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90.電設のヒデオさん、聞く。


「「グぁっ!?」」



眼球に五寸釘が撃ち込まれた。



「いっ――――――――っ――――――――!?」



左の眼球に凄まじい激痛。


五寸釘が撃ち込まれたのかと錯覚した。


一瞬、呼吸も心臓も止まった。



「……はぁっ、はぁっ、はぁっ……目がっ……!?」



激痛は一瞬。


一瞬の後、激痛は消えた。


激しい痛みは消えたが、鈍い疼きが消えない。左目の奥がジンジンする。


知らず涙が溢れ、左の視界がボヤけた。



「……いててっ……何だったんだ、今のは……?」



左目を押さえる。


右目は正常。ちゃんと見える。



「……っ……」



酷いものが見えた。



「ムチムチさん!?」


「……うぐっ……」



右目にヒビが入っていた。砕ける寸前のビー玉のよう。


ヒビからは、とめどなく血が流れ出ていた。



「ち、血が!?ど、どうしたんですか、その目!?血、出てる!?なんで!?」


「……ぐっ……うぅっ……」


「と、とりあえず応急措置!とにかく手当しないと――……って、何すりゃいいんだ!?目薬か!?いや目が潰れてるのに目薬さしていいのか!?眼帯か!?いや義眼の方がいいのか!?どっちも持ってねえ!?」


「……うぅっ……」


「し、止血か!まずは止血――……って、目の止血!?どうやんの!?目の血の止め方なんか知らねえ!?普通の傷口の血を止めるのと同じ感じでいいのか!?いや押さえるのはマズいか!?押さえずに血を止めるってどうすりゃいいんだよ!?ああもう全然わかんねえよ!?みんな目から血が出た時ってどういう手当してんの!?」


