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今度こそ隣りの大陸に行こうと思ったが折角ならミスリルを採掘していこうと思いギルドを覗くと王都の近くにある鉱山で採掘依頼が出ていた。
『良質なミスリル鉱石の納品:高品質なミスリル鉱石を300kg納品する 報酬 白金貨3枚』
王都の近くにミスリル鉱山があるのでそこに向かう。ハギャシの街の近くの鉱山は基本的に鉄鉱石だったがこの鉱山は最低でもミスリル鉱石が掘れるという。ただ高品質を望むのであれば魔物が徘徊する奥に行く必要があるらしい。
馬車で向かうとやはり坑道の入り口前の広場にはテントがいくつも建てられており泊まり込み組がいた。
馬車から降りて坑道に入って行くと広場のようになっている場所でそれなりの数のドワーフが鶴嘴を振るっていた。
キョロキョロしながら奥へ行く通路を探していると1人のドワーフが声を掛けてきた。
「あんちゃん、新顔だな。今頃来ても良い場所はないぞ。それからあっちは魔物が出てくるから行くんじゃねえぞ」
指さされた方向を見ると確かに人は少なく魔物の気配が微かにしていた。
「それなら問題ない。俺たちは奥に行こうと思っていたから教えてもらって助かった」
俺の言葉を理解できなかったドワーフは焦って声を掛けた。
「ちょっと待てって。この奥はBランクでも倒すのが難しい魔物がわんさか居るって話だ。Aランクになって出直した方が良いぞ」
「心配してくれるのか? 見た目に似合わず優しいんだな。それなら問題ない俺はAランクの冒険者だ」
冒険者カードを見せるとドワーフは口をあんぐりと開けて固まってしまった。
そんなドワーフを放置して俺とチャミは奥へ入って行く。
メタルリザードやシルバーゴーレムと言った魔物が出てきたがサクッと倒して異次元庫に入れていく。
心眼を常時発動させ岩壁を確認していくと『ミスリル鉱石』と見えると手当たり次第に掘り返し回収していくがどれも低品質の物ばかりだった。
更に奥へ進んでいくとジュエルタートルやゴールドスライムと言った金になるような魔物が出てきたので思わず鉱石ではなく魔物を優先して倒してしまった。
さっきよりも品質は良かったが高品質のものではなかったので更に奥へ進むとミスリルガーゴイルやゴールドガーディアンが出てきた。
ミスリルガーゴイルはミスリルでできた体のガーゴイルで倒すと中品質のミスリルが手に入った。ゴールドガーディアンは金ぴかのロボットみたいな感じでゴーレムと違うのは動きが素早くちょっとした魔法では跳ね返してしまった。倒しても金なのは表面だけで中身は色んな金属が混じった合金であまり価値はなかった。
それでも見つけた鉱脈からは高品質のミスリル鉱石が手に入ったので採掘しながら魔物を倒していった。
常に心眼を発動させていた影響なのか神眼に進化した。
スキルが進化したことは嬉しいが今は提出用と個人用の鉱石を採掘する事なので手当たり次第に掘り返し1トン近いミスリル鉱石を掘りだした。
気が付くと3日程掘り続けていたようで出ようとして入り口近くの広場で採掘していたドワーフたちに驚かれた。
「おめえたち、生きてたのか。奥に行くって言ってたけど帰ってもねえもんだから死んじまったと思っただよ」
あるドワーフが心配して声を掛けてくれたが確かに何となく魔物の数が多いなと思ったタイミングがあったと思い出した。
「それは済まなかったな。ちょっと採掘に集中しすぎて帰るのを忘れていたよ」
俺の言葉を聞いて周りのドワーフたちがざわつき始めたが知らん顔をして外に出た。
坑道から出ると太陽が眩しく照らしていたのでしばらく食事休憩をして馬車が来たので王都へ戻った。
ギルドに行くと早速高品質のミスリル鉱石を300kg提出すると受付が慌て始める。
鑑定の魔道具を持ち出して来て手分けして品質の確認をしていた。
「時間がかかりそうだから報酬は明日貰いに来るから準備しておいてくれ」
黙って待っていてもすることが無いのでさっさと伝え宿に戻った。
「そういえばシリューちゃん、ミスリル鉱石をいっぱい残してるけどどうするの? 王家のお抱え鍛冶師とかじゃないとミスリルの武器は作れないんでしょ。別の大陸に行ってもどうにもできないんじゃないの? 」
宿でゆっくりしているとチャミが異次元庫に入れている大量のミスリル鉱石の扱いについて聞いてきた。
「そうだな。錬金術を俺が持っているから鉱石を精製してインゴットにすることは出来ると思う。鍛冶のスキルも持っているがレアランクだからミスリルを使った鍛冶は出来ないが低品質のミスリルや鉄などでいろんなものを作ってランクを上げれば俺でもミスリルで武器が作れると思うんだ。折角なら自分好みの武器を作るのも良いかなと思っている」
「ふーん、そんな時間があるならウチに構ってくれてもいいのよ」
チャミは俺の返事を聞いて釈然としない感じで構ってオーラを出していたが知らん顔をして狸寝入りをした。
