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ギルドに行って何か美味しそうな食材を手に入れられる依頼は無いかと掲示板を見ていたがギルドの職員が声を掛けてきた。
「シリュー様、実はお願いしたいことがございましてお話だけでも聞いてもらえないでしょうか? 」
話を聞くとピンククイーンパールの納品を頼みたいという事だった。詳しい話を聞くと昔の海底神殿の近くに真珠貝が生息しているらしい。その中でも100年以上生きた海の中にクイーンパールと言うものが入っておりその中でも桜色をしたものを探しているらしい。
ただ最近海底神殿の周辺に魔物の群れが住み着いたようで手が出せず数人に依頼したが失敗してしまったという。
ピンク以外のクイーンパールはギルドで正規の金額に色を付けて買い取ると確約ももらったので行く事にした。
海底神殿の近くのチンラウ島で準備をして早速海底神殿に乗り込んだ。
事前に聞いていた話ではかなり古い物ということで崩れている場所もあるという事だったが遠目に見ても出来たばかりのような神殿だった。周りにもウミヘビのような魔物がそれなりの数が居ては居るだけでも時間がかかった。
中に入ると人面魚のような魔物が普通に魔法を使って攻撃してきて倒すと魔石と鱗になってダンジョンだと分かった。
「シリューちゃん、ここってダンジョンみたいだけどこんなところに真珠の取れる貝があるの? 」
「うーん、神殿の周りには見かけなかったからとりあえず中を探すしかないだろうな」
出てくる魔物たちを片っ端から倒していくが真珠をドロップする魔物が居らず神眼で隠し部屋などを探すが見当たらない。
どんどん先に進んでいくと鎧を着込んだ魚人のような魔物が襲い掛かってきた。
見つける罠も即死系はなかったが視界を遮る煙幕のような物から地面から凍りだす物など行動を制限する面倒な物がほとんどだった。
ダンジョン自体はそこまで深い階層はなかったのですぐにボスの部屋に着いたが出て来たのは大きな貝で回転しながら体当たりをしてきた。質量があるので怪我はしなかったが吹き飛ばされるため手間取った。
ようやく倒したが目当てのクイーンパールではなく大粒ではあったがピンクパールでコアルールに入ると大きな貝の中に大きなピンクの真珠に見えるコアがあった。
さすがにダンジョンコアを提出は出来ないのでコアを操作して真珠貝を作ってみた。ただクイーンパールは100年以上生きた貝の中にあるので魔力を流して真珠貝を時間を無視して成長させていった。
4つ目のクイーンパールでようやく目的のピンククイーンパールを手に入れた。
「ねえ、シリューちゃん、もしかしてだけどこの依頼を出した人ってここがダンジョンと知っててコアを提出させようとしてたんじゃないかしら」
「チャミ、それは考えすぎなんじゃないか? コアってのはボスやガーディアンを倒したもの以外が触れると命を吸われて死ぬんだぞ」
「だからじゃないの? 例えばコアを指定された品だと言って渡すとするじゃない? そして殺したい相手に珍しい品だと言って贈り物として渡したらどうなる? その人はコアだと知ってるから直接は触れず箱か何かに入れて渡せば受け取った人は知らないからそのまま触って死んじゃうよね」
「確かにそれなら可能性はあるし提出した俺達がおかしなものを渡したということで犯人に仕立てることも出来るな。そう考えると提出する場合は指定のガラスケースに入れるように注意されたのも頷けるな」
「でしょ。まあ今回はコアじゃない本当のピンククイーンパールを提出するから問題は起きないかもしれないけど失敗したと分かったら別の冒険者にコアを取ってくるように誤魔化して依頼を出すかもよ」
「それならどんな冒険者が来ても倒せないような魔物をガーディアンにして依頼を達成できないようにしておくか」
