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万色無双の役立たず  作者: 士口 十介
学園篇
23/48

威力拡大

ロドリコは盾を構えたままゆっくりと前進する。


アルフレートの連打を物ともしない。


「伝達(トランスミッション)」


呪文を唱えると、アルフレートの耳元に声を伝える。


「アルフレート下がれ!」


ロドリコは重装備と堅牢要塞(フォートレス)の効果で動きが遅い。


その差を狙い呪文を唱える。


「減速(スロー)」


だがロドリコの速度は今一つ落ちなかった。


「ふむ。スローでもこの程度か。やはりレベルの差は大きい様だな・・・。」


そう言うと持っていた盾を放し剣を両手で構える。


スローの影響をほとんど受けなかったことで防御力に余裕があると見た為か両手で剣を構える事で威力の上昇させアルフレートを一撃で葬り去るつもりの様だ。


「マナヨチカラヲカシタマエ。ソノコンゲンノチカラヲカシタマエ。」


「解呪(ディスペル)」


呪文が唱えられると当時にロドリコの移動速度が上がる。


「何!堅牢要塞(フォートレス)が!!」



急に速度が上がったため、バランスを崩しながらアルフレートの前に転がり出る形になってしまった。


「ちっ!」


咄嗟に盾を構えるが、それを物ともしないアルフレートの猛連打(ラッシュ)が撃ち込まれる。


「お前、友達、殺した、許さない!!」


ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!



「こ、この・・・グフォハッ!!高貴な・・・ゲフォ!!俺がっ!!・・・・グファッ!!」


「これで、終わりだっ!!」


ドフォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!


ロドリコは渾身の一撃を喰らい闘技場の壁に叩き付けられる。


その瞬間、防護障壁の耐久力を削ったのか退場になって消えていった。



「勝者、ティアマト!」


勝利宣言を聞いた後、俺とアルフレートはその場にしゃがみ込む。


強化した解呪(ディスペル)が聞かなかった場合、敗北していただろう。


ダメージソースである二人が行動不能になった時点でギリギリの戦いになっていた。


そのギリギリの最中、呪文の威力を上げることが出来たのは大きかった。


呪文の威力は術者のスキルレベルや能力値によって決まる。


スキルレベルが高い方がより威力が高く、能力値も該当する能力値が高い方が威力も高い。


それ以上に呪文の威力を上げるには、倍以上の長さの詠唱を追加する“詠唱超過”や同じ呪文を重ねて唱える“二重詠唱”が存在する。


ただ、二重詠唱は無色系統の呪文ではうまくいかない。


これは有色の系統(青、緑、赤、橙、黄、白、黒、紫)が色を加えるイメージに対して無色系統は色を抜くイメージであるのに関係する。


色は同じ色を重ねるとその色が強くなるが色を抜く場合、抜いてしまえばそれ以上抜けない。


いくら重ねても無くなってしまっている色は抜けないのだ。


同じ様に、無色系統の呪文の重ね掛けは効果が薄い。


実は加速(ヘイスト)は運動時の抵抗力を減らす呪文であり、遅延(スロー)は行動における運動量を減らす呪文である為なのだ。


無色系統では抵抗力を0に出来てもマイナスにすることは出来ない。


究極に運動量を減らした場合、時間が止まる。


が、相手の抵抗がある場合、時間を止めるまで減らすには無色系統のレベルがかなり高くないと出来ない。


現状、無色系統の呪文で威力を上げるのは詠唱時間を長くする事となる。


そこで俺は、元の呪文の詠唱を省略し、追加された詠唱を高速化した。



その結果、ロドリコの呪文を解呪することが出来たのだ。


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