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人形怪奇  作者: 詞記ノ鬼士
第二章 呪いの人形
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010 嫌われ者の雪野、それでもしつこい蓮

雪野は人形をもっていつも通り学校へ登校する。

 はっきり言って一歩前に進むだけで酷くだるさがこみあげてくる。

 それだけ今日は学校へ行きたくなかった。

 なぜなら昨日……転校生の蓮になぜか友達になってよと声をかけられ、雪野が断ってもそいつはしつこく諦めない。そこからさらに話がややこしくなり、自分がどれほど周りから恐れられているか改めて思い知らされた……

そしてついに蓮には、雪野の噂を知られてしまったのだ……

 こうして雪野は保健室で休んだ。

 それが昨日起こった出来事で、今日はどうなるだろう?

 それが不安だった。

 雪野は学校に着き、教室へと向かう廊下を進む。

 自分を知るクラスメイト達は彼を見るなり、いつも以上に雪野を避けようとする。

 それもそのはず、昨日自分は言ってしまったのだ。

『僕に話しかけるだけで呪いがかかるかもしれないから!』

 そう余計な言葉を吐いた……

「はあ……」

 思い出し、さらに気持ちがだるくなった気がした。

 雪野が廊下を進んでいると、後ろから声がかかった。

「雪野くん、おはよう」

 雪野に話しかける人は少ない。

 彼は一瞬花子先生かと思ったが、声がどこか違ったのでその考えを打ち消した。

 なら、誰だろうと振り返ってみるとそこには蓮が立っていた。

「……」

 雪野はそのまま……蓮を無視して教室に入る。

 それに蓮は慌てた様子で駆け寄ってくるのだ。

「ちょっと、雪野くん。待ってよ。無視しないで」

 そう言われ、雪野は少し気にしながらも平然を装いながら、自分の席へと座り教科書などを机の中へと入れていく。

「ねえ、雪野くんってば。聞いてる?」

 雪野はその後、目の前で喋る蓮の方とは別の方向を向く。

 その目線の先には四人グループを作って固まる生徒がいて、その人たちと目があった。

しかし、それは雪野をまるで拒絶するようにかわされる。

「俺、雪野くんに話があるんだ」

 蓮は雪野がそっぽを向いた方へと場所を移動して、彼の視線へと入って来る。

 そして、雪野はすぐに蓮のいない方へと向き直す。

「昨日の事なんだけど」

 すると、蓮は雪野の視線を追うようにまた彼の視界へと入ってくる。

何度も何度も……何度も何度も何度も――――

「俺、雪野くんの……」

 放っておくとずっとこんな事が続きそうなので……もう、とりあえず面倒くさいので雪野はうんざりした様子で言葉を吐きだした!

「ああ、もう! まだ、僕と友達になりたいって言うつもりか。昨日の事忘れたのか、蓮くんは!」

「あ、やっと相手にしてくれた。あのね。その~、昨日の事についてなんだけど……」

 雪野は蓮の言葉をさえぎり自分の気持ちをしっかり伝えていく。

「昨日言ったよね。僕に近づかないほうがいいって」

「あの、雪野くん。俺の話しまず聞いてほしんだけど……」

 雪野はやはり蓮の言葉は無視で続ける。

「なのに、なんで僕に近づこうとするの?」

「あの、雪野くん……」

「友達になってくれそうな人、いっぱいるじゃん! なのに、なんで僕と友達になろうとしてくるの! 嫌がらせ?」

「だから、それは……」

「前に蓮くん言ったよね。友達まだ作れていないって。でも、友達って気づけばいつのまにかなっているらしいから、蓮くんにはすぐできるよ。僕以外でね。じゃあ、それじゃあ!」

 どこかで言われた言葉をそのまま吐いて雪野は蓮にそれ以上言葉を何も言わせないようにした。

そして言い終えた後も、そのまま自分に対する言動を一切遮断するように机に突っ伏して寝たふりをした。

「え、雪野くん。また無視? ていうか寝たふりしないで。俺の話しも聞いてよ」

 蓮はやはりしつこいが、もう何にが何でも無視だ。

「無視するなら、するでいいんだけどさあ。これだけは説明させてよ。俺がなぜ他の子ではなく雪野くんを友達にしたいのか」

 少し聞きたい気がする。なぜ蓮くんがしつこいくらいに自分にかまうのか?

「それはね……君がクラスの中で誰とも違う特殊な人間だからだよ。その人形も加えてね」

 その言葉に雪野は顔を上げた。

 こいつは今なんて言った? 

目の前にいるこの蓮という何でもできるくんは今、人形って……

「ねえ、どういう意味? それ……」

 キーンコーンカーンコーン

 チャイムが鳴りだし、辺りに響く。

「あ、チャイムなっちゃったね。それじゃあ話はまた後でって事で!」

 蓮はそう言って自分の席へ向かおうとする。

「ちょっと待ってよ」

「あ、一つ言っておくけど、俺と雪野くんは少し似ているかもしれないよ」

 蓮はそんな妙な言葉を吐いて席へとついた。

 いったいあいつは何なんだ……

 蓮は何者なんだ!

 雪野はますます蓮から頭が離れなくなり、彼と話せる機会を待ち続けた。

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