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フカイのフカイな異世界の旅  作者: アングリー尺損


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17/22

 豊徳 成side


 良く分かんねえがダンジョンが使えなくなっちまって効率よく強くなれなくなったが盗賊やら罪人やらを処刑して俺はかなり強くなった。おまけに姫様が俺に期待しているとか言って金ぴかの首輪をくれたんだ。

 死力を尽くして妾を守って欲しいと言われて力が湧き上がってくる感じもした。


 どうもこの国に逆らってるやつがいるようでそいつがバケモンどもを引き連れて城に攻め込んできているらしい。

 さっき調べてもらったら広江よりかなり強くなっている感じだった。安藤が居なくなっちまって寂しかったが今では城のメイドさんに褒められまくってどうでもよくなっている。何ならフリーだったからメイドさんに抱きつかれても気にしなくていいので結果オーライだ。


 『豊徳 成  HP 698、MP 62、攻撃 527、防御 108、敏捷 293、魔力 55、知力 47、運 16 

 所有スキル:S拳闘術P S発剄A S加速A』


 他の街の救援に会長や数人が出かけて行ったが戻ってこないということはあいつらは死んで姫様を困らせている奴が勝ったということだろうが俺様にかかれば簡単に終わらせることが出来る。

 残っているクラスの奴らもそれなりに強くなっているからそいつらを上手く使えば俺様たちの勝利は目の前さ。


 王都への入場門の外で待機していると防壁の上から「敵が来た」と聞こえる。

 回りの兵士たちは大勢のバケモノと戦うことに動揺しているようだったがどんなに多くても俺様の強さには敵わない。気合を入れて進もうとするとまた防壁の上から「敵は一人です」と言ってきた。


(1人で俺様を倒せるとでも思っているのか。舐めやがって)


 怒りで頭に血が登って俺様は悠々と歩いてきている黒い鬼の面を着けたひょろっこい奴に突進していく。

 兵やクラスの奴らも俺の後に続いてきている。加速を使って発剄を纏った拳でぶん殴ってやろうと思っているとなぜか気を失ってしまった。


 しかし激痛で目を覚ましたが鎧を着た兵士やクラスの奴らが俺にのしかかってきて息も出来ない。

「どけ」と言いたいが呼吸ができない以上声を出すことも出来ず苦しさを覚えながら視界が黒くなってしまった。



 広江 幸永side


 僕は昔神が遣わした勇者と同じスキルを持っているということで姫様と一緒に過ごすことが多かった。たまに魔物を倒すために騎士と一緒に出掛けることはあったけど高いステータスと優秀なスキルのおかげでケガ一つ負うことなく城に帰還していた。


 一度ダンジョンにも行ってみたけど寝泊りするには不便だったので日帰りで20階層辺りまで行っていたけど面倒になったしあんまり成長している感じもしなかったのでスーガラキ王国の各地を回って困っている人を助けていた。


 流石に遠征に姫様は同行しないが地球だったらトップアイドルになってそうな顔やスタイルのメイドさんが同行してくれた。

 聞くと貴族の娘さん達らしく行儀見習いというか王族や貴族との交流? 婿探し? で城に務めているらしい。ただ若い人はいないらしく僕のような若さで城に自由に出入りしている人は珍しいという。

 おまけに勇者として扱われておりお婿さんとしては外せないとチヤホヤされながら教えてくれた。


 姫様は確かに美しいけど何となく近寄りがたい感じがして緊張するけどメイドさんたちは遠慮なくスキンシップも出来るから遠征も悪くないと思っている。

 行った先の領主をしている貴族にももてなしをしてもらい年頃の娘さんと楽しく過ごすこともあった。何ならずっと遠征していたいと思うようになっていた。


 一度西側の国境付近に行ったときに僕には勝てないけど兵士たちが倒せずに困っている奴らが居たので倒したけど戦場の筈なのに薄着のお姉さんたちに取り囲まれて歓迎されたのは最高だった。

 負けじとメイドさん達も体を密着させてくるもんだから僕は鼻血が出るんじゃないかと思ってしまった。


 スーガラキ王国の周りの国とのいざこざも落ち着いて遠征をすることも無くなり残念に思っていたら国境近くの街や村を潰して回っている奴がいると聞いた。

 遠征に行くのかとワクワクしていたが方法は分からないが街の有った場所が完全に更地になっているという。


 どんな魔法を使ったのか分からないので僕の投入は見送ることになったらしい。

 少し調子に乗っていた僕は姫に行かせて欲しいと頼んでみたが断わられた。


「確かにヒロエ様はお強いでしょうが魔法やスキルというのは相性もございます。ヒロエ様の実力が発揮できず倒れてしまうと妾は悲しくなってしまう。万全の準備をしてからでも遅くはないのでその時はぜひお力を貸し下さい」


