啓示対策
対抗戦の結果は散々な物だった。
結果はレンジャー系のクラスが多くいるフェンリル寮が一位だった。
次がファフニール、続いてリバイアサン、ベヒモス、ヨルムンガルド、そしてティアマト。
獲得点数が
フェンリル 100P
ファフニール 50P
リバイアサン 25P
ベヒモス 10P
ヨルムンガルド 5P
ティアマト 0P
「ダンジョン走破の結果が出たぞ!」
参加していなかった学生たちが結果が張り出されている掲示板に集まっている。
「流石、フェンリルだな。」
「あそこはレンジャーやストライダーが多いからな。」
「続いてファフニールか。」
「パワーでのゴリ押しだろうな。あそこの攻撃力は半端ないぞ。」
「次がリバイアサンで続いてベヒモスか。」
「しかし何だ5Pは参加費として、0Pはなんだ?」
「おいおい、次の競技によっては絶望的じゃないの?」
「まぁ、普段競技に出てないとこならこんなものだろう。」
掲示板の前の人だかりを眺めていると不愉快な声が聞こえてきた。
「くはははは。0Pかゴミに相応しい点数じゃないか。」
ロドリコが取り巻き連中と共に現れた。
取り巻き連中も
「全くです。ロドリコ様。ゴミに相応しい連中は0Pなのは当然です。」
「ふふふ、そう言うな俺達の寮とは10Pしか違わないんだぞ。」
「いえいえロドリコ様。
ロドリコ様の10Pは50Pにも100Pにもなりますが0Pは何処まで行っても0Pなのです。だからゴミなのです。」
「くはははは。お前たちはいいことを言う。」
「何を笑ってるのよ!」
いつの間にか来たフレデリカがロドリコに食って掛かる。
「今回は運が悪く0Pだっただけじゃない。
だいたい、他の寮と手を組んで卑劣な妨害をしたのあなたじゃないの!!」
フレデリカ顔を真っ赤にして怒っている。
それを見てロドリコは
「ふぅ。お嬢さん。幼馴染を庇うのはよろしいですが、これも立派な戦略なのですよ。
ルール上許されている行動の一つなのですよ。」
確かに、ロドリコの言う通り、他の寮と手を組んだり、ルール内の妨害は許されている。
手を組むことは無いと考えた俺たちのミスだ。
「いいんだ、フレデリカ。」
「ヴィン。でも・・・。」
ゆっくりと首を振る。
「今は、いいんだ。」
「“今は”か、まるで次があるかのような言葉だな。」
俺の言葉を聞き、ロドリコが煽ってくる。
「はたして、次は回避できるかな?我ら四寮が手を組んでいるのも知らないのかね?」
俺は怒り心頭であるフレデリカを連れてその場を後にした。
寮に戻っても、フレデリカの怒りは収まる様子もない。
「だいたいヴィン、何で言い返さないのよ!」
どうも怒りの矛先が俺の方になったようだ。
実際の所、手を組むのは戦略の一つとして取られている以上どうすることもできない。
そう考えて黙っているのもフレデリカの怒りの矛先が来た原因だろう。
さて、どうしたものか。・・・。
「まぁまぁ、フレデリカちゃんも抑えて抑えて。」
パメラが見かねて間に入ってくれた、そのおかげでフレデリカの怒りも何とか収まりそうだ。
「でも、このままだと次も啓示を使って来るわね。」
次の“目標探査”も前もって啓示を受けていれば極めて短時間で解決できるだろう。
「最低限、競技開始まで使うことが無ければいいのだが・・・。」
フリッツも腕を組んで考えて込んでいる。
「ま、わいらが言っても、あいつら同意せんやろなぁ。」
「競技ルールの変更や追加に必要な半分の賛同が得られない以上、提訴は難しい。」
競技の際、今回のような問題があった時の為に途中から変更しやすくなっているが半分以上で組まれていると、その限りではない。
「そうね。
でも、誰か一つでも同意があれば現状は打破できるわね。」
「だが、どの寮が俺たちの味方になるんだ?」
と、俺はパメラに聞いてみる。
「味方を作る必要はないわよ。
私に考えがあるのよ、つまり、・・・でアレがごにょごにょとなればできると思うのよ。」
「なるほど、その方法か。」
「それならワイも一緒に行った方がええんちゃうか?」
「そうね、お願いしようかしら。」
「まかしとき。その方法やったらわいは得意やで。」
「決まりだな。」
フリッツがそう言うとパメラとカーティスは競技会本部に提訴に行った。
多分、明後日改めて会議となるだろう。
だが、その予想に反して、帰ってきたパメラとカーティスがこう言った。
「大成功よ!」「大成功や!」




