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魔法少女学園  作者: 弟子
1章
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1章XV 『勇気』

その後もお化け屋敷、メリーゴーランドと遊園地を私たちは満喫した。でも私の頭の中はさっきお昼ご飯の時に委員長に唆された告白のことで頭がいっぱいだ。あんまり午後の遊園地に集中できてない。変に愛莉を意識してしまう。目を合わせることが出来た回数もいつもより少ないと思う。


「いや〜結構回ったね〜。もう夕方だよ〜。そろそろおしまいだね〜」


「そのようですね。明日も通常通り学校はありますし、この辺で終わっても…」


あ、もうなんか帰る流れになっちゃってる。でもまだ観覧車乗ってないのに…ここで帰ったらこの思いを吐き出すことが出来ずもどかしいまま明日を迎えることになってしまう…それは嫌だ!


「あ、あの!!」


「ん〜どうした紗夜ちん」


愛莉が私の呼び掛けに反応してくれる。言葉が詰まるが1文字ずつゆっくりと頭の中で文字を紡いでいく。


「愛莉、観覧車乗ろ!」


「観覧車か〜いいね〜。2人で乗る?」


「う、うん!!」


や、やった!これで愛莉と2人で観覧車に乗るまでは成功だ。まずは第一関門突破だ。こっからが大変なんだけど…。


「じ、じゃあ最後小鳥遊さんお願い出来ますか?」


「は、はい!」


『瞬間移動』によって観覧車の前まで移動した。観覧車でかーー。大体50mくらい高さあるんじゃないか?近くで見あげてもてっぺんがあんまりよく確認できない。


「こ、これは!あれだな。私は別に大丈夫。乗りたい人で乗ったらいいんじゃないかな!」


声を震わせながら涼風さんが後ずさりをする。あ、この人観覧車でも怖がるタイプの人間なんだ。観覧車って高いだけで別に落ちたりはしないのに。


「あれ〜凛花もしかしてビビってる?ジェットコースターでもビビるのに観覧車ですらビビるの〜?」


「な!別に私は怖がってる訳じゃなくてその…だな…えっと…」


「じゃあ涼風さんは私と一緒に乗りましょう?大丈夫ですよ。魔法の行使はしません。普通に楽しみましょう」


委員長が涼風さんを観覧者へ誘う。正直観覧車の定員は公式には4と言われているが、大きさとかを考えると相場は2と決まって居るので、みんなで乗るのは難しいだろう。


「そ、そう?柚葉がそういうんだったらまぁ乗ってあげても…」


「じゃあ決まりですね。さぁ、涼風さん乗ってしまいましょう」


「あ、うん。いやそんな腕引っ張らなくても…なんでそんな柚葉ニヤけてるんだ…?しかも早乙女紗夜の方を向いて…」


委員長めっちゃこっちみてくる…余計なお世話だっての… それにしても、なんだかんだ涼風さんって委員長に言われると素直に従っちゃうの、委員長のこと好きなんだろうなぁ…。


「じゃあせっかくだしウチらも乗らね?観覧車」


「う、うん。乗ろ」


小鳥遊さんと速水さんも乗っていってしまった。こっちはサバサバ系って感じだな……って、なんで私この人たちのことこんな目で見てるんだろう…あぁもう!!


「じ、じゃあ私たちも乗ろっか?」


「うん、乗ろ〜 」


こうして私たちは観覧車に乗りこんだ。


✦︎


「いや〜紗夜ちんやばいよこれ高いよ〜」


「う、うん。ちょっと怖いかもね」


だ、ダメだ。話を今理解して返答するという行為が出来ない。適当に相槌を打つのが精一杯だ。でも言わなきゃ!愛莉に告白するって決めたから今私は観覧車に乗っているんだから。心臓がドクドク言っている。鼓動を体で感じることが出来るほどに脈打っている、この脈に合わせて観覧車も揺れているのではないかと錯覚してしまうほどだ。


