が祝辞を続けている。


「・・・であるからして、今回の対抗戦は大成功となったのであります。・・・」


長々と続けられる祝辞に業を煮やしたのか、役員の一人が乾杯の音頭をとる。


「それでは、ここで寮生の友好と学園の繁栄を祈って・・・乾杯!!」


「「「「「「「「「「乾杯!」」」」」」」」」」


祝辞を中断された役員長は恨めしい面持ちをしているが仕方がないだろう。


そうしていると、役員の一人がこちらへきて話しかけてくる。


「ティアマト寮も頑張ったな。準(・)優勝とは大躍進じゃないか。」


「ありがとうございます。これも皆が頑張ったおかげです。」


パメラが当り障りのない返事をしている。


何を隠そう、この成績を一番残念に思っていたのはパメラなのだ。



ファフニール戦の後何があったのか・・・。


結論から言おう。


俺たちティアマト寮はヨルムンガルド寮との五対五戦に負けたのだ。


ヨルムンガルド寮はバランスの良いチームで攻撃過多なティアマト寮に付け入る隙を与えなかった。


それと回復量の差が大きかった。


たしかに、俺はあらゆる呪文を使える。


同レベルの者より精神値が高い分、1日に使える呪文の数は多い。


だが初級から中級の呪文はたくさん使えるが上級以上の呪文はまだ使えない。(レベルが足りないのだ)


中級呪文より上級呪文の方が効果と効率が良い。


その差もあって、ヨルムンガルドに敗れたのである。



「しかし、ヨルムンガルドにあいつらがいたとはねぇ・・・。」


あいつらとは、同じ村出身の二人、オークのクワベウとコボルト(もふもふ)のチットである。


クワベウの力(パワー)から繰り出される戦斧の一撃は目を見張るものがあり、それをフォローするチットの呪文の威力も高かった。


「チットなんか冒険者になる気はないと言っていたのにやり手の冒険者並みだったと思わないか?」


と、フレデリカに話しかけようとするが


「???」


いない。


会場に入る時は一緒にいたのにどこに行ったのだろうか?


「なぁ、パメラ。フレデリカは来ていなかったっけ?」


「さっき同級生の子に呼ばれていたわよ。

まだ帰ってないのかしら?すぐ戻ると言っていたのに?」



1時間ほどの時間が過ぎたがフレデリカは帰ってこなかった。


おかしい。誰に呼び出されたのかパメラに訊ねてみると。


「たしかマルグリット・ワイスだったかしら?」


「マルグリットだって!?」


「知っているのか?カーティス。」


「マルグリットはロドリゲス伯爵領出身のはずだ。」


「「なんだって!!」」


俺とパメラが同時に声を上げる。


ロドリコは自分の領内の人間を奴隷のように使っていた。


マルグリットがロドリコの領内の人間だとすれば、ロドリコの命令で誘拐の手引きをしたと考えられる。


だが何のためにフレデリカをさらったのか?


その疑問は一通の手紙により明らかにされることとなった。


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