第089話 友人対決
誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。
よければ、評価とブクマ等していただければ幸いです。
「これより、部活動対抗戦を再開致します。尚、ただいま流れました音声に関してましては、審議した後に厳正な対処をしますのでそれまで外部に漏らすことがないように。」
生徒達には口止めと言うことか。
そんな程度の口約束で生徒達が守るとは思えないけれど、
釘を刺しておくに越したことはない。
恐らく、外部に漏らした生徒にも発見次第厳しい罰則を与えるだろう。
まぁ、大半の生徒は気にも掛けていない。
それ程、誰も近寄りたがらない生徒だったからな。
身内で話すことはあるかも知れないが、大々的に触れ回る奴は何処にも。
結局、ここから先は教師陣の判断に委ねられる。
もしかすると、退学の方向へ動くように糸井先輩が何かするって事も考えられる。
普通の生徒なら不可能だが、それをやり遂げる実力が彼にはあるからな。
「考えるのは止めだ。次の試合に専念しよう。」
次の試合はもうすぐ始まる。
時間短縮の為にテンポ良く試合が行われるらしいので、ゆっくりしている暇はないようだな。
盛り上がりは変わらず。
あの放送が無かったかのようだ。
彼等は居ても居なくてもどちらでも良かった生徒だったということか。
試合は淡々と進み、俺達は決勝まで勝ち進んだ。
他の部活の生徒も強かったが、華に一撃を入れる前に俺の攻撃が先に当たるからな。
準決まで勝ち上がった相手も強かったけれど、例外ではなかった。
ここまで快勝してしまえば、決勝も楽だろうな。
「やっぱり、勝ち上がったのは君達だったみたいだね。」
そう言えばいるのを忘れていた。
完璧という言葉を体で表した男が一人。
その強さは凛にも匹敵するほどだ。
武術の心得があると言っていたが、本当にそれだけなのか疑問に思う。
「随分と余裕そうだな、音無。」
「そうでもないさ、僕が勝負をパーフェクトに進めている間、君達は別の事と戦っていたみたいだからね。」
「俺達じゃない、イジメを許せない正義感の強い一人だ。」
「成程。大方、今ので予測はついたよ。それでも君達から、いや、君からは特別な何かを感じるからな。僕は君を高く評価しているよ。では、グッバイ。」
試合前の軽い挨拶のとして捉えるには、個性の強過ぎるな。
そもそも、もっと試合のことについて話せよ。
俺が変に気に入られただけじゃねーか。
味方にいれば、心強くはあるが距離感を測りかねるな。
「どうする?あの人結構出来るよ。」
「そんなのは分かってるけど、どうしようもないだろ。音無が騎士役の可能性が高いから、俺が意地でも止める。」
「止めるって言っても、陽太が十人いても止められないって。」
俺が十人いても勝てないってどれだけ実力差があるんだよ。
人かどうかも怪しいレベルだな。
「それでは大盛り上がりの決勝戦を開始したいと思います!まずは、凶暴な女と噂の薔薇姫とある意味近寄りたくない男のコンビ、恋愛支援部ー!」
どんな紹介文だよ。
悪意あり過ぎるだろ。
分かりやすく悪役がいた方が応援しやすくて、盛り上がれるからこんな紹介文なんだろうけど。
理解は出来るけど、納得は出来ないとはまさにこのこと。
「そして、お次は我が校の期待の新星と彼女持ちなのが惜しいイケメン男のコンビ、サッカー部!」
静かだった会場が一気に歓声に包まれた。
高感度には天と地の差があるようだ。
応援されないのは辛くないが、このアウェーの空気を味わいながら戦う事が辛い。
いや、いつものことと思えばそうなのだけど。
「まさか、今更怖気付いてるの?」
「おいおい、俺は嫌われて生きて来た男だぞ。」
