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そのお悩み、”恋愛支援部”が解決します  作者: 風野唄


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第124話 スタートタグ

誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。

よければ、評価とブクマ等していただければ幸いです。

バラバラに散ったのを三人で追いかける。

俺が追いかけているのは天竹だ。

最初に学生証を持っていたのはコイツだからな。

そのまま持って逃げていると思って選んだ。

今回は殴り合いの腕など全く関係なく、純粋な足の速さが物を言うはず。

それなら、俺にだって活躍出来るだろう。


そう思いながら走っているが一向に距離が縮まらない。

追い付きそうになるとすぐに脇道に入られて逃げられる。

最初からこの周辺の地図を頭に入れていたのでは無いかと疑いたくなるほど、正確なマッピング能力だ。


「・・・クソッ。これじゃあ、いくら走っても体力を使うだけだ。もっと賢くやらないと。」


「もう終わりか?最近トレーニングを始めたみたいだが所詮付け焼き刃だな。」


走るのを止めるとそれに合わせて天竹も走るのを止めた。

そして、走り込みが無意味だと挑発してくる。

なんで俺が走り込みをしているのを知ってるんだよ気持ち悪いな。

まるで常に監視されているようで気分は良く無い。


「お前が追い掛けて来ないのなら俺は先へ行くぞ。」


「ちょっとは人生の先輩に敬意を払ったらどうだ。お前も歳取った時に後悔するぞ。」


「俺が敬意を払うのは鬼龍院と姉御だけだ。決してお前じゃない。」


「あぁ、そうかよ!」


喋る事に集中している今を狙って強引に捕まえに行く。

ひらりと避けられてしまった。

俺の渾身の作戦がと悔しがっていたが、近付いたからこそ気付いた事がある。

耳に小型のイヤホンみたいなのが付いていた。


これで全員が情報を共有しているのか。

五人で喋ったら情報が錯綜してしまうだろ。

誰か一人が代表して喋るならまだしも。

いや、そう言えば一人だけ情報屋を語る奴がいたな。

街の構造を見ながら、リアルタイムで作戦を共有しているのはそいつの可能性が高い。

なら、情報屋を探し出すのが優先事項だ。


「チッ、気付いたか。」


「おい、邪魔するな。お前、触られたら終わりなんだろ。」


「触らないように邪魔する事ぐらい簡単だ。」


これは挑発などではなく、事実を述べているのだろう。

さっきも不意打ちですらまともに決まらなかったし。


「地図を見るならパソコンか携帯は使ってるだろうな。どっちにしろ、動きながら脳を使って考え、指示を出すのは難しい。いるなら、まだ情報屋はスタート地点付近だ。」


「随分と頭が働く奴だ。だけど、これ以上は動けないだろ?」


俺の考えを肯定するような発言だ。

しかし、まずはこの状況をどうにかしないと話が進まない。

お互いに一定の距離を保ったまま時間だけが過ぎて行く。

この様子からして、まだ一人も捕まっていないだろう。

制限時間など設けていない分、永遠にこの鬼ごっこをする可能性に恐怖する。


せめて、この段階で一人確保したいのだけど。


「待って!!!そっちは危ない!!」


この静寂を切り裂くような叫び声。

俺も天竹は勿論、全員が視線をそこへ集めた。

小さな男の子が道路へ飛び出してしまっている。

こんなくだらない勝負よりも先に子供を助けないと。


向こうから車が来ているのを見かけて急ぐが、俺じゃ間に合わない。

それでも必死に足を動かしていた。

すると、俺よりも圧倒的に素早い動きで男の子を抱き抱える天竹。

無事に車とも衝突せずに済んだ。


この善行を見て周りからは拍手が巻き起こったが、顔色一つ変えないで子供を母親の元へと返した。

まさか、天竹がこんな行動をするとはな。

流石の天竹も人間の心を持っていたのか、それともあの事がキッカケで心を入れ替えたのか。

今の行動が偶々でないのだとすると、最近聞く噂はあながち嘘ではないのかも知れない。


「お前良い奴だな。」


