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やったぜ。(完全版)  作者: 水前寺鯉太郎
やったぜ。11―係長になったぜ

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90/100

第90話

投稿者:係長のわし 2027年8月10日

 やったぜ。

 今度こそ、嘘偽りのない、純度100%の「やったぜ」じゃ!

 2027年8月。超高層ビルの第一期工区を竣工クリアさせたおっさんと兄ちゃんが、一ミリの予告もなく岡山駅のホームに再搬入(帰還)されおった!

 新幹線のドアが開いた瞬間、わしと金髪、そして最近主機(脳)が完全にパグ化しているハゲ(元課長)の三人が、一ミリの猶予もなく改札口へとスクランブル(突撃)した。

 改札を抜けてきたおっさんは、相変わらずヘルメットの跡がついたままのハゲ頭を光らせ、兄ちゃんは日焼けして黒光りしとる。日本の空をハツリ倒した漢たちの面構えじゃ!

「おっさん! 兄ちゃん! よく帰ってきたな!」

 金髪が咆哮し、わしも胸が熱くなって、一ミリの隙もない「漢の抱擁ハグ」をブチかまそうとした。その時じゃ。

 おっさんが、わしのホールドを一ミリの力学でパージ(回避)し、開口一番に言いおった。

「係長。それより、女子レーサー渡邉の優勝戦があるんじゃ。一気に平和島(競艇場)の動画をスキャン(再生)しなさい」

 岡山の改札口で、再会の感動を一ミリの猶予もなくハツリ倒し、脳内の競艇プログラムを強制起動しおった! 62歳の主機、一ミリもブレてないわ!

「おっさん、感動の再会じゃろが! 競艇はあとじゃ、まずはアパートへ直行(搬入)しなさい!」

 それからはもうめちゃくちゃじゃ。

 アパートのドアを開けた瞬間、部屋の隅で一ヶ月間石化フリーズしていた太郎、次郎、三郎の「三連・自走式重機」が、一ミリの隙もないシステム再起動をブチかましおった!

 太郎が兄ちゃんの首元に鼻をめり込ませ、次郎がおっさんの足首をホールドし、三郎パグがおっさんのハゲ頭に白濁したようなヨダレをドバーっと圧入(舐める)しよる!

 おっさんのハゲ頭を磨いていたハゲ(元課長)が、白濁したような瞳で、

「おっさんさんのハゲ頭と、三郎さんのヨダレのミキシング(配合)……あぁ~~たまらねえぜ!」

 と叫びおった。ハゲ、お前はもう自分のことを完全にパグの一味だと思っとるな!

 そのまま、一味全員で6匹の犬を連れて、岡山の夕暮れへ「メガ・合同散歩工事」に突入した。

 おっさんと兄ちゃんが戻ったことで、犬たちのトルクが限界を突破しとる。6匹のリードがドロドロに絡まり合い、わしたち5人の大人が一ミリの出口もないほど犬に引きずられ、岡山のコンクリートを肉球でハツリ歩いたわ!

 散歩の帰り、わしはおっさんと兄ちゃんの横顔をスキャンした。

 日本の巨塔をハツってきた男たちが、犬のヨダレにまみれて笑っとる。

 わしは一人、ローソンの灯りへ、全員の無事な帰還を祝うための聖水ビールをドバーっと買いに走った。

 アパートに戻ると、三郎がおっさんの膝の上でひっくり返って寝とる。

 一ヶ月の石化が、嘘のようにハツリ落とされて、いつもの岡山の夜が竣工しとるわ。

「三郎。おっさんが帰ってきたぜ。感想はどうじゃ」

 ぶひ。

「『イン逃げ一択、無事着工』か。お前もおっさんに毒されとるな!」

 ぶひぶひ。

 巨塔の空から、岡山の泥くさい地面へ。

 わしたちのクレイジーな日常が、一ミリの狂いもなく完全復旧されたわ。

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