「アタシが最近読んだのは下克上物の漫画だったから、今最高に燃えてるんだよね。」
「それってジャンルはれ、ウゴッ!」
無理矢理手を当てて黙らせて来た。
どうしてこうも恋愛支援部の女子は、黙らせ方が強引なんだろうか。
もっと唇に人差し指を当ててシーッとかやれば、可愛げあるだろうに。
まぁ、可愛くやられたらやられたで俺が挙動不審になって終わりだけど。
「勝利の女神はどちらに微笑むのか。両者位置について、・・・始め!」
って、騎士役は音無ではないのかよ。
「その顔、意外だと思ってる顔だな陽太!」
まずは互いに距離を測る。
間合いには絶対に入らないよう最善の注意を払いながら移動する。
「真が騎士役とはな。お前には大事な姫がいるのに、他の姫作って良いのか?」
「人の彼女をホストの貢いでる人みたいに言うなよ。」
そうじゃないんだけど、ツッコミを違うと指摘される程恥ずかしいことはないので、とりあえず流しておこう。
肝心の姫役二人は仁王立ちでこちらの戦いを見ている。
二人が動き出せば戦況は変わるかも知れないが、変わった所で膠着状態からは抜け出せないだろう。
「こっちの相手は終わりにするか。」
睨み合いをしていても埒が開かないので、俺から仕掛ける。
仁王立ちしているはずなのに一切の隙が見当たらず、近付けば動きを封じられる未来しか見えないけどな。
「行かせないって陽太。いつもいつもお前ばっかり目立ちやがって!親友だからこの際ハッキリと言ってやろう。羨ましい!」
「さっきの紹介文聞いてどこが羨ましいのか言ってみろ色男。」
「あんなのはな、お前の事を知らない奴らの戯言だ!見てみろ、お前の周りには気付けば沢山の人がいる。」
拮抗したまま睨み合いが続く。
どうにかして、この短剣からの攻撃を崩さないといけない。
話術で相手の脳のリソースを割かせつつ、こちらも作戦を練らなければならないので、脳はパンク寸前。
「お前の方が友達多いだろ!」
棒のリーチの長さを生かし、相手に間合いに入れさせない動きにシフトチェンジ。
突きを乱用するので動きは単調になるが、簡単には近付いて来れないはずだ。
「おいおい、この俺を誰だと思ってるんだ。藍連一のドリブラーだぞ!」
そこは県内とか世界とかもっと大きく出ても良かっただろ。
そんなことより、華麗なステップで突きを交わして懐に入ってくる。
短剣を使っている事から最初からインファイトを望んでいるのは知っていたが、ここまで簡単に懐へ入るとは。
「俺等でやり合っても意味ないのによッ!」
棒を真ん中で待って近距離に対応する。
それでも扱いづらさがあるので、防戦一方だ。
「どっちか限界が来るまで戦ってニ対一作った方の勝ちだな!」
そんなのが上手くいくはずがない。
もしも、俺が倒れているとしたら真も相当に体力を削られているだろう。
その状態で二対一を仕掛けた所で華に秒殺される未来しか見えない。
こんな簡単な隙のある作戦を音無が考えるはずもないので、恐らく真自身が考えた作戦だろう。
それなら、勝てる希望はまだある。
「作戦変更だな。」
真ん中で持っていた棒をモリで突くように離す。
これなら近距離からでも攻撃が出来る。
俺の機転の効いた攻撃を予測できなかったらしく、真の腹に直撃。
悪いが俺も勝ちに行ってるので、いくら親友とはいえ手加減はしてやらない。
真も同じ気持ちだろうから、寧ろ手加減するのは失礼に値する。
「すぐ蹴りつけるぞ。三十秒もしない内に真が追いついてくる。」
「ちゃんと付いて来れるよね?」
そのまま飛び出して行く華。
本当は戦いたくてうずうずしていたのかも。
って、ちょっと待てよ!二人で戦う話はどこに!
ご覧いただきありがとうございました!
宜しければブックマーク、いいねお願いいたします。
毎日22時から23時半投稿予定!




