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そのお悩み、”恋愛支援部”が解決します  作者: 風野唄


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第116話 君達へ僕から

誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。

よければ、評価とブクマ等していただければ幸いです。

「おはよう。」


寝癖の付いた髪を気にしながら起きてくる凛。

俺は勿論、二人よりも早く起きている。

決して、寝顔が見たかったとかそういうやましい感情ではないと誓う。

ただ、俺が二人よりも後に起きるのは何となくまずい気がして。


「めっちゃ眠いけど、陽太くんは早起きなんだね。」


「俺、枕が違うと寝られないんだよ。」


これの真偽は確かではないけれど、眠りが浅かったのは事実。


さて、最後まで起きてこないのは華だな。

寝相はかなり良い。

一切、その場から動くことはない。


そろそろ朝食の時間なので、凛音が起こすために体を揺するが眠ったまま。

このまま朝食を逃す訳にはいかないので、とりあえず声は掛けておく。

放置はしていないという事実が必要だからな。


「俺達朝食食べに行くぞ。華だけコンビニの飯とかになっても知らないぞ。」


って、これでは起きない事を知っているんだけど。

凛も何か食べたくなっているだろうし、さっさと行くか。


「うぅーん、・・・アタシも食べに行く。」


マジかよ。

ぐっすり眠っていて何をしても起きなかったはずなのに、ご飯の話しただけでこの反応。

最近、食いしん坊キャラに拍車が掛かって来たな。

それで良いのかと思うけど、本当の自分が出せているという事かも知れない。


「朝食何?」


「和食らしいけど、朝食は夜と違って食堂に行かないと行けないぞ。」


「ん、すぐ準備する。」


言葉通り三分もしないうちに準備を済ませて来た。

ギリギリまで寝ていた割に起きてからテキパキと動くんだな。

俺なら眠たくて今の凛の様に当分はダラダラと動いてしまう。


食堂に着くとセルフで料理を取っていく。

作り置きなら冷めている料理を食べないといけないのか。


そう思いながらも、食堂を観察する。

理由は一つ。

昨日の見た人影が糸井先輩だったかを探る為。

身を隠している立場であるなら、わざわざ食堂に現れる事もないだろうが可能性としてゼロではない。


「どうしたのキョロキョロして。」


「ちゃんと席に着いてから話す。」


凛も俺が周囲を気にしている事に気付いて話し掛けてくるが、話は長くなるので席に着いてからゆっくり話そう。


「分かった。きっと何か進展があったって事だよね。」


察してくれた凛はそのまま朝食を取りに戻る。

結局、糸井先輩らしき人物は見つけられず、諦めて二人が待つテーブルへ。

既に食べ始めているものとばかり思っていたが、どうやら俺が来るまで待っていたらしい。

急に申し訳なくなり、遅れた分を取り戻せる訳でもないのに慌てて着席する。


「悪い悪い、いただきます。」


「「いただきます。」」


二人共すぐには箸に手を付けない。

何かを待っている様だ。


「先に言う事あるでしょ?」


「そうそう、こっちはそれを聞く為にご飯も食べずに待ってたんだよ?」


どうやら、俺の事を待っていたと言うよりも気になっていたから食べなかったのか。

そこは嘘でも俺を待っていたと言って欲しかった。


「昨日の夜に糸井先輩らしき人影を見たんだよ。」


「えっ!?本当?」


急展開な情報で周りに人がいる事も忘れて、大声で驚きながら立ち上がる凛。

ちょっとだけ時間を置いてから冷静になり恥ずかしくなったのか、無言のまま着席する。


「話を続けてよ。話それで終わりじゃないんでしょ?」


凛を庇ってなのか、本当に続きが気になるのか。

どちらにせよ、俺から話せる事は全部終わったんだけどな。

でも、これで終わるのは許されない雰囲気があるので振り絞って考える。


