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フカイのフカイな異世界の旅  作者: アングリー尺損


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13/26

 砦にはシャクショー公国の切り殺された兵士の遺体と苦悶に満ちた表情で息絶えているスーガラキ王国の兵の死体が転がっている。

 公国の兵の遺体は丁重に埋葬し王国兵はダンジョンに吸収させるため異次元庫に投げ込んでおいた。


 砦の中にあったスーガラキ王国の地図を元に完全に国を滅ぼすことにする。

 手始めに近くの街へ向かっていく。

 俺のことが知られているのか戦争状態ということで人の往来が制限されているのか街道には人の姿が見えない。

 ゆっくり歩いていると少し離れた場所に街の防壁が見えてきた。


 街の入り口まで来ると防壁の上から兵士が声を掛けてきた。


「お前たちは何者だ。今は街から出ないように通達が出ていただろう。もしかして田舎公国の国から逃げてきたのか? 奴隷としてなら街に入れてやるぞ」


 兵士たちは俺たちを見て揶揄い笑っている。


「俺はお前たち王国の兵に滅ぼされた村の生き残り。その復讐のためやって来た。投降する者の命は助けてやるが逆らうものは容赦しない」


 笑っていた兵士の頭を光魔法のレーザーで打ち抜いた。

 防壁の上では悲鳴や怒声が聞こえておりしばらくすると閉まっていた街門が開き兵たちが飛び出してくる。


 チャミを下がらせレーザーを横薙ぎに払うと街を出た兵士が全て胴体を切り裂かれ息絶えた。

 まだ街から出ていなかった兵士は先ほどまで息巻いていた仲間が無残な姿で地面に転がっているのを見て呆然としている。


「何をしている。相手は経ったの2人ではないか。あんな大掛かりな魔法を何度も放てるわけがない。今のうちにそのものを討ち取るのだ」


 壁の上から立ち止まっている兵士に大声で指示を出している者が居た。

 上役からの指示と言うこともあり兵士たちは頑丈な盾を前に構えながら俺に突っ込んできた。

 今度はうるさい上役に退場してもらおうと思い街門を中心にした巨大な火柱を出現させ周囲を焼き尽くした。


 死体を回収しながら街門の有った場所まで来て風魔法を使い町全体に声を届かせる。


「よく聞け。俺はこの街を3日後に破壊する。逃げたいものは勝手にしろ。抵抗したいものは街の中心で待つので命を捨てる覚悟の有る物だけ来るが良い」


 大通りと思われる道を進みながら家の中からこちらの様子を伺うものが居るのは分かった。


 敵意は感じなかったので何もせず広場のような場所に着いた。

 街門での騒ぎを聞いたのか大量の兵士たちが広場に詰めかけてきた。敵対したくない者たちが逃げるまで時間があるので格闘の練習がてら兵士たちを殴ったり蹴ったりして応戦していった。


 チャミを広場の中心に土魔法で作った高台に乗せて近づく兵を薙ぎ倒していくとまるで群がる悪漢から姫を守る騎士の様だとおかしなテンションになった。


(見た目を考えるとさらった姫を助けに来た兵を返り討ちにする悪者に近いのかもな)


 兵たち殴り飛ばしながらどうでも良いことを考えていると少し暗くなってきたし相手をするのも面倒になってきたので風魔法で作った風の刃で首を切り落としてしまう。

 死体を片付けると高台に居るチャミの元に行って膝枕をしてもらい眠った。


 朝目を覚ますが新たな兵士は来ていなかったので昨日で打ち止めかと思っていると矢や魔法が飛んできた。

 但し数は多くなかったので心眼で場所を把握して一人ずつ確実に息の根を止めていく。

 一時間もしないうちに広場には静寂が訪れた。


 遠距離から攻撃してきた連中の死体は集めに行くのが面倒だったので放置していたがある考えが浮かんできた。


(兵士だからって問答無用で殺してたけど命令されて仕方なく突撃してきた奴らが居たかもしれないな)


 一旦気絶させて根性が悪い奴だけ殺すにはどうすれは良いかと色々思案したが最終的に命令でも攻撃してきたのはそいつの選択だろうから殺されても文句は言わないだろうという結論になった。


 追加の遠距離攻撃はなく街から逃げようとする気配を感じていたが午後から今までと違う屈強な騎士のような連中を引き連れて偉そうな男が広場にやって来た。


「ワシは偉大なるスーガラキ国王陛下よりこのリーゼルの街を賜ったミンチア・ビンフラボリ・リーゼルである。賊の分際でワシの領地で悪さをするとは許しがたい。亀様の命を持って罪を償うが良い」


 御大層な口上を述べているが騎士たちに命令して俺を倒そうとしている。

 騎士を先頭に100名ほどの兵士が突撃してきたので怖禍威を兵たちに向かって扇状に広げるとバタバタと倒れて偉い貴族様以外全員死んでしまった。


「えらいお貴族様は分かっていると思うが殺そうとしたということは殺される覚悟を持っているということだよな。命を持って償えということは殺そうとしたわけだから俺があんたを殺しても文句は言わないよな。まあ死んじまったら文句も言えないから大丈夫か」


