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フカイのフカイな異世界の旅  作者: アングリー尺損


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14/24

 数日一緒に行動しその間に街の様子を偵察させておいた。

 街に残っているのは空き家になった家から金目のものを奪っていく火事場泥棒のような物や自分の屋敷に執着して動こうとしない強欲な貴族ばかりだったので夜のうちに街に戻りさっさと潰してしまった。

 いつものように街を構成するあらゆるものを異空間庫に入れてしまう。


 強面だけど優しいお姉さんに別れを告げて残りの街を潰しにいく。


「僕たち彼女の故郷に行く事にしたのでここでお別れします」


「そうなのかい。確かにここからなら強い魔物も出ないだろうから大丈夫だろうけど気を付けるんだよ。男なんだからその子をしっかり守ってやんな」


 優しい人との交流もありながら街を潰していくと王都を入れてあと5つの街を残すだけになった。

 偵察をさせるとそれぞれの街にはスーガラキ王国の兵がかなり集まり金に物を言わせ冒険者なども雇っているようだった。面倒になってきたので魔物の軍勢をぶつけることにした。


 ちょうどスーガラキ王国に唯一残っているシームルカのダンジョンがあったので軍備を整えることにした。

 ダンジョンに入りボスであるブラックミノタウロスを倒しコアに触れマスター登録を行った。

 異空間庫に入れていた死体をダンジョンに吸収させるとかなりのポイントになったので食料を必要としない不死の軍団を作ることにした。

 そのままでは弱いのでそれなりの強さになるよう強化しておいた。


 『スケルトン:死霊型 HP 273、MP 37、攻撃 198、防御 52、敏捷 34、魔力 67、知力 58、運 0 

 スキル:R再生P R剣術A R盾術A』


 『グール:死霊型 HP 398、MP 41、攻撃 307、防御 98、敏捷 64、魔力 71、知力 48、運 0 

 スキル:R吸血A R毒咬A R斬撃耐性P 』


 『マミー:死霊型 HP 452、MP 20、攻撃 394、防御 163、敏捷 82、魔力 37、知力 44、運 0 

 スキル:R包帯術A R腐爪A R病毒P 』


 『ドラゴンゾンビ:死霊型 HP 608、MP 215、攻撃 537、防御 346、敏捷 78、魔力 203、知力 141、運 0 

 スキル:SポイズンブレスA R飛爪A S物理攻撃耐性P R飛行A』


 『アビスリッチ:死霊型 HP 446、MP 2537、攻撃 91、防御 117、敏捷 38、魔力 1923、知力 2384、運 1 

 スキル:S死霊召喚A R闇魔法A S魔法攻撃吸収P RマナドレインA』


 準備をしていると軍勢の中に同級生の姿も見かけたが城に居る時の扱いを思えば助ける義理はないと思った。

 いざ不死の軍団を街に向かわせるとスケルトンやグールなどでは同級生たちに倒されるだけだったので俺が直接手を下すことにした。

 おそらく俺が潰す前のダンジョンで鍛えていたのだろうが今の俺の敵ではなかった。


 そんな中生徒会長の春野は様子がおかしかった。目は虚ろで確か聖魔法のスキルと持っていたと思ったが死霊などの魔物に対して高い効果を持っていたはずだが使うような素振りは見られない。

 心眼で確認してみると隷属状態で精神崩壊寸前と分かった。


 彼女だけは唯一俺を避けることなく話を聞いてくれた。これからどうしたいのかを聞くため闇魔法で眠らせ生け捕りにした。



 春野 鈴華side


 私は夕食の時深井君が話しかけてきたのでこの国の言っていることがどうしても信用できずお互い注意しようと声を掛けていた。

 部屋に案内された後も分かっている状況を整理しどのような行動をとるべきなのか考えていた。

 翌日の朝食時に深井君が城から抜け出し行方不明になったと聞いたとき増々不信感が増していった。


 彼は大人しいが周りの言葉を気にして逃げ出すような心の弱い人間ではない。

 本人が言わないので私から口外することはないが小学生の時安藤さんがいじめを受けていた時に助けたのは深井君だと覚えている。


 そんな不安が顔に出ていたのかきわどい水着のような服を着た魔法大臣とかいう人が声を掛けてきた。


「確かハルノだったわね。暗い顔をしてどうしたのかしら。あなたやホウトクには姫も期待しているの。これはスキルの成長を高める機能がついた貴重な腕輪なの。あなたの聖魔法は必ずや我が国の力になると思うから積極的に使って強くなって頂戴ね」