「……うぅっ……ひ、ヒデオ殿……っ……」


「ひとまずコレ!コレ巻いときます!我慢してください!」



髪紐代わりに結ばれていたネクタイを解き、眼帯のように巻いて右目を覆う。


右目から流れた血の跡が、まるで血涙のように右の頬を伝っていた。


白い肌を穢す、鮮血の赤。


綺麗だ。


アホか。そんな感想抱いてる場合か。



「あ、そうだ!ウェットティッシュだ!確か入ってたはず――……、あった!」


「……ひ、ヒデオ殿……そんな事より……っ……」


「今から拭きます!ちょっと傷に響いて痛いかもですけど、我慢してください!」



通勤カバンから、コンビニ商品を取り出す。ストックしといて良かった。


できるだけ弱い力で、そっと頬を拭く。


ムチムチさんが顔を大きく歪めていた。痛いのだろうか。


そりゃ右目が血まみれなんだから、痛いに決まってる。



「ひ、ヒデオ殿……そんな事は良いのだ……それよりも……」


「だ、大丈夫ですよ。安心してください。きっと大丈夫です。大丈夫ですからね」



ケガ人を不安にさせてはいけない。


一番痛くて辛くて不安なのは、ケガ人本人だ。そばにいる者が取り乱して不安を煽るのは、ダメだ。


笑顔だ。こういう時こそ、自分は笑顔を浮かべなければ。


笑え。


笑ってみせろ。


笑って安心させろ。



「ヒデオ殿……」


「あ、そうだ!アルコールなら消毒に使えるか!」



こういう時こそ、スピリタス。アルコール度数96度。


時代劇とかで見かける、傷口に焼酎ブシューッて奴より、効果は高いだろう。


いや、濃すぎるのは、それはそれでダメだ。医療用高濃度アルコール消毒液は、アルコール度数80度程度だったはず。純度が高すぎると、実用上の効果が下がるらしい。


2割ほど水を加えて薄めよう。そうしよう。



「ヒデオ殿」


「ちょっと待っててくださいね!すぐ準備しますんで!」



通勤カバンから、スピリタスの酒瓶と、ミネラルウォーターのペットボトルを取り出す。


洗浄済のガラスコップに適量を入れて混ぜ合わせ、濃度を調整。


目分量だけど、端数の違いは誤差として目をつむろう。



「ヒデオ殿」


「よし!後はこれを!……どうしよう……このまま顔にかけるか……?」



濃度調整したまではいいが、この後どうすればいいのか、わからない。


ガラスコップに入ってるので、目薬をさすようには行かない。


このまま傾けて、上からかけるか。服が濡れるのは、目をつむってもらうか。



「ヒデオ殿!」


「……そもそも、目にアルコールってダメだったような……?」



作っておいて何だが、これマズい気がする。


原則、目には刺激物NG。


工業用メタノールは勿論アウトだが、消毒用エタノールもアウトだった気がする。


子供の健康被害の事例で、手に消毒液をかけた後に目を擦ってしまい、角膜に炎症が起きる事例があったはず。


ちなみに、そういう場合の対処方法は、普通の水で洗い流す事。市販の消毒液なら、劇物のような強い危険性は無い。慌てず騒がず、ゆっくり洗い流せばいい。それでも心配な人は、眼科医に診てもらってください。


