次への準備
「え、ぇ、ええええっと・・・???」
カーティスはだれか判らないと言った風だが周りの誰もが信じていない。
どこかの令嬢に手を出して・・・?
でも何処かで見たことがあるような??
グレーのロングガーディガンにネイビーのタイトスカート
派手さはないが似合っている。
化粧も極めて自然な感じのナチュラルメイクと言うものかな?
でもこんな美人は忘れないと思うのだが?
パメラがカーティスにそっと耳打ちする。
「・・・ロレーナはん・・・。」
え???????
ロレーナってあのリバイアサンのロレーナ??
確か彼女は派手で扇情的な服装の印象なのだが・・・。
「さて、カーティス君。この状況を説明してくれないか。」
「そうね。キリキリ白状した方が身の為よ。」
パメラやフリッツはカーティスを詰問する。
「は、白状とか言われても別に何も・・・。」
カーティスは人の心を読むのがうまいのだが自分が対象になった場合、後手に回ることが多い。
「だが、ずいぶん親密そうじゃないか。」
「ま、まってくれフリッツ、まだ手は出しとらへんで!」
「ほう。“まだ”ね・・・。」
「今後、手を出す予定なんだ・・・。」
それを聞いたロレーナが
「まぁ、そうなの。私たち相思相愛ね!!」
「い、いや、流石に次の対戦相手と一緒にいるのは・・・」
「それなら何も問題ないわ。」
「だって私の寮は第三戦以降を棄権したもの」
「だから二人の間には何の障害も無いの。」
と言ってロレーナはにっこり笑った。
カーティス墓穴を掘る。
「じゃあ行きましょうダーリン。」
「・・・まだ自由が・・・青春が・・・・。」
「あれは尻に敷かれるな。」
「それは同意する。」
俺とフリッツの後ろで、パメラとフレデリカは彼らを見送りながら何か話している。
「・・・パメラさん。あの二人の事は前から知っていたの?」
「んー。何故わかったのかしら?」
「ここって関係者以外入れないでしょ。
入れるのはリーダーが許可した人。
パメラさんが許可しないと入れないはずよね?」
「正解よ。ロレーナは小さいころからの知り合いだし、前から頼まれていたしね。」
「で、いろいろとアドバイスしてたんだ。」
どうやらロレーナの扇情的な服装はカーティス軒を引くための物だったらしい。
(今一つ効果は薄かったようだが)
「カーティスは家の方からも頼まれていたしね。」
「でもそこはそれ。私は恋する乙女の味方だからね。」
そう言うとパメラはにっこり笑った。
リバイアサン寮が第三戦以降を棄権したため、新たな動きがあった。
驚いたことにフェンリル寮も棄権したのだ。
結果、俺たちの次の相手はファフニール寮になった。
それを聞いてアルフレートは殺された魔獣の仇を討つべく準備に余念がない。
俺も次の対抗戦に向けてスキルを上げておこう。
たしかにロドリゴは嫌な奴でありアルフレートの魔獣の仇であるが、実力者。
彼の魔法騎士のレベルは20である。
これは魔法戦士として必要なスキルの最低レベルが20であることを示している。
つまり、一番高いスキルのレベルはもっと上。
スキルのレベルによる能力値への補正値はスキルレベルが高いほど補正値が大きくなる。
多数で低いスキルレベルよりも少なくても高いスキルレベルを持つ方が有効である。
そして高レベルにするにはそれなりの努力が必要であり、ロドリゴはその性格を除けばそれなりの努力をしてきたことがうかがえる。
その為、学園で最高位と言われる最上位騎士としての実力は申し分なかった。
性格さえ除けば・・・である。
その為、常に名前が挙がるも最上位騎士の候補にさえ推挙される事は無かったのである。
だが、寮代表になった対抗戦での優勝ならば候補として推挙される。
それを考えるとどれほど準備をしても十分であるという事は考えられなかった。




