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フカイのフカイな異世界の旅  作者: アングリー尺損


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11/22

 安堂 曜子side


 ウチは深井君と話すため城の人に話を聞くと役に立たないことを悔やんで城から抜けたしたと聞いた。

 深井君はそんなことをする人じゃないと思っていたけど周りの人間の反応を見ると辛くなったのかもしれない。

 今すぐ探しに行って助けたいけど今のうちは右も左も分からない世界でどうすることも出来ない。

 城の人間の言うことを聞いて鍛えて深井君を助けられるようになるんだと心に誓った。


 言われた通りダンジョンに来たけど一緒に来た連中が弱すぎて全然鍛えられない。

 付き添いの兵士に単独で奥まで行かせてもらえないか言ったが危険だからと言って許してくれない。


 地下20階層までは一緒に来たけど既に飽きてしまっていた。

 ダンジョンの有る街は大きかったのでもしかしたら深井君もここにいるかもと思ってダンジョン探索をサボって街を歩いて回った。


 深井君の特徴を知らせて住民に聞こうと思ったけど黒髪で黒目としか説明できない。ウチに絵の才能があれば似顔絵を書けるのに…スマホが使えれば隠し撮りした深井君の写真を見せて聞き込みが出来るのに…。

 そんな中重要な証言が聞けた。なんとアキンドとかいう街に向かう馬車に黒髪の男が乗っていたと聞けた。


 ただウチはあんまりお金を持っていない。あんまりというか全く持っていない。宿は城の人が貸切にして食事なんかはそこで食べるようになっていたからお金が必要なかった。欲しいものがあれば付き添いの人に言えば準備してくれていた。


「乗るのかい」


 馬車の受付の人に聞かれたがお金を持っていないことを伝える。


「終点のアキンドの街までなら金貨1枚準備してきな。途中で宿にも泊まることになるから少なくても金貨3枚はないときついと思っときな」


 金貨がどれぐらいの価値でどうすれば貯めることが出来るのかも分からない状態で途方に暮れていると馬車に乗っていたおじさんが「お嬢さん、良かったらワシが立て替えてやろうか?」と提案してくれた。

 ウチは嬉しくなって「向こうで探している人を見つけたら仕事して必ず返すから」と言って馬車に乗った。


 おじさんは立ち寄る街で「探してる人がここで降りたかもしれないよ」といってウチが深井君を探す間待ってくれた。数日間の宿代も払ってくれてとても感謝している。

 5か所ほどの街を見て回ったが深井君の形跡はなかった。


 1月以上かけてアキンドという街に着いたけど結局おじさんに金貨50枚ぐらいお金を払わせてしまっている。

 仕事を探すにしても深井君を探しながらだからあまり稼ぐ事は出来ないと思う。

 どうしようかと思ったらおじさんがすごいことを言い出した。


「ヨーコちゃんを信用しないわけではないけどそれなりの金額になってるわけだから口約束だけではワシも心配になるわけだ。申し訳ないが証文にサインをしてくれないだろうか? 」


「うん、良いよ。おじさんにはウチのわがままに付き合わせちゃって。きちんと返すから待っててね」


「その件じゃが宿代も持っておらんだろうからワシの家を拠点にして探せば金もかからんじゃろう」


「そんなに甘えて良いの? 助かるけど奥さんとか怒るんじゃないの? 」


「妻は数年前に先立って家業は息子がついでワシは隠居の身じゃから気にすることはない。ただ部屋は狭いから我慢しておくれよ」


「全然いいよ。ウチはどこでも寝れるから毛布一枚貸して貰えれば地面でも寝れるから心配しないで」


 おじさんとの不思議な共同生活をしながら深井君を探していたけどいつの間にかおじさんと同じベッドで寝るようになって気が付いたらおじさんと結婚しちゃってた。

 深井君のことは気になるけどおじさんのやさしさに包まれちゃうとどうでもよくなってきた。

 義理の息子には嫌な顔をされるけどおじさんと一緒に居られるから我慢できる。


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