ともあれ。知ってるのは子供の事例だけだが、大人の目にもマズい気がする。



「ヒーデーオーどーのー!」


「あ、はい。かけますか、これ?」


「かけるか!そんなもの!」



バシャッ。


手を振り払われ、ガラスコップが倒れた。アルコールが散った。


やっぱり目に直にアルコールはマズかったのか。



「私の言う事を聞け!」


「あ、はい。聞きます。はい」



怒らせてしまった。


間違った対処をして被害拡大しそうになったのだ。そりゃ怒るわ。反省しないと。



「私の言葉がわかるか!聞こえているか!」


「はい。聞こえてます。はい」



この段に至り、ようやく自分が取り乱していた事に気付いた。我ながら、気付くのが遅い。


この人が血を流しているのを見て、初めで出会った日の事を思い出してしまった。一瞬で頭が茹で上がって、何とも情けない姿を見せてしまった。


緊急事態の時にこそ、冷静で的確な判断力が必要だ。


まずは落ち着こう。深呼吸を一つ。


落ち着いて、ムチムチさんの話を聞こう。何か言いたい事があるようだし。



「ヒデオ殿!私を――……、どうしようかな。えーっと……。て、手を握れ!」


「……………………えっ?」



なんか変な事を言われた。



「……あの、今、物凄く場違いな事を言われた気がするんですけど?」


「……………………」


「すみません。多分、聞き間違いだと思うので、もう一度言ってもらっていいですか?ホントすみません」



ムチムチさんが不機嫌そうに眉をひそめた。


ケガ人の言葉を聞き間違えるなんて、まったく悪い耳だ。


次は聞き間違えないよう、絶対に聞き逃さないよう、耳に意識を全力で集中。



「……シラキ・ヒデオ。私の手を握れ」



聞き間違いじゃなかった。



「……握ればいいんですか?」


「そ、そうだ」


「……それでは、失礼して」



そっと、手を握った。


お互いの手の平を重ね、普通に握る。


普通に握っているだけなのに、気持ちいい。


ほっそりとした指。それでいて、適度な肉付き。心地良い柔らかさ。


体温は少し低め。でも冷たくはない。乱れていた精神を落ち着けてくれる温度。



「「……………………」」



こうして改まって手を握るの、照れる。なんか、照れる。精神が乱れる。


いい歳こいて、お手々つないで照れてる場合か。


いや本当にそんな場合じゃない。


ムチムチさんの右目、ケガしてる最中。



「あの、ムチムチさん?」


「つ、次は、えーっと……。ゆ、指だ!指を絡めるのだ!」



追加の注文、入りました。


どうすべきか、少し悩んだ。



「……絡めるんですか?」


「そ、そうだ」


「……それでは、失礼して」



ケガ人の言う通りにした。


ケガ人相手に何やってんだと思わなくもないが、これでケガ人が安心できるなら、やる意味はある。


きっとメンタルケアの一環みたいな感じの効能があるはず、多分。



「「……………………」」



お互いに少し指を広げ、互い違いに絡める。いわゆる恋人繋ぎ。


こんな事するの、何年ぶりだったか。記憶が完全に上書きされて、思い出せない。


ムチムチさんの手は心地良いけど、変に緊張する。


思わず指に力が入ってしまいそうになるのを、どうにか押し留める。


手汗が気になる。



「……ふふっ……こんな風にしてみたかったのだ……」


「……………………」



可愛い。


美人さんが可愛い。


変な衝動に駆られそうになったが、耐えた。


右目を覆うネクタイが無かったら即死だった。理性が。



「……ふふっ……ふふふふふふふふっ……やったぞ……やってやったぞ……ああ、やってしまった……やってしまったぁ……私は何と言う事を……っ……」


「……………………」



お手々ニギニギされた。


細い指を通じて、手にリズム良く圧力が加えられてくる。


なんか不気味な美声が聞こえる気がするけど、そんな事より手が気になる。


気持ちいい。そして理性瀕死。


お手々ニギニギされてるだけなのに、意識を根こそぎ持ってかれそう。



「……こんなはずでは……もう二度と、意思ある者には使うまいと、そう誓ったのに……誓っていたはずなのに……私は、また同じ過ちを……」


「……………………」


「ふっ、ふふっ、ふふふふふふふふっ!もうこうなったらヤってやる!ヤりたいようにヤってやるのだ!ふふふふふふふふっ!」


「……………………」


「どうせもう終わりだ!いや、もう終わってしまったのだ!だったらもう二つ三つ罪を上乗せしたって大して違わない!ヤってやるぞ!」


「……………………」


「って、馬鹿なのか私は!?私の馬鹿馬鹿馬鹿!何を馬鹿な事を考えているのだ!この期に及んで更に罪を重ねるなど、どうかしてるぞ!ヤっていいはずが無いではないか!」


「……………………」


「……で、でも……さ、先っちょだけなら……い、いいかなぁ……?」


「……………………」


「……確か、接触だけなら合法……私の知る限りでは合法だったはず……法的には大丈夫なはずだ、法的には……っ……」


