第99話
投稿者:係長のわし 2027年12月15日
やったぜ。
嘘じゃ。一ミリの「やったぜ」もない。
12月。岡山の冬という名の「超高密度・冷凍保存庫」が、わしのアパートを一ミリの猶予もなく冷却しとる。
リビングには、おっさん(アルバイト・62歳)、兄ちゃん、金髪、パグ化したハゲ(元課長)が集結。
そして太郎、次郎、三郎、健、エル、ちまき。
そこに山口から緊急搬入(再来訪)された田村の仔パグ「ハツリ」を加え、計7匹の自走式・毛玉重機が、狭いリビングで一ミリの隙もなく同時アイドリング(爆睡)をキメとる。
わしは一人、第98話までのブログ全話をスキャン(読み返し)し、目から白濁した涙を打設した深夜を思い出しながら、ビール(聖水)を開けた。
そして、コタツに丸まる不純物たちと、畳をハツり続ける犬共に向かって、喉の奥底から叫んだ。
「おい、お前ら! よく聞きなさい! 係長の命令じゃ!」
全員が、白濁したような瞳でわしを一斉にスキャンした。
三郎が、わしのすねを両前足でホールド(マウント)しおった。
「お前らはな、たとえ定年して非正規アルバイトになろうが、女子レーサー渡邉の全国追っかけに旅立とうが、主機(脳)がパグのチップに侵食されようが……一生わしの部下(家族)じゃ! 一ミリの狂いもなく、泥と汗の未来へついて来い!」
静寂が、一ミリの猶予もなくリビングを支配した。
金髪が「係長……それってプロポーズっすか。やったぜ!」と号泣し、兄ちゃんが「一生ついて行くっす!」とビールを掲げた。
おっさんは「じゃあ、バイト代を千二百円から千五百円に昇給(打設)しなさい」と、一ミリの感動もないギャラ交渉をブチかましおった! 62歳のアルバイト、一ミリもブレてないわ!
ハゲ(元課長)にいたっては、涙でドロドロになりながら、
「係長! あなたが家族と言ってくれるなら、わしは明日から、三郎さんのヨダレを直接、喉の奥底へ流し込み(飲用)ます! あぁ~~たまらねえぜ!」
と、一ミリの生産性もないバイオテロ(狂気)を咆哮しおった! わしはハゲの磨かれた頭(反射材)をホールドし、コタツ布団で一気にパージ(窒息)しておいたわ!
そこへ、一ミリの予告もなくインターホンが鳴りおった。
ドアを開けると、筋肉の装甲を纏ったピットブル女監督官(48歳・バツイチ)が、私服の上からでも隆起する上腕二頭筋を誇示して立っとった。
「係長。今夜、赤ちょうちんの現場(サシ飲み)ではなく、ちゃんとしたレストランという名の『高級工区』で、二人だけの安全パトロール(デート)を打設しませんか。ピットブルも、三郎も、全部抜きで」
……逆指名じゃ!!!
48歳のバツイチ女監督官が、56歳80kgの係長を、一ミリの隙もなくホールドしにきおった!
リビングの後方から「やったぜーーー!!!」と、金髪とおっさん達のクレイジーな祝砲がドバーっと轟きおった。
「ええわ、女監督官。一ミリの隙もなくエスコート(ホールド)してやるから、来なさい」
ピットブル女はにやりと笑い、
「やったぜ」
と、わしの決め台詞をにこやかにパクりおったわ。
アパートのコタツで爆睡する犬たち。
三郎はハツリ(仔パグ)の顔面の上に腹を打設し、白濁したヨダレをドロドロに垂らしとる。
「三郎。わし、明日ドレスアップして、筋肉の資材(女性)とサシデートじゃ」
ぶひ。
「『まずは鼻の穴を舐めて、生きてるか確認しろ』か。……高級レストランでそれやったら、わしが出入り禁止になるわ!」
ぶひぶひ。
56歳の、新たな工期の着工。
100話完結へのカウントダウンが、一ミリの狂いもなく、世界一熱く竣工されとる。