「あ、あの!愛莉!」


「ん〜どうしたの紗夜ちんそんな改まって〜」


「え、えと…」


気まずい沈黙が流れる。5月とはいえ日が落ちると肌寒い風が観覧車の穴を通って吹いてくる。その風が私の頭を冷やし、1度思考を冷静に戻させる。


「あ、あのさ。私達一昨日ショッピングモール行ったじゃない?」


「あ〜楽しかったよね〜もっかい行きたいよね〜」


愛莉も楽しかったって思ってくれてるんだ…嬉しい。どんどん愛莉への思いが募っていく。


「う、うん。それでさ、その時愛莉を待ってる間、何か買おうと思って……それで、………………………ペアリングを買ったの!だから愛莉と一緒に着けたいなって!」


「ペアリング!いいじゃん〜お揃いって感じのもの私たち持ってなかったしね〜」


まず私はペアリングの存在を明らかにした。お揃いのアクセサリーということで愛莉もテンションが上がっているのがわかる。お揃いのものが欲しかったという欲求は愛莉にもあったようでそこはまず安心した。


「そ、それでさ。本当は誕生日プレゼントで渡そうと思ってたんだけど、明日にでも渡したくて、で何か記念の日ってことにしたいんだけど…」


喉元まで言葉が出かかっているのだが、言えない。言ってこのまま関係性が壊れてしまったら?いや、愛莉に限ってそんなことは無いだろう。別に冗談とか言って茶化せば問題ないはず。でもその程度の気持ちでいいの…?私はこの気持ちに真摯に向き合いたい。だから一旦落ち着いて、そして言おう。


「愛莉、私と付き合ってください!」


言った!言ってしまった!やばいどうしよう。引かれてない…?え、本当に言ってよかったのかな?これ大丈夫?沈黙…?ちょっと怖いんですけど。やばい愛莉の顔まともに見えない。お願いなんか言って…え、どうしよう?今なら撤回って聞くのかな?嘘だよ〜って?いやそんなことしたら逆に嫌われちゃうかもしれない。それにこの思いを冗談なんかにしたくないってのが本当の気持ち。ヤバいでももし振られたら?後悔なんてしてもしきれない。いっそしなければ…。誰か助け…


「ふふっ。もちろんいいよ〜」


「え…?」


顔を上げると愛莉が真っ直ぐこちらを見つめ微笑んでいた。


「もう〜急に改まって話されるから何かと思った。もしかして絶縁宣言されるんじゃないかと思って心配したじゃん〜。心臓に悪いって〜」


「え?本当に?本当に私と付き合ってくれるの?」


何が起きているか脳が受止め切れてないのを感じる。今私の告白って成功したの…?本当に??実感がわかない。でも失敗はしていないはずだ。


「そうだって〜なんなら私的にはもう付き合ってる感じだったけどね〜。紗夜ちんといる時はなんか恋人といる時の安心感がある気がする〜」


「や、やばい…泣きそう…」


嬉しすぎて私の目から涙がこぼれおちているのかもしれない。私は愛莉の特別となり得たんだ…それだけでも嬉しさが込み上げてくる。告白してよかった。その安堵感から緊張感もほぐれ、私は背もたれによりかかって脱力する。


「じ、じゃあこれからも一緒にデートとか行ってくれる?」


「もちろんだよ〜もっと恋人らしいこともうぇるかむだよ〜」


「こ、恋人らしいこと!?」


な、何を言い出すんだ一体愛莉は。こ、恋人らしいことってその、そういう事だよな…?え、そういうことよね?


「あは〜なに紗夜ちん照れてるのさ〜。じゃあ試しに今ちょっとしてみる…?」


「え!?」


ど、どういうこと?今するって何を??え??そんなダメですよ愛莉さん!こういうのは段階を踏んで…!


「紗夜ちん。目つぶって」


「え、」


こいつ魔法使いやがった!!私の体は愛莉に言われるがまま目をつむる。そしてつかの間、



私の唇は愛莉に奪われた。それは優しい味だった。



目を開けるとそこには愛莉の姿があった。


「紗夜ちん照れてる、顔真っ赤だよ〜可愛いー」


私の1日はこの忘れられぬ甘い口付けと共に終わりを迎えた。

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