朝からギルドに行き報酬を受け取り改めて自分の所持金を確認してみるとかなりの額になっていた。約1年依頼を熟しながら手に入れた素材も売っていた。大きな買い物もしていなかったので貯まるのも当たり前かと思った。
そう言えば神眼になったことで相手の感情や思考なども分かるようになった。
『深井獅琉 HP 32、MP ∞、攻撃 4107、防御 3927、敏捷 4008、魔力 9834、知力 11423、運 7
所有スキル:U怖禍威P U不壊P S腐界A S浮塊A S付加意A U神眼A U異次元庫A S水魔法A S闇魔法A S火魔法A、S風魔法A、S土魔法A、S光魔法A S状態異常無効P S隠蔽魔法A S偽装P R格闘P S錬金術P R鍛冶P
異世界よりの転移者 ダンジョンマスター 復讐者 真なる魔王 』
自分を神眼で確認して色々成長していたが今までなかったあだ名のようなものが追加されていた。
『異世界よりの転移者:スキル成長に微補正、トラブルに巻き込まれやすくなる』
『ダンジョンマスター:ダンジョンを管理する者。不老となる』
『復讐者:親しきものを奪われ復讐を誓った者。正常な人間関係の構築が困難になる』
『真なる魔王:膨大な魔力を保有し絶対的な力を持っている。勇者の攻撃が致命傷となりうる』
『チャミ:コピースライムクイーン
HP 134、MP 3957、攻撃 6324、防御 5582、敏捷 3428、魔力 7816、知力 8843、運 257
スキル:U補食強化A S感情復元P U調理A S洗濯A S掃除A S裁縫A U不壊P
ダンジョンモンスター 捕食者 寵魔 おし』
「シリューちゃん、女性の秘密を盗み見るのはお勧めしないわ」
自分のステータスを確認してチャミを確認しようとするとすべてを見る前に止められた。
別に知らなくても良いことはこの世の中に溢れているし知らなくても生活は出来るので気にしないことにした。
「そうかもな。確かにミステリアスな女性は魅力的かもしれないな」
チャミは俺の言葉を受けて満更でもないという表情をしていた。
時間を見つけて魔力を注ぎ込んでいた卵を確認した。
『シャドウ種の卵:注入された魔力の質や量で産れる個体が変化する
魔力の注入者に敵意はない』
(卵の状態なのに意識を持っているのか。すげえな)
何の卵なのか知れたが既に意識があるということが分かって驚いた。
ただどれくらいで孵化するかは分からなかったので気長に魔力を流し込んでいくことにした。
「そいじゃあ、チャミ。予定通り次の大陸に行く事にしようか」
「そうね、クエストやらなんやらの移動でアンリケ大陸はほとんど回ったからそろそろいいでしょうね。次の大陸への窓口になっている港町はサンノマイツというらしいけどどうやって行くの?」
「どうって、急ぐわけでもないのに馬車で行けば良いじゃないか」
「せっかく飛んで行く手段があるんだからあの大きな盾に乗って行けば簡単でしょ」
タワーシールドに浮塊をつけて飛んで行く方法を勧めてきたがどうせ俺の膝に乗りたいだけだと分かっているので提案を却下し馬車でのんびり行く。
北東へ向かう街道を1週間ほどかけて岬の先端にある目的のサンノマイツの街に着いた。
この街にはサボテン以外にも多少値は張るが野菜が売られていた。買い物をしながら話を聞いてみると俺たちが行こうとしている大陸から輸入しているらしい。獣人たちが多くいる大陸で自然も豊かで農作物や炭の材料となる木材などを大量に輸入しているらしい。
港には多くの舟が停泊していたがすぐに出港する物はなく遠くにうっすらと大陸の影が見えたので自分の舟で行く事にした。
港に居る漁師や船乗りとは違う服装をしている男が居たので声を掛ける。
「少し聞きたいんだがあの大陸に行きたいと思っていて自分の舟で行こうと思うんだがこの港に出していいか? 港の使用料とかが発生するなら払うが」
「1週間以上の停泊で港の使用料は発生しますがちょっとした食料の補給などでの寄港では頂いていませんので問題ないですよ」
西側の港でも似たような物だったがそういう決まりごとは統一してあって安心する。
許可ももらったので遠慮なく舟を異次元庫から出して海に浮かべる。近くに居た船乗りたちは驚いていたがさっさと乗り込んで帆に風魔法で作り出した風を当てて出向させた。
順調に進んでいたが途中から目的の大陸が近づいていない気がしてきた。
「チャミ、確認なんだが行き先の大陸に近づいていないようだが俺の気のせいか? 」
「ウチもそう思うわ。ちなみに潮の流れに逆らっているからじゃないかしら川を遡っている感じだと思うわ」
指摘されて海面を見てみると確かに進行方向に対して潮が船に向かって動いていた。風力を上げることも考えたが浮塊で舟を浮かせて行く事にした。海面から3m程浮かせると風を受けた帆のおかげでスイスイ進み目的の大陸が近づいてきた。
しばらく進むと潮の流れが変わったようなので着水して進んだ。次の大陸の街が見えてきて船が泊っているのが見えた。何とか陽が沈むまでに入港できそうだった。
実はサンノマイツの港の職員は潮流のことを知らせるつもりだったがいきなり現れた船に驚き伝え忘れてしまっていた。