「・・・偶々だ。近くにいたから仕方なく。後で恨まれても敵わないからな。」


「素直じゃないんだな。」


「チッ、そんな変な顔で見るな。」


え?全然普通の顔してましたけど。

失礼にも程があるでしょ。

今は気が緩んでいるようなので、走って天竹を振り切る。

その後を追いかけてくる天竹。

これじゃあ、どっちが鬼なのか分からないな。


スタート地点に戻って来た俺は隠れられそうな場所を探す。

手当たり次第に見ていくと公園の遊具の中に隠れている奴がいた。

子供達が興味深々に見ている。

意外と子供からも好かれるタイプなんだな情報屋ってと感心しながらも、逃げられる前に捕まえておく。


「ケケケ、バレてしまったみたいだ。僕の予想だと後一時間近くは見つからない計算だったんだけどね。」


「どれだけ自信あったんだよ。」


「僕の技能を最高に活かせるって証明したかったのさ。」


少しだけコイツと話してみる事にした。

最近起こっている蛇龍門の変化。

それを探る事が出来るかも知れない。


「情報屋を名乗るなら蛇龍門がどんな組織か知ってるんだろ。」


「フフフ、それは勿論。ありとあらゆる悪行に手を染めて、街を歩けば人に恐れられるような集団だった話だね。」


「それなら何で蛇龍門に入った。正直アンタがそんな柄には見えないけどな。」


「僕がこの目で見たのは、学校の底辺で酷い虐めを受けていた僕を闇から救いだしてくれた鬼龍院さんだ。それが新たな闇への誘いだったとしても喜んで受けるね。」


「救世主だったと言う訳か。それが俺達だったら未来は変わっていたか。」


「チチチッ!もしもの話は無いんだよ。今ある世界がリアルだ。」


まさかそんな話が隠されていたとは。

鬼龍院は慈善家として心を入れ替えたのか。

いや、そんなはずはない。

こんなにも急に善行を行えるのであれば、今までの悪行はなんだったのだ。

それに苦しんだ人々の思いはどうなる。


だから、俺達と蛇龍門の関係はこのままで良い。

互いに許し合う事なく睨み合って一生を遂げるのだ。


「しかし、君達はすごいね。僕が捕まったというのはあるかも知れないが、鬼龍院さんと深澤も捕まったみたいだ。」


どうやら凛と華も無事に一人ずつ捕まえたみたいだ。

華は捕まえるだろうと思ったが、まさか凛まで捕まえてくるとは。

一番運動面では心配だと思っていたが、凛も成長を重ねているという事だな。


さて、残るは天竹と無口ちゃん。

どちらかが持っているのは確実だが、無口ちゃんの方は見かけてすらいない。

得意分野が潜入や尾行ってだけあるな。


このままでは埒が明かないので、見つけやすい天竹を無視して無口ちゃんから探し始める事に。

二人にもその事を伝えて全員で一斉捜査だ。

施設内や路地裏、公園など思い当たる場所は全て探した。


しかし、全く手応えがない。

それらしき人物に一度も会えないのだ。

探し方を変えて、全員で集まって一緒に探す事に。


「そっちはいた?こっちは全然いないけど。」


「こっちもダメ。全く見当たらない。」


「本当にいるのかな。嘘付いてるだけなんじゃ。」


その可能性もあるけど、それをして何の意味があるのか。

諦めて公園に戻ろうとした時、華がすれ違った男をずっと眺めている。

顔がタイプだったのかと言おうとしたが、目付きが鋭くてやめた。

これは真剣な時の顔だ。


「アンタが無口ちゃんでしょ。」


遂に華はその男の肩を叩く。


「何のことですか。やめてください。」


この人はどうやら無口ちゃんではないようだ。

しっかり喋っているからな。

それに身長だって五センチくらい高いし。


「匂いだけは誤魔化せないから。」


それでも話し続ける華どうやら確信があるらしい。

ずっと無言で見続ける華に諦めたのか両手を上げて降参する男。

そして、自分の顔をペリペリと剥がすと先程の無口ちゃんの顔があった。


・・・おい、どこの怪盗だよお前。

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毎日22時から23時半投稿予定!

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