「……………………」


「……更には、途中で昂ったら、最後までヤっても合法だったはず……合法的に初めて、途中から合法的にして、合法的なまま終われれば、終始合法的……っ……」


「……………………」


「つ、ついに、ヤるぞ!ヤってやるぞ!喪女を脱し、新しく生まれ変わるのだ!」


「……………………」


「ってダメだよ!?こんな状況でヤったら、頁数の少ない異本な展開だ!?法的には合法かもしれないが倫理的には完全にダメな奴だ!?」


「……………………」


「そもそも現行の法制度では本当に合法なのか!?法改正されてたらどうするのだ!?あれから何年経ってると思ってるのだ私ぃっ!?」


「……………………」


「……まあ、法的とか、倫理的とか、そんなものを気にしていられる身では無いのだが……もうそういうの全部気にせず、ヤってしまっても、いいかなぁ……?」


「……………………」


「……思うがまま、全てを一方的に蹂躙する……その果てには何も無いと知ってはいるが……どうでもいいか、もう……」


「……………………」


「……失うものなど、無い……ついさっき、私が自ら壊してしまった……もう帰って来ないのだ、昨日までの日々は……」


「……………………」


「……ああああああああっ……何故なのだ……どうしてなのだ……こんな愚かしい真似をするつもりなど無かったはずなのに……私は……っ……」


「……………………」



泣いたり笑ったり忙しい人だな、この人。


泣き上戸や笑い上戸では無かったはずだけど、感情の振れ幅がやけに大きい。


飲酒と外傷の相乗効果で、情緒不安定になってるのだろうか。


情緒不安定なのに、ずっと手は握ったままニギニギ。


いや、逆か。情緒不安定だから、ずっと手を握ったままニギニギなのか。


少しはメンタルケアの役に立ってるのだろう、多分。



「……あの、ムチムチさん。もう横になった方がいいんじゃないですか?」


「……………………えっ?」



いつまでも、こうしている訳にはいかない。どんなにメンタルケアをしても、身体の外傷は治らない。


現状、自分の手持ちの手段では、目のケガを治療できない。


こういう時、いつも通り、無力だ。


できる事は精々、ケガ人を安静にして、間接的に回復力を高める事くらい。


精々それくらいしか、できない。だからこそ、できる事くらいはしておかないと。



「あんまり騒ぐと、傷に障りますよ。今夜は、もう横になりましょう」


「……………………」



とにかく安静第一。


細かい事は後日また改めて考えよう。酒の入ってない時に。



「……ふふっ……本当に、まったく、お人好しにもほどがあるな……魔眼の影響下にあって尚、私への心配が先に立つとは……」


「……魔眼……?」


「……ああああああああっ……魔眼を受けて尚、私を心配してくれるような人に、何と言う事をしてしまったのだ……っ……」



なんか変な事を言われた。


魔眼って何だ。この世界、そういうのもあるのか。


言われてみれば、左目に激痛が走る直前、ムチムチさんの右目が変だった気がしなくもない。その後の血を流す姿が衝撃的すぎて、すっかり意識から飛んでたけど。



「……魔眼、ねぇ……?」



何か、されたのだろうか。


何を、されたのだろうか。


何故、されたのだろうか。



「……………………」



激痛も疼痛も、すでに消えている。現時点での自覚症状、無し。


激痛の直前の言動からして、自分の不用意な発言が、ムチムチさんの地雷を踏み抜いたのだろうという推測はできる。


一応推測はできるが、直接的に攻撃されるほどの失言をした自覚が無い。


我ながら機微に疎くてダメだとは思うけど、こういう察しの悪さは、自覚していても直すのが難しい。直せるなら、とっくの昔に直してる。



「……ふふっ……もう終わりだ……もうどれだけ省みても仕方が無いのだ……終わりにしてしまおう……そうだよ、終わらせてしまおう……それが一番良いのだ……」


「……………………」



何度も反省してるのに、反省が言動や行動に反映されないのは、我ながら本当にしょうがないと思う。


本当にどうにかしたいけど、本当に難しい。



「……でも、その前に……最期の想い出を……せっかくだし……」


「……………………えっ?」



ひっそり内心で内省していたら、ムチムチさんが横になった。



「……あの、もっとちゃんと横になった方がいいですよ?」


「ふふっ、おかしな事を言うものだな。ちゃんと横になっているではないか」


「……そりゃまあ、体勢的には横になってますけど……」



気付いたら、美人さんに膝枕してた。


灰色の剛毛が、太ももを刺激してくる。適度な弾力。膝枕してるだけなのに、妙に気持ちいい。


得も言われぬ多幸感。ただ気持ちいいだけじゃない。なんか幸せ。


膝枕は、してもらうより、してあげる方が幸せになれる。



「……ああ、心地良いな……本当に、良い心地だ……」


「男の膝なんて、言うほど良くないでしょう」


「……そんな事は無いよ……」


「ちょっ……っ……!?」



息が詰まった。