「時間帯は真夜中だったな。服は遠くて分からなかったけど、白いtシャツに黒のズボンだったと思うな。」


「服なんて着替えるから何の情報にもならないでしょ。」


「頑張って振り返ってんだよ。俺だってあまりに急な事だったし。あ、急といえば最後急に姿を消したんだよな。だから、あれが糸井先輩だったか確証がないんだよ。」


「消えた?そんな事あり得なくない?」


俺だってあり得ないと思う。

そんな幽霊じゃあるまいし。

どんなトリックを使ったのかはさて置き、もしも俺らに気付いて逃げたのなら見つけ出して問い詰めるべきだ。

だって、逃げる必要はないだろ。


「この旅館の人に泊まっているかどうか聞こうと思ったけど、流石に顧客の情報は教えてくれないかな。」


「まぁ、そうだろうな。ただ、可能性としてあり得る手段なら。」


「また良からぬ方法じゃないよね。」


「それはどうだろうな。さて、この辺でスーツ借りれそうな所あるか。」


俺は作戦決行の為に街へ行きスーツを探す。

写真スタジオがあって、スーツのレンタルもやっていたのが不幸中の幸いだ。

後は戻って受付で軽くやりとりをするのみ。


作戦の内容を聞いた二人は上手くいくか不安そうな顔をしていたが、八割程度は成功するだろうと踏んでいる。


「忙しい所すみません、七瀬財閥の者です。人を探しているのですが、糸井という者は宿泊していますか。」


「・・・お客様の情報はお渡し出来ない決まりになっておりますので。」


「七瀬様のお嬢様が失踪した話は知っていると思います。その者を探しているんですよ。これ以上の説明は必要ですか。」


顔を知っている昨日の人が受付では無くて助かった。

これで、恐らくは情報を出してくる。

俺がパンフレットを読む人間だったから思い付いた作戦だ。


この旅館は何故経営が続いているのかというと七瀬財閥の支援を受けているからである。

つまりは、頭が上がらない存在と言うわけだ。

そこの娘を連れ回す様な男がいるとすると、立場上匿うことは出来ない。


「四二号室に糸井様が宿泊されています。決して、乱暴をされない様お願い致します。」


客を売ってしまったせめてもの償いか。

そう言うことを日常的に行なっていると言う可能性もあるな。


「アンタ、ちょっとやり過ぎじゃない。」


最も過ぎる意見だ。

褒められたやり方でない事も理解している。

ただ、俺にはこの選択しか思い付かなかった。

華の様な逆境を跳ね除け力もないし、凛の様な真っ直ぐな心も待ち合わせていない。


「場所は分かったし、行こう。」


この空気から逃げるように四二号室へ向かう。

糸井先輩は本当にいるのだろうか。

昨日の一件で逃げられてはいないだろうか。


チャイムを鳴らす。

何やら人が動く音は聞こえるな。

つまり、糸井先輩は中にいると言うことか。


「意外と早く辿り着いたね。」


扉を開けながら見つけ出した俺達を賞賛する。

決して、避けている訳で無かったみたいだな。

どうやってここまで来るのか、その速さで俺達の成長具合を試していたようだ。


「見つけたからには全部話して貰いますよ。何があって、何をしようとしているのか。」


「そうだね。君達にはちゃんと話しておくべきだった。」


「らしくないですよ、糸井先輩が行動することを優先するなんて。」


「恋愛支援部へ糸井栄二としての相談だ。好きな女性が困っている一緒に助けてくれないか。」


ここで明かされる七瀬先輩への恋心。

そして、後輩への相談。

どこまでが彼の計算に入っているのか。


「勿論です。ウチらだってやれば出来るんですから。」


「そうね。糸井先輩に頼られるなんてそうそうないから。」


「返事は聞かなくても分かりますよね糸井先輩。」


始めよう。出張部活動の時間だ。

ご覧いただきありがとうございました!

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毎日22時から23時半投稿予定!

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