↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/47

第23章 ヴォルフガング、迷える子羊になる

 俺は悪魔に魅入られた哀れな子羊。


 検死のような罰当たりなことに加担してしまったために、悪魔に目をつけられてしまったんだ。


 黒い予言の悪魔を一階に引き摺り下ろしたあと、しばらく俺の魂は口から抜け出てしまっていた。

 

 正気に戻ったのは、ちょうどエリアスと悪魔がルーカスの亡くなった画材倉庫へと入ろうとしていた時だ。


 俺は一人になるのが、怖く――――


 いや、この悪魔を見張っていないと……と思い、途中まで二人についていった。


 だが、やはりルーカスの亡くなっていた現場には足を踏み入れられず、入り口近くで人が来ないか、見張りを……


 そう!

 

 見張りという大役をしていたのだ。


 二人で部屋で何か話した後、悪魔とエリアスは連れ立って外へ。


 俺は少し離れて二人についていく。


 外はさらに日が沈み、いわゆる逢魔が時――――――


 うろつき始めた魔物と逢うという時間。


 人と闇の境界さえ朧げになる。



 すると……

 

 回廊に灯された、吊り下げ式の油脂ランプまで来た時。



 俺は……



 何というものを見てしまったんだろう!!




 鬼火が――――




 あ、青紫の……


 悪魔の周りを青紫の鬼火が――――



 ふわふわと。



 そして、あろうことか、エリアスはうっとりとその鬼火に見入っている。


 まるで鬼火に魂を抜かれた人形のように。



 なんてことだ!



 なぜ、俺は気付かなかったんだ……!!



 エリアスは……




 エリアスは……




 エリアスは……





 とっくに悪魔に魂を売っていたんだ!!!!!





 俺は今にも叫びだしそうな口を押さえ、壁にもたれかかった。



 ショックで立っているのもやっとだ。



 思い返してみると、疑わしいところはあった。


 そもそも、ルーカスの検死に誘う悪魔に味方したのもエリアスだし、


 胸の大きな巨乳の悪魔、マリアちゃんを食い入るように見ていたのもエリアス。




 そして、今。




 闇の中で悪魔と共に、生贄の儀式をしている。



 見てみろ……悪魔が鬼火を操り、手を掲げると、バタバタと虫たちが落ちていく。


 

 死の生贄だ……




 俺は両の手で口を覆う。



 俺はなんてところに迷い込んでしまったのか……




 その時、俺は気がついた――――



 グンターが来たから、そのまま宿坊を出てきてしまった。



 俺の結界は完成していない……!



 魔除けの鍋を食べ損ねてしまった。



 額の汗が滴り落ちた。



 息が速くなる。



 だめだ! 気配を消さなくては!! 奴らに気づかれてしまう。



 だが、俺に勝算はあるのか!?



 俺以外、悪魔に魅入られてしまって、味方は誰もいない……



 そう、俺は、たった一人でこの難局を切り抜けなければならないのだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。