作戦会議
対抗戦の翌日
1週間後の第2戦をどう戦うかの作戦会議を行っていた。
「次の対戦相手はフェンリルか。」
「レンジャー系が多い寮や。そん中でも厄介なのはアルゴス・アダマンティンやな。あいつはストライダーや。」
レンジャーのクラスは戦士系スキルと盗賊系スキルの両方を持つものに現れるクラスで、隠密行動に長けた戦士である。
また、探索や追跡等へのスキル特典があり透明化や影隠れ(ハイドインシャドウ)を困難にさせる。
半面、盗賊系技能を使うため軽装鎧(皮鎧など)音出にくい物しか使えない。
両手剣などの重量のある剣も同じ様に盗賊系技能の妨げになる。
純粋の戦士には一歩も二歩も及ばない。
ストライダーはレンジャーの上級クラスである。
中規模の鎧(鎖帷子など)を装備して盗賊系技能が使用できる特殊能力があり、その上で他にも能力がある。
「全体攻撃のスキルがほとんど無いのが痛いわねぇ。」
このチームには純粋の魔法使いがいない為、広範囲の攻撃方法が少ない。
「やはり遅延による搦め手か・・・。レンジャー系だと範囲を見切られるな。」
フリッツの言う通りレンジャー系の観察眼は高く、空気の揺らぎ等で範囲を見切ることが出来る。
実際、カーティスには見切られた。
彼曰く、“空気の流れが遅くなっている所が見える”のだそうだ。
「ならもう一つの方法で阻害するしかないわね。」
「あれか・・・はまれば遅延よりも効果はあるけどなぁ。」
もう一つと言ったが、この時点で他に二つほど阻害方法があった。
だが、手順が多すぎるので対抗戦には不向きだったのだ。
パメラが言った方法も幾つかて順があるが他の方法より少ない。
「ああ、だからこいつも併用する。」
と言って、俺はいくつかの呪文を展開する。
「途中までは同じだから、こっちの為の呪文だと思ってくれるだろう。」
「でもそれに気いついたらどないするんや?」
「その場合、相手の状態からこの呪文なら効果が倍になる。」
「なるほど、それなら大丈夫そうだな。」
基本的な戦術が決まり細部を詰めて行く。
「・・・というわけで次に勝てば優勝も見えてくるだろう。」
「よし!次も勝って自由の延長や!!」
「?そう言えばカーティスもそうだがアルフレートは何で対抗戦に参加しているのだ?」
「俺、勝、場所出来る。」
アルフレートが言うには、対抗戦で実力を示せば魔獣の住処が確保できるとのこと。
出来なければ魔獣を減らさなくてはならないのだそうだ。
確かに彼の魔獣の数は多い。
寮の最上階全てを使ってもギリギリなのだ。
対抗戦の成績次第で魔獣用の住居が新たに作られるという事だった。
「ワイの場合は結婚の先延ばしやな。」
「結婚?」
「こう見えても辺境伯の嫡男なんやで。」
初耳である。
貴族であることは知っていたが、嫡男とは知らなかった。
「ま、対抗戦でええ成績をやったら猶予が二、三年延びるだけやけどな。」
「でもそれだったら学園内で目当ての人物はいなかったのか?」
「どれもこれもなぁ・・・。」
「あの人なんかはどうだい?リバイアサンの?」
「ロレーナ・ベロギか?
あかんあかん、あれはそれっぽい服を着とるだけで中身はぜんぜんや
未経験で。」
「そうなのか意外だな・・・でもそれだったら自分好みに・・・。」
「自分好み・・それは男のロマン中やつやな。
そうか、居らんかったらそうなる様にか・・・。
ちょっと出かけてくる。」
「おいおい、カーティス。墓穴を掘っても知らないぞ。」
この時、俺達はフリッツが言った一言が真実になるとはだれも思っていなかった。




