新生活
「さっ、着いたわよぉ。ここが私の家よぉ」
と紹介されたのがこれまたとんでもなく大きい屋敷。
お店を出てからかなり時間が経ったせいか、窓から見える外はすっかり夜になっていた。
「あの....まず何をしたらよろしいでしょうか?」
と、まぁ普通に聞いたのだが
「何にもしなくていいわよぉ。自由に過ごして頂戴。あっ、家は出ないでねぇ。
外を地球人が歩いていたら連行されるわよぉ。」
とまさかの答え。いや、一応奴隷なんですけど?仕事ないとなにすればいいか
わかりませんよ?とか思いつつ、近場のソファーに腰掛けた。
エミリーは二階に上がって行ってしまって本格的にやることが無い。
「自由にって言っていたし、少し家の中を見回るか....」
玄関だけでもおおきな屋敷とわかるせいか、台所や食堂・風呂・寝室・リビング・
倉庫等々どれも桁違いに大きすぎた。
そして大体、こういう大きな家を歩きまわると必ず
「まっ....迷った....」
エミリーを探そう。そう思って歩きだしたが
「あれだけ部屋を見て回ったのに居なかったよな....」
そう、すでに家を探索して30分近く経って居るのに一度もエミリーをみていない
のである。
「エミリーさーん!どこですかー?」
「はぁーい?ケイちゃんどうしたのぉー?」
「うわぁぁぁぁ!!!!!」
名前を呼んだら突然後ろから抱きつかれるようにして現れた!
「どうもこうも迷ってたんです!あと離れてください」
「頼られるようで冷たいようだなぁ....」
「ところで一体どこから現れたのですか?」
「んー、企業秘密っ!」
オストエアの科学は地球の科学を超越している。到底理解できるものではない。
「ごめんねっ、もう今日は寝てもらえるかしら。私も寝ることにしたいから」
ほんとに陽気で不思議な人である。
寝室にと用意された部屋は15畳ぐらいの部屋であった。
「ってかでか過ぎ!」
これでも標準らしい。エミリーの部屋は彼女曰く40畳ほどだとか....
そして家にこもりつつ彼女と過ごすのも慣れ始めた5月初め
「あなた、ちょっとこれつけなさい。」
と目隠しをされどこかにつれていかれた。 道中で
「あなた兄弟とかいるの?」
と聞かれた。
「居ません。」
「それは先の戦争でってこと?」
「いいえ。もともとです。」
「ふぅーん。ならいいわ。」
嘘である。本当は看護師をしていた姉がいた。しかし戦争がおきてからろくに避難も出来ず、勤務先の病院は全壊状態となっていた。その光景を見たとき、自分
に誓った。決してオストエアを許さない、決して姉を忘れない、必ず姉を守り続けると。だからオストエア人には姉を教える必要は無い。
「さぁ、着いたわ。ついてきなさい」
目隠しで動けないためエミリーに引っ張ってもらい付いていった。
「目隠しを取っていいわよぉ」
取った瞬間に見えたのはどこかでみた壁。
「ここは....奴隷商の地下室....」
ついこないだまで過ごしていた地下室だったのだ。
「この子どう思う?」
鉄格子越しに一人の少女がいた。ただ、あからさまに普通の感じではない。
殺意と憎しみに満たされた感じなのである。まぁ分からなくは無いが....
「正直、怖いです....」
ここに来たのだから新しい奴隷目的なのは確かだ。つまりこれから一緒になる
可能性があるわけでこういうのは御免である。
「そうぉ。じゃぁこの子にするわぁ!店長ぉ?この子250E$でいかがぁ?」
「あぁ?そいつか?あぁ250E$なら文句ねぇ。連れてけ。」
まっ....マジかよ....超怖えぇ....。さっきからめちゃ睨んでくるんですど....
「あなた名前はぁ?」
「....]
「あらっ!私ったら!まず自分から名乗らないとねぇ。私はエミリー。あなた
は?」
「....」
どうやら彼女に答える意思は無いようだ。無理も無い、エミリーは敵だからな。
「ケイタ。この子の面倒は任せたわよぉ」
はい!?さいですか?うわぁーまた睨んでるよぉー。怖いよー無理だぁー。
「わっ....わかりました....」
こう答えるしかないのだがな....
こうして、名もわからない少女含め3人での奇妙な共同生活が始まるのである。
今日はここまで
来週までには次話をあげます。
読みにくい・誤字脱字ありましたらすみません。
改良するよう善処します。