「その時はいつでも言ってください。姫様の敵を必ず倒して見せます」


 街が無くなっていると報告が入っていると僕の耳にも入っているけど僕の遠征の話はやってこない。

 スーガラキ王国の街が王都だけになって残りの全戦力を持って相手を倒すということになり僕は最後の砦として王都の入場門のところで敵を待ち構えていた。


 豊徳の脳筋が突っ込んでいったが奴もそれなりに強くなっているから僕の出番はないかもしれない。

 それでも僕に対する姫の期待は揺るがないと分かっているので苦労しないならそれに越したことはない。


 少し気を弛ませてしまったが敵の方に居る兵士たちがバタバタと倒れ始め何事かと思っていると僕も気を失ってしまった。


 目を覚ますと城の方から恐ろしい魔力を感じて僕は慌てて姫の所に走った。

 城に入った瞬間今まで感じたことが無いような大きな魔力でここは危険だと理解した。一目散に姫の部屋に入る。


「姫様、ここは危険です一旦避難しましょう。」


「そうですね。父上は殺されたと言いますから妾が生き残って王家の血を絶やさないようにしないといけません。ヒロエ様、妾を守ってくれますか」


「もちろんです。どんなことがあっても守って見せます。どうか今は急いで避難を」


 どうにか姫を説得して城下町に逃げ込んだが僕が気絶している間に王を殺したものが城どころか城下町までダンジョンとして取り込んでしまったらしい。

 回りの街が無くなって王都に避難してきた人間も多く居るのでその人間たちを使ってダンジョンを成長させるつもりなのだろうと思った。


 ただ今の僕ではあの魔力の持ち主には到底勝てるとは思えない。街の中での犯罪は許さないという事だったので王都の周りの魔物を狩って少しずつでも力を蓄え敵を撃つ準備をしなければならない。

 当面は姫様に不自由なく生活してもらうために金を稼がなければならない。


 冒険者の登録をして魔物を倒そうと思ったが勇者として祀り上げられ顔を知られているので顔を隠し魔物を倒しては闇市で金に換えている。

 足元を見られかなり買い叩かれてしまって稼ぎが少ない。


 それなのに姫様は風呂に入りたい。料理がマズイ。綺麗な服がない。とわがまま放題で僕を労うようなことはしてくれない。

 僕の正体を知られると城に居る恐ろしい魔物を倒せと言われかねないので目立たないようにして欲しいのになぜか分かってくれない。


 一月もしないうちに僕の髪は頭皮から逃げ出してしまった。頭頂部は完全に防御力を失い前頭部もかなり疎らになっている。

 顔だけでなく頭も隠した状態で金を稼いでいたが家の前に人が集まっている。

 何事かと思えば姫が住民たちに物を持ってくるよう言っていた。


「王家の生き残りである妾と勇者様の再来であるヒロエ様の生活を支えるのです。そうすれば城の魔物をヒロエ様が必ず倒してくださるでしょう」


 限界を迎えた僕はそのまま逃げようかと思ったが姫様が気づいて声を掛けてきた。

 住民たちも一斉に僕を見てしまったため逃げることは出来なくなった。

 今の僕では敵わないなどと言える状況ではなく翌日には城へ突撃させられることになった。


 城門は開け放たれており出入りは自由だったが城門の外から見える場所にいる魔物が半端ではなかった。

 3mを越えるドラゴンと言われる魔物で聖剣や雷魔法を使って何とか倒せるような感じだった。そんなドラゴンが見える範囲に5匹も居る。1匹倒す間に間違いなく囲まれて死んでしまう。

 負け確イベントじゃないかと思ったが少し離れた場所で住民たちが見守っているので逃げ出すことも出来ない。


 僕は聖剣を振りかざしドラゴンに突撃していった。体を斬りつけドラゴンを怯ませることは出来たが倒すことは出来ず怒らせるだけだった。

 斬りつけたドラゴンが上げた声に他のドラゴンも反応し僕に向かってきた。


 雷魔法を全方位に向かって打ち出したが多少びっくりする程度でダメージを与えた感じはしない。

 それでも最初のドラゴンをまずは倒すため聖剣を振り下ろす。

 運よく喉元を斬りつけぐったりしたのも束の間周りのドラゴンの噛みつきや爪での切り裂きを受けて鎧は粉々になって深手を負ってしまった。


 それでも最初のドラゴンをまずは倒すため聖剣を突き刺した。聖剣を握りしめ次のドラゴンを攻撃するが血を流しすぎたのか次のドラゴンを倒すことなく命を失った。


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