第115話 普段とは違う瞬間
誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。
よければ、評価とブクマ等していただければ幸いです。
部屋に案内されると思っていたより広い部屋に通された。
その分、値段もそこそこしたけど三人で割ればどうにかなる値段だ。
助かったことと言えばベッドがダブルとシングルがあった事。
女子同士で寝てもらえば、俺は寝不足になることはないだろう。
「見てみてー!ここから街全体を見渡せるよ。」
旅館の二階からは所々明かりの漏れる街が見渡せる。
朝になったらもっと綺麗に見えるかもな。
それより今はお腹が空いて来た。
夕食の用意をフロントにお願いして、しばらく待つ。
今日は突発的に来たにしては、良い情報を入手出来たんじゃないかと思う。
俺の中では門前払いに合う可能性も十分に考えていたからな。
ただ問題なのは、そもそも先輩二人があの場にいなかった事とお見合い相手が気持ち悪い奴だった事、極めつけが父親から娘に対する愛情が感じられない事。
最初からそうだったのかは分からないけれど、今の七瀬先輩にとっては好ましくない相手だろう。
そう言えば、母親らしき人には会わなかったな。
たまたまいなかっただけなのか、あの父親に愛想を尽かして逃げて行ったのか。
「失礼します。お食事をお運びいたしました。」
色々と考えている間に料理が次々と運ばれて来た。
旅館の料理を食べる機会は滅多に無いが、これだけの量が目の前に並ぶとやはり感動的な何かを感じる。
「すごーい!これは芸術すら感じる美しさだよ。」
「こんなに美味しそうなのが沢山。早く食べよう。」
「二人共限界そうだし、さっさと食べるか。」
「もうここに来てから何回お腹が鳴った事か。」
「分かった分かった、そんなに急かさなくても良いだろ。じゃあ、いただきます。」
「「いただきまーす。」」
行儀良く挨拶をしてから各々気になっていたであろうメニューを食べ始める。
ちなみに俺は、刺身に手を付けた。
一秒でも時間が経過すると新鮮さが消えていく様な感じがしたから。
これが美味すぎて無言で食べてしまう。
次々に料理を食べ進めて、気付けば綺麗な皿だけが残っていた。
二人もご馳走を食べれたので、満足そうな顔だ。
特に最後のデザートとして運ばれて来たシャーベットは、頬が蕩け落ちそうな程の味だったな。
「料理すごい美味しかったねー。普段は食べられないこそ、記憶に残るよねあの料理は。」
「本当凛の言う通り。アタシ、あれの話一ヶ月後もしてる。」
「それは流石に長すぎだろって言いたいけど、あながち嘘ではないよな。」
さて、お腹を満たされたので温泉にでも入るか。
俺は必要最低限の着替えしか持って来ていないので、アメニティを活用させてもらうしかない。
大浴場に行って、備え付けのシャンプーとボディーソープがあるかが問題だな。
「俺は温泉入ってくる。」
「いってらっしゃい。アタシ達もすぐ入りに行くけど、女子風呂覗くなよ。」
「アホか。俺は修学旅行生じゃないっての。」
大浴場へ行くとこの時間なのにそこそこ人がいる。
もう温泉が一度閉まる時間前だから慌てて入りに来たのだろうか。
折角、旅館に来たのなら温泉に入りたいって気持ちも分かる。
俺もそう思ってここに来たのだから。
どうやらシャンプー等も貸し出してくれるらしく、何も用意していない俺でも楽しめるように配慮されている。
体と髪を一通り洗い流したので、早速温泉に浸かりに。
他に人がいるので独り言すら言えない状況で、黙って湯船に浸かる。
「あぁーー。」
俺の意思とは無関係に、疲れが抜け出ていくような声が漏れ出る。
何時間でも入っていられそうな程快適だけど、あまり入り過ぎるとのぼせてしまいそうなので上がった。
