表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
やったぜ。(完全版)  作者: 水前寺鯉太郎
やったぜ。11―係長になったぜ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

96/100

第96話

投稿者:係長のわし 2027年10月15日

 やったぜ。

 今度こそ、嘘偽りのない、肉汁100%の「やったぜ」じゃ!

 秋晴れの10月中旬。おっさん(アルバイト)の居座り雇用を祝うため、岡山の河川敷にて、一ミリの隙もない「肉の暴力(秋のBBQ)」が着工(点火)された。

 参加者は、わし(163cm 80kg)、おっさん、兄ちゃん、金髪、ハゲ(元課長)の一味5人。

 そして太郎、次郎、三郎、健、エル、ちまきの犬6匹という名の「自走式・肉食重機」たちじゃ。

 そこへ、一ミリの予告もなくハイエースが横付けされ、例の筋肉フレームを誇示するピットブル女(安全監督官)と、20kgを超える筋肉の塊・ピットブル(名前:重戦車)が緊急搬入されおった!

「安全衛生大会の出禁動画、スキャンしましたよ、係長。元請けの偉い人たちの前でイン逃げを打設するとは……でーれー熱いじゃないですか!」

 ピットブル女、あのクレイジー競艇ジャックを「熱い」の一言で肯定しおったわ! 類は友を呼ぶとはこのことじゃ!

「肉を焼きなさい、女監督官! 牛カルビという名の『高カロリー資材』を、一気に喉の奥底へ流し込みましょう!」

「望むところです、係長!」

 金髪が「肉の高速モンキーターン」でカルビをひっくり返し、おっさんがビールを一気にハツり、兄ちゃんが犬たちと格闘し、ハゲが「三郎さんのヨダレと、ホルモンのタレのミキシング……」と白濁した瞳で怪文書(呟き)を発しとる。

「係長」と、ピットブル女が骨付き肉を噛み砕きながら、わしをスキャンした。「今の一味を見てると、半年前のドッグランでの『あの遭遇戦(事件)』を思い出しますね」

「……思い出すな。あれは一ミリの猶予もない、バイオ事故じゃったわ」

 そう。わしとピットブル女がなぜこんなに仲良くなったのか。

 それは半年前の春、岡山のドッグランという名の「無法地帯(ノーガード工区)」での、クレイジーな衝突事故が起点じゃ。

 その日、わしが三郎をドッグランで自走させていた時のことじゃ。

 突如として、巨大なピットブル(重戦車)が、三郎の「白濁したようなお尻」に向かって、時速50kmの猛スピードで突進スクランブルしおった!

 三郎パグの危機!

 わしは0.5秒で判断し、163cm 80kgの肉体を一気に横倒しに傾け、ドッグランの芝生の上で「魂のタックル(モンキーターン)」をキメおったんじゃ!

 ドバーーーン!!!

 わしの80kgのトルクが、突進する20kgのピットブルと完全衝突エンカウント! 芝生にクレーター(穴)が空き、土砂が一ミリの隙もなく宙を舞った!

 三郎は無傷。ピットブルも無傷。ただわしの作業着がドロドロに解体されただけじゃ。

 そこへ、ピットブルのリードを握りしめた女監督官が、一ミリの猶予もなく現れた。

 普通の女性なら「すいません!」と謝るところじゃ。だがこのピットブル女は、芝生に埋まっているわしの80kgのフレームを一ミリの狂いもなくスキャンし、にやりと笑いおった。

「ほう……! うちのピットブルの突進を、その163cmのフレームで真っ正面から受け止め(打設)ますか。でーれー熱いタックル(ハツリ)ですね。……惚れましたわ」

 惚れるな!!! タックルされた愛犬の心配をしなさい!!!

 ピットブル女は、わしを一ミリの躊躇もなく芝生から引きずり上げ、

「うちのピットブルと、あなたのパグ。どっちのヨダレが白濁しているか、今すぐビールを賭けてサシ飲み(安全協議会)しましょう!」

 と、一ミリの出口もないクレイジーな逆ナンパをブチかましおったんじゃ。

 それが、わしとピットブル女の「施工初日(出会い)」じゃった。

「あの時の係長のタックル、平和島の第1マークより鋭かったですよ」

 河川敷で、ピットブル女が笑いながらビールを開けた。

「知っとる。わしはいつでも、1マークを内から刺す漢じゃからな」

 おっさんが「女監督官、お前も渡邉選手の舟券を、一気に盛り合わせなさい!」とギャンブル勧誘をブチかまし、三郎パグ重戦車ピットブルが、河川敷で白濁したヨダレをドロドロに合体させて、芝生をハツり合っとる。

 わしは一人、秋の夕空を見上げ、聖水ビールを喉の奥底に流し込んだ。

 出会いはバイオ事故。だが今は、最高の不純物(仲間)じゃ。

 岡山の秋空の下、わしたちのクレイジーな友情は、一ミリの狂いもなく熱く竣工されとる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