自分の膝に頭を預けて、泣いている。左目から、はらはらと涙をこぼしている。


綺麗だ。


本当に、綺麗だ。



「「……………………」」



ウェットティッシュを、そっと目元に当てる。


とめどなく涙は流れ続けた。


声も出さず、泣き続けていた。



「……なあ、ヒデオ殿。私の声が聞こえているか?」


「聞いてますよ」


「頼みがある。……いや、貴殿なら、頼まなくとも良い気はするのだが……。どうか、ミユキとクロオの事を頼む」


「頼む?何をですか?」


「二人とも、何も知らないのだ。あの二人は、まっさらで、何も悪くないのだ。だから、どうか、これからも見守ってやってくれないか?」


「……まあ、はい。頼まれときます、一応」


「ふふっ、そうか」



情緒不安定なせいか、さっきから変な事ばかり言ってくるな、この人。


まるで遺言でも聞かされているような気分になる。



「……これが、私からの最期の指示だ。聞け」



膝の上から、綺麗な金色の瞳が真っ直ぐに見上げてくる。



「シラキ・ヒデオよ。……私を、壊せ」


「……………………えっ?」



なんか変な事を言われた。



「最期の最期まで、すまないな、手間をかけさせてしまって。だが、もう、こうするより他に無いのだ、私には」


「……………………」


「やはり、存在してはいけなかったのだ、私のようなモノは。ほとほと思い知ったよ」


「……………………」


「出来得るならば、跡形も残らないよう、メチャクチャにしてくれ。貴殿の手でなら、きっと安心して逝けるだろう」


「……………………」



綺麗な笑みで、涙を流しながら、とんでもない事を言われた。



「さあ、やってくれ、ヒデオ殿」


「……………………」



正直に告白するなら、少しクラッと来ました。


答えは、決まっている。



「嫌です」


「……………………えっ?」



そりゃあね、男なら一生に一度は言われてみたい台詞だけどもね。ましてや、人間離れした超絶美女から涙ながらに『メチャクチャにして』だなんて言われるとか、こっちの情緒がメチャクチャに壊される台詞だけどもね。


いざ面と向かって言われてみると、興奮より恐怖が勝る台詞だわ、これ。


少しだけクラッと来るには来るけど、それ以上に怖くて、手を出す気、失せる。


例えるなら、B級ホラー映画にある真っ赤な意味でR18なシーンの後に唐突に差し込まれた濡れ場を見ている時の気分。


ドキドキ感はあるけど、血液が集中しそうに無い。



「あ、あの、ヒデオ殿?私の言っている事、聞こえているか?」


「ちゃんと聞きましたよ。メチャクチャにしろってんでしょ?嫌ですよ普通に」


「何故だ!?」


「いや何故って言われましても……。あいにく、そういう趣味無いんで」


「貴殿は何を言っているのだ!?趣味とか関係あるか!私を壊せ!メチャクチャにしてくれ!」


「嫌ですよ。これ男が言うと引かれる事が多いんですけど、ロマンチックなのが好きなタイプなんですよね、俺。辛かったり苦しかったりする感じの奴は、ちょっと勘弁って言うか」


「ま、まさか……、効いてないのか!?」


「いや聞いてますけど。普通に聞いて、普通に嫌だって言ってるだけですけど」


「ば、馬鹿な!?まさか本当に効いてないのか!?」


「だから聞いてますってば」


「シラキ・ヒデオよ!私を壊せ!メチャクチャにしてくれ!」


「嫌です」


「何故だ!?どんな男でも、私の言う通りにしなかった事なんて一度も無かったのに!?」


「……他の男性にも言った事あるんですか?『メチャクチャにして』って」


「そんな訳あるか!貴殿に言ったのが初めてに決まっているだろう!それくらい、わかれ!」


「あ、はい」


「うぅぅぅぅっ!もう一度言うぞ!シラキ・ヒデオよ!私を壊せ!メチャクチャにしてくれ!」


「嫌ですよ。何度も言わないでくださいよ」


「なんで効いてないのだ!?」


「だから聞いてますってば」



不毛な押し問答は、しばらく続いた。


不毛な押し問答の最中、同じ台詞を何度も聞かされた。



「メチャクチャにしてくれ!」


「いやだから嫌です」



一生に一度は聞いてみたい台詞でも、何度も聞かされれば、ありがたみが失せる事を知った。


知りたくなかった、そんな真理。


スキル情報。追記。


【スキル:世界の半分を支配せし女帝の魔眼】


留意点その1.

直接視認した対象にのみ、効果を発動できます。

ガラス越しには、対象を指定できません。


留意点その2.

対象の身体の性別によって、効果には差があります。

魔力等を利用した一時的な性転換であっても、効果に差が出ます。


対男性:効果特大

対無性:効果小

対中性:効果小

対両性:無効

対女性:効果反転、叛意増大、敵意増大、憎悪増大


留意点その3.

対象の耐性に阻まれた場合、呪詛の逆流によるダメージが発生します。

特に、何らかの事情により魔力量が減少している時には、発動に慎重を期す必要があります。

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