コアに魔力をどんどん流し込んでポイントを貯めていく。俺が呼びだすのはアクアドラゴンと言って水の体を持ったドラゴンで核を壊さない限り周りの海水を取り込んですぐに回復してしまうから倒せない。おまけに核には不壊を付与しておくから弱点を無くしておくから無敵となった。
他の罠や出てくる魔物に関してはそのままにしてダンジョンを後にした。
ギルドに行くと本物のピンククイーンパールをを提出しそれまでに育てて手に入れたクイーンパールの黒と青を正規の値段で買い取って貰いかなりの金額を手にした。
きな臭い依頼を終えて面倒なことに巻き込まれないうちに他の大陸へ行こうかと思って街を歩いているとド派手な格好をしたチャラチャラした男がチャミをナンパしようとしてきた。
「そこの人族のお嬢さん。可憐なあなたを私の屋敷に招きたいのですが如何ですか? 」
チャミは全く気にした様子はなく俺の後を付いて来て相手にしなかった。
「あれれー? そこの金髪の美しいメイド服を着たお嬢さんですよ。私の声が聞こえていますか? 」
俺でもチャミを呼んでいると分かったが当の本人は全く気にする素振りはなくフルシカトを貫いている。
「おいチャミ、そっちの派手な男が呼んでるみたいだぞ。嫌ならはっきり断らないといつまでも絡んでくるんじゃないのか? 」
俺の言葉を聞いて大きなため息をついてチャラ男に向き直る。
「ウチのご主人様はシリューちゃんだけだから他の男に付いて行くわけないでしょ。さっさと視界から消えて」
辛辣な返答を聞いたチャラ男は最初意味が分かっていなかったようだがなぜか怒りの矛先が俺に向けられた。
「貴様がお嬢さんを縛り付けているのだな。このセイル・F・アトランティカが成敗してくれる」
武器を抜こうとしてきたので弱めの怖禍威を込めて視線を向けると手が止まる。
「んあ? なんか用なのか? 俺のメイドに何か用があるのかもしれないがはっきり断られたんだから諦めろよ。しつこい男は嫌われるぞ」
チャミの袖にされ俺から止めの一言を貰ったのが気に障ったのか俺に白い手袋を投げつけてきた。
「貴様、平民の分際で貴族である私を怒らせたな。決闘でそのお嬢さんを掛けて私と競うのだ」
「イヤだよ。メンドくせぇな」
「わはははは、その言葉、村長みたいだったね」
「そういえば村長も良く面倒だ面倒だって言ってたな」
「キーサーマー、私の決闘の申し込みを断って勝手に楽し気に話をするんじゃない」
「うるさいなー、そもそも、このチャミは決闘の品にするような存在じゃないだろう? なんで人を賭けないといけないんだ。それに俺に何のメリットがあるって言うんだよ。お前の都合を俺に押し付けて来るんじゃねえよ」
「ぬぐぐぐぐ……、はっ、貴様そんなことを言って負けるのが嫌で断っているのであろう。男であれば正々堂々と決闘を受けるのだ」
「お前も人の話を聞かない奴だな。チャミは景品ではないし賭けたとしても俺が勝っても何にもならないじゃないか。お前が負けたときのことを考えていないのか? 何ならことでいっぺん死んどくか? 」
怖禍威をさらに強めチャラ男の目のために立ってやると慌てて指にはめていた黒い指輪を出してきた。
「そこまで言うなら我が家の宝であるこの指輪を賭けようではないか。」
「だ、か、ら、チャミは景品じゃないって言ってるだろ。ホント人の話を聞かない奴だな」
「シリューちゃん、この人脳みそ入ってないのかもしれないから痛い目に会わないと分からないんじゃない? 」
チャミの一言で受けるしかないのかと諦め差し出された指輪を神眼で確認する。
『海獣のまもり:装備者は海獣と心を通わせることが出来る指輪。状態によっては海獣を従えることが可能。魔力を多く籠めることでより親密になれる』
それなりに便利そうな指輪だったので仕方なく決闘を受けることにした。
「仕方ねえな。それじゃあさっさと終わらせて宿に帰ることにするか」