 差し出された腕輪は綺麗な装飾が施されておりルビーのような赤い石がはめ込まれていた。

 この人の目は信用できないがここで逆らっては余計疑われると思い恐る恐る腕輪を装着する。

 少しゾワゾワする感じはするが気になる感じはしない。


 その後は城の兵たちの指示に従い訓練を行いある程度の成長をした生徒からダンジョンの有るサウスカンザという街に移動することになった。

 幾つかのチームを組んでいたけど私と安藤さんは成長速度の違いなのか一人でダンジョンに入ることが多くなってきた。

 豊徳君はチームで行動することが多かったが成長しているようだった。


 そんな中ダンジョンで魔物が出て来なくなった。付き添いの兵の人が城へ報告して一旦帰ってくるよう指示を受けた。

 点呼をしている時に安藤さんが姿が見えなくて兵や豊徳君が慌てていたが残っている人員は城へ戻ることになり安藤さんの捜索はサウスカンザの領主に依頼されることになった。


 成長したおかげかゾワゾワする感じが減って出される指示に違和感を感じるようになった。


「深井君や安藤さんの行方は分かったのですか? 」


 偶々見かけた魔法大臣に食って掛かると驚いたような表情をしていた。


 夕食を食べ終わり部屋に戻ると強い眠気に襲われ寝てしまった。目を覚ますと私の首には頑丈な首輪がはめられ腕輪は外されていた。

 驚き首輪に触れると感電したような刺激が全身に広がり悲鳴と共にベッドに寝てしまった。


 次に目を開けると魔法大臣と姫が私の顔を覗き込んでいる。


「おお、目を覚ましたか。優秀な手ごまと思い育ててきたが飼い犬に手を噛まれるわけにはいかんのでしっかりした首輪を付けさせてもらった。今後はわらわとビキーニャ卿の言うことをしっかり聞く様にな」


 姫様が何を言っているのか分からなかったが私の口は「かしこまりました。ご主人様」と意志とは関係なく答えていた。

 私は驚き首輪を触ろうとしたが先ほどの衝撃を思い出し手の動きを止めた。


「そうそう。分かっているようで何よりです。お前の首に作られた隷属の首輪は外そうという意思の元触れると電撃が襲います。それと命令に逆らったり逆らおうとしてもお仕置きがあるから注意するように」


 それからの私はダンジョンが使えなくなったということもあり森に入って魔物を倒したり巷を騒がせている盗賊が居れば単身斬り込んで殺して回ったりさせられた。

 言われるがままとは言え人を切り殺した感触は手に残っており寝ることが出来なかった。


 それでも戦い続け私はいつしか考えることを辞めた。

 言われたことを忠実に熟す人形になった。


 そんな中この国に反旗を翻すものが居ると姫様がご立腹だった。私に行って来いというのかと思っていると準備を整えるという事だった。

 聞いた話では街や村の有った場所が何もない状態になっているという。

 防壁や家の残骸なども全くなく本当に平地になってしまっているらしい。そのため対応は慎重に行う事になったが王都の周りに有る巨大な都市を除いですべてが更地にされたことで私が出撃することになった。


 広江君や豊徳君は城の守りを固めるために残すらしく私と数人の同級生が近くの街へ移動することになった。

 防壁の上で目にしたのは骨やミイラのような魔物の軍勢で奥の方にはドラゴンのようなものまで見えた。


 首輪を嵌められて使えなくなった聖魔法なら有利に戦えると思ったが騎士団長の命令を聞いて何も考えられなくなった。

 ひたすら剣を振り回し盾で魔物を弾き飛ばし体力が続く限り戦い続けた。


 私と一緒に街を飛び出した同級生たちの姿は既に見えず私だけが動き回っている。

 おかしなことに体力はまだある筈なのに急激な眠気が襲ってきて意識を保てなくなってきた。瞼が閉じる瞬間黒い鬼の面をかぶった誰かが私を抱きとめられた感じがして意識を失った。



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