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豊徳 成side
俺様に釣り合うのは安堂ぐらい生意気な女じゃないとダメだ。俺が誘っても断っているのは恥ずかしがっているだけで本当は俺様のことを気にしているが周りの視線があるから避けているだけに決まっている。
俺様の強さを見せつければ安堂の方から擦り寄ってくる。そのために俺は強くならなければならない。
城の連中を相手にしていたが一向に強くなった気がしなかったからダンジョンとやらに行く事にした。あまり人数が多いと行動しにくくなると言われたから久賀と福上と佐藤を連れて行くことにした。
他の連中も4人程度で固まってダンジョンに来ているが広江だけは王都の近くで独自の訓練を行っていると言っていた。
俺様を中心としたパーティーは順調にダンジョンの奥に向かっている。
最初はゴブリンやオークとか言った魔物で簡単に倒せていたが20階層を越えると大型の魔物が出てきて思ったように先へ進めない。
15階層までは3日程度で来れるようになったがそこからはマップを埋めながら魔物を倒しつつ鍛えている。
1月ほどで25階層まで来たがここから更に強い魔物が出てきて1回の戦闘でかなり疲弊してしまい奥に行くのが難しくなっている。
移動に時間を取られ思ったように戦闘が出来ないのでそこそこの強さの階層で魔物を倒して鍛えてから再挑戦することにした。
ダンジョンに来るようになって4か月もすればかなり戦力が上がり25階層でもそれなりに戦えるようになった。
ミノタウロスが落とす肉はかなり旨くて以前安堂を誘ってBBQをしようと思ったが探し物があるからと誘いを断りやがった。
かなり強くなった俺のことを意識して素直になれないんだろうから仕方ない。あとで焼けた肉を差し入れしてやるか。
1週間ほどかけて1階層下るペースで30階層まで来たが30階層からは出てくる魔物が更に一段階強くなってきた。
鉄のように頑丈な鱗を持ったデカいトカゲで太い尻尾も金属なのか壊れないと言われているダンジョンの壁や床に罅を入れている。
俺様が持っている発剄というスキルでダメージを与えることは出来るが直接触れる必要があるため数が多いと対応できなくなる。
それでもドロップする鉄鱗や魔鉄のインゴットは武器に加工できるということで城の人間が喜んでいた。
半年頃になったが俺様は30階層付近を活動拠点にしている。
理由は簡単でこれ以上はリスクにリターンが見合っていない。冒険者たちも無理をしてボスを討伐することはないらしい。無理をしてもコアを持ち帰れるわけもなくそれなら安全に稼げる階層で活動するのが普通だと思う
他のクラスのメンバーも誘って25階層から32階層で鍛えながらドロップを集めては城に持ち込んでいる。
そう言えばダンジョンでも城でも安堂を見かけなくなったと思っていると以前に比べると魔物を見かけなくなった。
以前は魔物を倒して進んでいても帰りにはまた魔物が湧き出していたはずだがおかしいということになった。
クラスメイトの指揮を取りながら地上に戻っていく。
街に待機していた兵士に話して城に帰ってきた。
シリューside
サウスカンザダンジョンのコアを抜いたことで新たな魔物が生まれることはなくなるためダンジョンを機能停止させたことはバレてしまうので犯人探しが始まる前に南にあるシャクショー公国を目指すことにする。
僕の容姿はクラスメイトのことがあり目立つ可能性があるので夜に移動することにした。
流石に長年保護されていたダンジョンだけあって周辺の地形を含めた地図の知識も流れ込んできたので道を通らずに空を飛んで直接行く事が出来るので助かる。
以前は地上スレスレに浮き上がって風魔法で移動していたが今回は地上30mまで浮き上がって一直線に国境の街を目指す。
かなりの距離ではあったが2日程で国境の砦に近い街が見えてきた。
流石に上空からシャクショー公国に入るのは問題があると思ったのできちんと歩いて街に入る。
宿に泊まり翌朝国境の砦に向う。商人と思われる馬車が数台止まって検査の順番を待っていた。
僕もその後ろに並んでいるとそこまで待たされることもなく順番が来た。
「次、ん? お前は冒険者か? どこかの馬車の護衛という訳ではなさそうだがあんな田舎の国に何の用なんだ? 」
「あのー、どうにか冒険者になってダンジョンに行こうかと思ったんですけど怖くなって僕には向いてないかもって思ったから農業の盛んな国で出直そうかと思って」
冒険者ギルドで貰ったカードを見せると最低ランクだったこともあり僕の言葉を信じているようだった。
「そうだな。お前の装備ではダンジョンに入って最初の魔物に殺されていただろうから正解だったと思うぞ。まだ若いんだから人生はやり直せるだろうさ。通って良いぞ」
スーガラキ王国の検問を抜けるとシャクショー公国の検問に着いた。
「話は聞こえていたから事情はわかっている。この道を進むと小さな村があるからとりあえずそこに行ってどうするか考えると良い」
シャクショー公国の検査官は優しく入国を許可してくれた。
「ありがとうございます」
お礼を言って言われた通り多くの人が歩いて出来た道を進んでいくと木製の塀に囲まれた村が見えてきた。




