表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
やったぜ。(完全版)  作者: 水前寺鯉太郎
やったぜ。11―係長になったぜ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

94/100

第94話

投稿者:係長のわし 2027年9月25日

 やったぜ。

 嘘じゃ。一ミリの「やったぜ」もない。

 台風というのは、一ミリの猶予もなく進路を曲げて直撃する。

 金曜の夜、23時を回った頃。わしのアパートのインターホンが、突如として緊急警報(連打)を鳴らしおった。

 ドアを開けると、そこには山口の田村(26歳、178cmの細身フレーム)が、一ミリの隙もない狂気を瞳に宿して立っとった。

 腕には、山口で発注(購入)した仔パグの「ハツリ」がホールドされとる!

「係長! 山口のパグ(ハツリ)が、一ミリの猶予もない猛スピードで部屋を高速旋回ターンし、わしの理性が完全システムダウン(崩壊)しました! 岡山に緊急避難(搬入)させてください!」

 田村のやつ、深夜に山口から山陽道を三時間、仔パグを助手席にマウントしてブッ飛ばしてきおったわ! 一ミリの合理性もない深夜のバイオハザードじゃ!

「田村! 深夜に仔パグを抱えて他県へ不法投棄(来襲)するな! 係長の命令じゃ!」

 わしが80kgのトルクで押し返そうとした瞬間、田村の腕から仔パグのハツリがパージ(射出)され、リビングへドバーっと突入しおった!

 リビングには既に、おっさん(アルバイト)、兄ちゃん、金髪、そして最近主機が完全にパグのチップに侵食されているハゲ(元課長)が、缶ビール(聖水)を開けて待機しとった。

 そこへ仔パグのハツリと、岡山の三郎パグが、一ミリの狂いもなくエンカウント(遭遇)したんじゃ。

 岡山の巨星・三郎と、山口の新星・ハツリ。

 二匹は無言で見つめ合い、次の瞬間、一ミリの猶予もない「他種族合同・超高速モンキーターン」をリビングで同時着工しおった!

「ぶひぶひぶひぶひぶひぃーーーー!!!」

 リビングが白濁したようなヨダレと、高速回転する肉塊によって、一気に重機演習場へと竣工(変貌)していく! 畳が、い草が、一ミリの隙もなくハツリ倒されて宙を舞う!

 このクレイジーな光景をスキャンしたおっさんが、ビール片手に咆哮しおった。

「田村! お前も女子レーサー渡邉の全通(全国追っかけ)に、一気に盛り合わせ(エントリー)なさい! このパグの旋回、平和島の第1ターンマークそのものじゃ!」

 おっさん、深夜のパグ大乱闘をスキャンして、一ミリの躊躇もなく競艇の出走表(予想)を組み始めおった! 62歳のアルバイト、一ミリもブレてないわ!

 さらに、ハゲが涙でドロドロになりながら二匹のパグの間に割って入り、

「山口のヨダレと、岡山のヨダレの、ハイブリッド・ミキシング(配合)……! あぁ~~たまらねえぜ! わしのハゲ頭を、一気に両県合同で高圧洗浄しなさい!」

 と、一ミリの生産性もないバイオテロ(頭皮露出)をブチかましおった!

 わしはハゲの頭(反射材)をホールドし、田村の背負ってきたリュックサックを重しにして、一気に部屋の隅へパージ(ぶん投げる)しておいたわ!

 深夜二時。

 大人五人と犬六匹、そして仔パグ一匹が、湿気とヨダレとアルコールでドロドロになりながら、岡山の静かな夜に「やったぜ」と咆哮し続けた。

 わしは一人、冷めたローソンの唐揚げを喉の奥底へ流し込み、ソファで折り重なって寝ている三郎とハツリを見つめた。

 三郎はハツリの顔の上に自分の腹を打設マウントし、ハツリは三郎の尻尾を一ミリの隙もなくホールドしとる。

「三郎。山口の出張所、完全竣工(合体)じゃな」

 ぶひ。

「『これで中国地方のハツリ工事は掌握した』か。お前、でーれー大物フィクサーじゃのう!」

 ぶひぶひ。

 深夜の山口からの不純物搬入。

 わしたちのクレイジーな工区は、一ミリの狂いもなく拡大オーバーヒートしとるわ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