髪を乾かした後、旅館に設置されている自販機に向かいコーヒー牛乳を胃に流し込む。
甘ったるいはずなのに、こう言う場合に飲んだらゴクゴク飲める。
さて、十分に心身共に休憩出来たので、後は明日のことを真剣に話し合おう。
部屋に戻ってから、二人が戻ってくるのを待つ。
女子は長風呂って聞くので長時間待つ覚悟ではいる。
ベッドにダイブすると眠気が襲ってそうなので、正座の格好で待機しておこう。
これでもまだ眠気が襲って来ているけど。
「お待たせー。」
「ごめんごめん。今から明日の事について話すよね?」
「一応、そのつもりだな。でも、そんなに長い事話す訳じゃないから問題ない。」
二人が十分も経たないうちに戻って来てくれて助かった。
後少しで瞼は完全に閉じ切る所だったからな。
それにしても話合いに集中出来なそうな要素が一つだけある。
目の前の二人だ。
風呂上がりってこともあって、何故だからいつもより艶めかしい感じがする。
俺が変に意識してしまってるからなのだろうか。
そうだしたら一刻も早く意識を切り替えないと身が持たない。
「明日って二人を探す所までは分かってるんだけど、具体的にどうする。」
華が話合いを始めてくれて助かった。
今はその事だけに集中しておけば良い。
「捜索範囲については可能性を考えると無限に広げれるな。家の人達もあれだけ探して見つからないと、この街にはいないのか?」
「そうだったらまずいよね。車とかあるなら別だけど、自分の足か公共交通機関しか使えないウチらは捜索範囲を狭めないと。」
「誰か目撃している人はいないのかな。」
「いや、それもないだろ。もしも、二人が動き出すなら夜中にこっそり移動を始めると思う。」
「ならさ、屋敷の中の人に協力者がいるんじゃない?夜中に動くって言っても簡単には行かないだろうし。」
協力者の可能性。
糸井先輩と七瀬先輩だけでも全てどうにかなりそうと言う先入観で可能性を排除していたが、それは有り得そうだな。
でも、もしそうだったとして二日連続で七瀬邸に通うのは何か怪しまれる可能性がある。
出来れば、偶然を装って遭遇したい所。
「とりあえず、捜索範囲をこの街に絞って行こう。それでも見つからないなら。七瀬邸を見張る。コソコソ動いてる奴がいれば、協力者かも知れないからな。」
「じゃあ、とりあえずその方向で。」
「うん、分かった。」
話合いが終わるとみんな軽く寝る準備をしてベッドに入る。
横でイチャイチャしている声が聞こえるが、脳からシャットアウトしよう。
・・・寝れないよなー。こんな状況じゃ寝れないよな。
ちょっと散歩がてらに館内を歩いて見るか。
部屋の鍵を持ち、誰にも気付かれないようこっそりと出る。
売店もこの時間は空いてないし、自販機ぐらいだよな光があるのは。
一応、フロントにも人はいるが俺の事を怪しい奴みたいな目で見てる。
この時間に起きてるから変だとは思うかも知れないけど、偶にはいるだろそんな奴も。
さて、散歩も終わった事だし、部屋に戻って寝るとしよう。
そう思いながら部屋に戻る最中、ある人物を見掛けた。
あの後ろ姿は間違いなく糸井先輩じゃないか。
角を曲がってしまったので、慌てて追い掛けた。
「待ってくださ・・・い。あれ、確かにいたはずなのに。」
先程まで確かにそこにあった人影は綺麗さっぱり消えていた。
見間違いかとも一瞬思ったがあの後ろ姿を見間違えるはずがない。
確信を持ってあれは糸井先輩だと言える。
華と凛は眠ってしまっているので、今すぐ共有は出来ないが明日の朝食で伝えよう。
明日は確実に何かが進展しそうだ。
ご覧いただきありがとうございました!
宜しければブックマーク、いいねお願いいたします。
毎日22時から23時半投稿予定!