 仮面をつけていることもあり俺の表情が分からないのかミン何とかという貴族は顔を青くして震えている。

 ゆっくりと歩いて近づくと貴族はズボンを濡らし失神してしまった。

 あと1日ここで待機しないといけないのに臭くなってしまうなと思い大きな岩を落として潰して始末した。

 見える範囲の死体を回収してのんびりする。


 貴族や精鋭と思われる騎士が倒されたことでその後は誰もオレ達に向かってくることはなかった。

 予定していた3日が経過したので町全体を浮塊で浮き上がらせ異次元庫に入れてしまい更地にしてしまう。


 ネズミや猫などの小動物が住処を奪われ右往左往していたが中には動けない病人などを数人見つけた。

 俺が近づくと覚悟は決まっているようで抵抗することなく祈りを捧げていた。

 心眼で確認したが悪人は一人も居なかったので光魔法で病を完治させ村の地下で収穫した食料を分け与え次の街を目指す。


 王都カンズーサから離れた場所から街に限らず村も全て更地にして回った。

 悪人は殺し善人は施しを行い逃げる手助けも行った。

 逃げたものの中には悪人や欲深いものも居たようで他の国へは逃げず大きな街や王都に逃げ込んで助けを求めていたようで俺のことを待ち構えるようになった。


 ある街を潰したときに故郷を守るため俺に向かってきた者たちが居た。

 心のよりどころを奪われる辛さは分かっているが俺の中でこの国に属する者は全て敵だと思っている。力がないものは大切なものが守れないのだと分かってもらうためにあえて街を更地にする。

 命を惜しまず向かってくるものを殺すのが心苦しくなり事前に善人と悪人の選別を行う事にした。


 大きな街では戦力を集めるため冒険者を募集していたので鬼の面を外し一般的な革鎧や剣を装備してしまえば街に入り込むことは難しくなかった。

 街に入り情報を集めている時に街を潰して回っている者の情報を噂話として広め敵わないから逃げた方が良いと分からせる。

 問題として戦力になる者は街から離れられないので非戦闘員だけで街から逃げることになってしまう。

 どうしようかと思っているとスーガラキ王国に残っているダンジョンが近くにあると分かったのでダンジョンで準備をすることにした。


 ダンジョンに入り襲い掛かってくる魔物をどんどん倒して回り最下層でオークキングを倒しコアの所有者になった。

 不人気なダンジョンと聞いていた通りポイントはあまり溜まっていなかったので魔力を流し込んでポイントに変えテイムと死霊術のオーブを作りスキルを覚えた。


 戦闘力はダンジョンの機能で上げることが出来るので隠密に特化したり存在を希薄に出来たりする魔物を3種30匹ぐらい召喚して成長させ1匹でもその辺の魔物なら一捻りできる程度の強さにした。


 『キラーバット:飛行型 HP 137、MP 84、攻撃 168、防御 78、敏捷 294、魔力 37、知力 143、運 28 

 スキル:S吸血A R超音波A R無音飛行P R探知A』


 『スペクター:死霊型 HP 61、MP 325、攻撃 54、防御 68、敏捷 87、魔力 628、知力 881、運 1 

 スキル:SゴーストハンドA R魔法障壁A S物理攻撃無効P R不可視A』


 『アラクネ:昆虫型亜種 HP 627、MP 56、攻撃 318、防御 524、敏捷 67、魔力 98、知力 107、運 64 

 スキル:R粘糸A S罠設置A R格闘P R隠密A 』


 その中でも優秀なモノをリーダーにして指揮をさせ街から離れる人間の護衛をさせることにしたが人間を襲わないようしっかりと指示を出しておいた。

 その後も街を更地にしつつ国の中を回っていたがある街で荒っぽくて口は悪いが面倒見のいい女の人が居た。


「おい、ボウズ、見かけない顔だがまだ冒険者になりたてだろう。そんな新品のような装備でほっそい腕じゃ魔物も倒せないぞ。国落としは容赦ないって話だから邪魔にしかなられねえ新人はとっとと他所に行くんだな」


「ははは、ご心配ありがとうございます。僕は魔法が少しできるのでこんな体をしてます。ところで国落としとは噂になっている街を潰して回ってるヤツのことですか? 」


 表情や口調は脅しているように聞こえるが内容は心配してくれているので話を聞くことにした。


「そうさね、色々呼び方はその街で違うみたいだけどアタイ達は国落としって呼んでるよ。元々この国が周りの国に節操なく戦を仕掛けているんだからこんな状況になっちまったんだろうけど兵士でもないアタイ達のこともかんがえてほしいもんさね」


 考えては居たが改めて指摘されたことで心は痛んだがあの時の村の様子が瞼から離れない。


「どっかの村か街からここに来たんだろうけど遅かれ早かれこの街も潰されちまう。来たばっかりだろうがこいつをやるからこの国からさっさと出ちまいな」


 お金が入っていると思われる革袋を投げて寄越してきた。


「それなら一緒に行きましょうよ。僕が聞いた話では大量の軍隊でも歯が立たなかったという事でしたしお姉さんだけでは申し訳ないけど勝てないでしょ。それに知り合いの人が逃げる時も戦える人が必要じゃないですか」


「はあ、確かにボウズの言う通りかもな。街は無くなっちまうかもしれないが顔見知りが一緒ならそれが良いかもしれないな」


 逃げ出すことに前向きになってくれたのでシャクショー公国のことを伝えておいた。


「どこまで本当か分かりませんがシャクショーなら安全らしいって聞きました。お姉さんが一緒ならボクも心強いです」


 翌日には非戦闘員と共に街を出て歩いていく。道中はテイムした魔物たちに安全を確保させておいた。



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