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万色無双の役立たず  作者: 士口 十介
学園篇
15/48

五対五戦 第1戦 前編

タイトルだけ変えました。

寮対抗戦、第三試合は五対五戦での総当たりのリーグ戦となっている。

リーグ戦の勝率の高い寮から順位が付けられ、その順位でのポイントとこれまでのポイントとの合計で総合優勝が決まるのだ。


これまでのポイントの結果は


1位 フェンリル 105P

2位 リバイアサン 100P

3位 ティアマト  75P

4位 ファフニール 50P

5位 ヨルムンガルド 30P

6位 ベヒモス  20P


現時点でフェンリルが首位だがリーグ戦の結果によって簡単に変動する順位だ。

1位のポイントは100Pであるため、首位になればどの寮も総合優勝の可能性はある。

これからの一戦一戦、気の抜けない戦いになるだろう。


(まったく、パメラがいてくれてよかったよ。あのまま浮かれていたらあっさりと敗北していただろうな。)


張り出された寮対抗戦の順位表を見ながら俺はそう考えていた。

試合は明日から始められる。


予定表によると第一戦目はファフニール対リバイアサンである。


“ファフニールの猛攻をリバイアサンがどう凌ぐか?”

“リバイアサンの魔法障壁は今大会西行であるがどこまで防ぐことが出来るのか!”


と言う煽りがついでに書かれている。

その次がフェンリル対ヨルムンガルド、最三戦が俺達ティアマトとベヒモスの試合となる。


「この俺様が無能に引導を渡してやろうと思ったが・・・それはベヒモスに譲るとするか。」


ロドリゴ・ロドリゲス!

この間の試合から何かにつけて絡んでくるようになった。

策を弄した上の敗北は奴にとっては受け入れ難いことなのだろう。


「貴様の様な無能が圧倒的な力の前に無様に醜態をさらすところを見てやろう。

いやまてよ・・・。」

何やらいやらしい顔をしている。

新たな嫌がらせを思いついた様だ。


「明日の試合、楽しみにしておけよ・・・。」

そう言うとロドリゴは去っていった。


俺もここまで出来る限りの事はやってきたつもりだ。

そのおかげか、無色以外の八色系統もLv5となっている。

武術の方も最低がLv5であり(剣術がLv7)

おかげで?魔法戦士がLv5となり最低限戦えるようにはなっている。


ただ、参加者の平均はLv15なので彼らと比べると大きく見劣りする。

ロドリゴも噂ではLv16の魔法剣士だそうだ。


「ヴィン!ここにいた!」

フレデリカが俺を見つけて小走りに近づいてきた。


「明日は試合だからってゆっくりしすぎよ。

それとパメラさんが言うには、“リバイアサン”の戦い方は魔法戦闘の参考になるから見ておくべきだって言ってたわよ。」


「そうなのか。じゃあ、明日は朝一番でいい席の確保だな。」

「うん!」

そう言うとフレデリカはにこやかに微笑みかけてきた。


明日は頑張らないと・・・な。




朝一番とはいかなかったが早朝から席の確保に向かったおかげで全体が見渡せてかつ遠すぎない良い席が確保できた。

アリーナは楕円形をしておりその周りを階段状の観客席が取り囲む形になっている。


時間が経つにつれ席はだんだん埋まってくる。

五対五戦ともなるとアリーナを使う必要がある為、試合は一般市民にも観戦できるものになっている。


売り子が練り歩き、飲み物や軽食を売り歩いている。


「なかなかええ席とったな。ここやと全体を見渡せるし選手の表情も見える。」

「近すぎると迫力はあっても全体が見えないから我々には役に立たないからな。」

カーティスとフリッツはそう言いつつアリーナや観客の観察に余念がない。


「ヨルムンガルドが丁度正反対の位置にいるわね。」

パメラが指し示す方向を見るとちょうど反対側の席にヨルムンガルドの連中も観戦している。

「連中も抜け目ないわよね。」


よく見るとフェンリルやベヒモスの姿も見える。


当然だろう。

現時点でどの寮にも総合優勝の可能性がある。

出場者の一挙一動を観察するのは当然の事なのだ。



「お、そろそろ試合が始まる様だ。」

フリッツの言葉に試合場を見ると左右にある選手入場口からファフニールとリバイアサンの選手が入場してきた。


五対五戦の勝敗は基本的に全員が行動不能によって決する。

その他に陣地に設置された寮旗を倒す(破壊)することで占領とされ勝敗が決まる場合もあるが、その前に五人が倒されることがほとんどである。


「やはりリバイアサンの戦術は四人を防御に回し、残り一人での高レベル呪文での攻撃か。」

「そうね。でもそれに対するファフニールの装備が変じゃない?」

パメラが言う通りファフニールはいつもの剣と盾の装備ではなく、ロングスピアを構えている。


「あれやとベヒモスのランスフォームと同じやな。」

「ランスフォーム?」

と俺がカーティスに尋ねると

「ベヒモスが得意にしている戦闘スタイルや。集団でロングスピアを構えて突撃する。

盾が無い分ファランクスとは言えんのやろうけど両手にスピアを構えてる分攻撃力は高いんや。」


何故ベヒモスの取る戦法をわざわざ?

そう思った時、ロドリゴがこちらを見た。


!!


「・・・わざとだ!」

「わざと?なんで?」

フレデリカが聞き返してくる。


「ロドリゴの奴、ベヒモスと同じ戦法でリバイアサンを倒すつもりだ!」

「そうか!魔法に長けるリバイアサンを打ち破ることで俺達が同じようになると見せつけるのか!」

「そやけど、そないにうまいこと行くか?魔法障壁は侮れんで?」


それは俺たちだけでなく他の観客も気づいたようだった。

そんな中、五対五戦の第一戦が開始された。



リバイアサンは順当に呪文を唱え、突撃に備えつつ高レベル呪文の詠唱を始めた。


それに対しファフニールはベヒモスと同じ戦法で突撃する。


ファフニールは前方出現した土の壁を物ともせずに突破してゆく。

そして魔法障壁ごとリバイアサンを大きく後退させた。


ファフニールは大きく後退させたリバイアサンにさらに突撃を加える。

そしてリバイアサンの魔法障壁を寮旗ごと粉砕した。


始まって五分と経たずの粉砕でアリーナ中が沸いていた。


だがそんな中、俺はあることを考えていた。


「パメラは各種スキルについて詳しかったよね?」


「ええ、とある理由で私はスキルについては詳しいわよ。

それで何か?」

やはりパメラはスキルについてよく知っているみたいだ。


「少し訓練場に付き合ってくれ。試したいことがある。」

アリーナには出場選手の為に調整を行う為の訓練場がある。


「ちょっとヴィン!どこへいくのよ?この後の試合は見ないの?」

観客席から退出しようとする俺達にフレデリカが尋ねてくる。


「ちょっと思いついたことがある。次の試合は見ておいてくれ。」

俺はパメラと通路に向かいながらそう言った。

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