↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/66

04. 光の魔法の乙女の祈り〜あなたの色に染まりたい〜



 『光の魔法の乙女の祈り〜あなたの色に染まりたい〜』


 一度は耳にしたことがあるかもしれない、伝説級の乙女ゲームだ。

 俺も、かつてどっぷり沼ったファンの一人だった——


 タイトルが絶妙に野暮ったく、やたらと“の”がつくせいで、ファンの間では親しみを込めて“ののの”の愛称で呼ばれていた。

 関連グッズは山のように発売され、書籍化・映像化もされた大ヒット作。

 プライズ品には何度泣かされたことか……!

 あのアーム、どうなってんの?

 掴み上げて「あとちょっと!」ってところで露骨に力が抜けるやつ。

 考えた奴、マジでギルティ。

 アニメ化の際には、某繁華街をキャラたちが染め上げ、あの通り一帯が“ののの”ワールドになったのも懐かしい。


 物語は、魔法や王国、貴族が存在するファンタジーな世界観——

 ……のはずなんだけど、どう見ても制作陣のお国の文化色が濃い。

 一週間は七日、しかも週休二日。

 醤油も味噌もあるし、2月にはキャラが恵方巻を頬張るスチルイベントまで。

 ……ファンタジーとは。

 その反面、王族や貴族といった部分は全体的にふんわりしていて、一部では“似非ファンタジー”なんて呼ばれていたっけ。


 ゲームのヒロインは、ルーチェ辺境伯家の令嬢カルミア。ちなみに、名前は固定。

 亡くなった双子の兄の代わりに、王太子の従者として王立学園へ入学するところから物語は始まる。

 学園は『この国に籍を置くすべての貴族の子女に入学が義務づけられている』という設定で、貴族はみんな魔力持ち。

 学園生活は現実でいう高校3年間に相当し、卒業と同時に成人とみなされる。

 だから、卒業式を兼ねたデビュタントパーティーはかなり大規模なんだよ——この辺りは“ののの”独自の設定だね。


 学園での生活を通して、攻略相手と出会い、恋をして、やがて仲間たちと力を合わせて魔王を討つ——そんなシナリオ。

 ……なぜ学園生活からの魔王討伐なのかって?

 当時はプレイヤー間で物議を醸したけど、「あの運営だからw」で全てが解決するのが“ののの”クオリティ。

 まさに魔法、ファンタスティック!


 メインはもちろん恋愛・恋愛・恋愛。

 学園なんだから少しは勉強しろと言いたくなるくらい、恋愛一色。

 授業や魔物討伐で魔法レベルを上げつつ、とにかくイケメンたちと恋をするゲームだ。


 そしてタイトルどおり、『あなたの色に染まりたい』。

 彼らはそれぞれ鮮やかな色を持っている。

 赤——火属性の熱血系。

 青——水属性のクール系。

 緑——風属性の知的系。

 茶——土属性の包容力系。

 黒——闇属性の王太子。

 そしてヒロイン・カルミアは白、光属性。王道の中の王道。

 え、魔王?

 うん、条件を満たすと攻略可能。

 属性は……内緒。気になるなら、ぜひプレイしてみて!

 なんて、宣伝w


 正直、特別目新しい要素があるわけじゃない。

 けれど圧巻なのは、イラストの可愛らしさとスチルの多さ。

 さらに、ルートごとのエンディングの豊富さ。

 ちょいちょいモザイク処理が必要なくらい過激なスチルもあれば、バッドエンドでは修道院送りや処刑——ギロチンから毒盃まで、何でもござれ。

 好感度をカンストしたと思ったら、嫉妬に狂った攻略キャラの闇堕ち監禁エンドなんてのもある。

 最後の一枚絵を見るその瞬間まで、油断できないのだ。

 ルートによっては攻略対象同士がくっつく展開まであって、一部のレディは歓喜にむせび泣いた。


 恋愛一辺倒に見えて、描写は濃厚。

 官能小説かと見紛うほどに。

 一方で残虐描写も異常にリアルで、生々しい。

 そう——このゲーム、実は成人向け。

 イラストの可愛さから殺到した要望に応えて、後に全年齢版も発売されたけれど、やはり成人版の人気が圧倒的に上だった。


 ある意味で、いろんな意味で——伝説のゲームなのだ。




.

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。