第6話 学園潜入 その3
ナツコーラとテッポーウオーとの戦いに勝利した私は、庵納コズミック研究所に戻り、
「鷲ノ羽学園の怪人を、二体倒しました」
と、庵納博士に報告する。
「そうか、ご苦労だったな。これで鷲ノ羽学園への潜入は終了だ」
この時、私は学園生活の終わりに一抹の寂しさを感じたのだが、
しかし、その夜のことだ。鷲ノ羽学園の男女の生徒、約百名が銃で武装し、警察署を襲撃するという事件が起こった。
テレビニュースでは、
「この事件では、すでに十三名の警察官が死亡したとの情報が入っています。今、警察署の付近は厳戒態勢になっていて、大勢の機動隊員が出動している模様です」
と、報じている。これを見た庵納博士は、
「これは、極悪秘密結社の仕業だ。生徒たちは、おそらく、非合法薬物で洗脳されたのだろう」
そう言いながら視線を私に向け、指示を出した。
「サオリ、出動だ。警察署へ向かえ」
その命を受け、私は一人、夜の街を世界最速のバイク・フェアリーで疾走した。
警察署に到着すると、その建物はグルリと機動隊に包囲されていて、付近ではテレビ局のレポーターが、
「相手は少年少女ですが、銃で武装しているため、機動隊も迂闊には突入できないのでしょう」
と、カメラに向かって言葉を発している。その時、屋上に一人の男子生徒が姿を現した。
「この国は腐りきっている。国を変えるのは勇気ある国民の行動です!」
拡声器を使い演説を始めたのは、川崎彗星だ。
「国民の皆さん、立ち上がる時です。俺たちと一緒に革命を起こしましょう!」
報道各局のサーチライトが、演説する川崎君を照らす。
「これは国民の主権を取り戻す、革命です!」
まるで陶酔するかのような表情で演説を続ける川崎君。その姿を見た私は、転校初日に声をかけてくれた、爽やかな彼の笑顔を思い出す。
そして道路から、屋上の川崎君に向けて大声で呼びかけた。
「もう止めて川崎君、君は洗脳されているのよ!」
屋上の川崎君は、白のビキニアーマーに銀色のマントを纏い、超音速バイク・フェアリーに跨る私の姿を見て、
「何だ、カオリちゃん、その格好は?」
と、驚いた表情を見せる。




