62.電設のヒデオさん、砕かれる。
「うわああああああああっ!」
水色の光が降り注ぐ。無意識に腕で顔を覆った。
見る間に色が失われていく。腕が灰色へと変わっていく。
「うわああああああああっ!」
腕だけに留まらない。全身が灰色になっていく。灰色の部分が見る見る広がっていく。
そして、石にされた。腕も、足も、腹も、灰色になった。
「うわああああああああっ!」
ピシッ。ピシリッ。ピキリッ。
石になるだけでは終わらなかった。石にヒビが入った。
ヒビが全身に広がっていく。腕も、足も、腹も、ヒビだらけになっていく。
「うわああああああああっ!」
パキッ。パキリッ。パキンッ。
石が無数のヒビだらけになり、ついに砕けた。
「うわああああああああっ!」
パラパラパラッ。
灰色の薄片が零れ落ちていく。腕からも、足からも、腹からも、石片が零れ落ちていく。
「うわああああああああっ!……あれ?」
全身から石片が零れ落ちた。そして下着姿になった。
「な、なんじゃこりゃあっ!?」
インナーのシャツ。トランクス。靴下。革靴。これだけ。
無人の荒野のド真ん中に、下着姿の変態が現れた。誰だ。自分だ。
泣きたい。
「いやマジで何コレ!?どうなってんのコレ!?」
ポイントは靴下と革靴だろうか。下着姿との組み合わせは変態力が強い。
某魔界の騎士のようなパンツ一丁の姿なら、案外それほど変態っぽく見えないものだ。パンツ一丁は、赤褌一丁の男らしさに通ずる。
屋外とは言え、靴を履いているのが良くない。下着姿のクセに半端に潔くない感じが非常によろしくない。
かと言って、この場で自分から革靴と靴下を脱ぐと言うのも、それはそれで別方向の変態臭がする。
詰んだ。
「って言うか、石にされたのに石になってない!?なんで!?」
下着姿とか、今は別にどうでもいい。いや本当は全然良くないのだが、この場には着替えが無い。諦めて受け入れる。
それはそれとして。自分の服は石にされたが、自分の体は石になっていなかった。
無地のシャツと綿パンだけが石になって砕けた。より正確に言うと、無地のシャツと綿パンが石になった後、自分が体を動かしたせいで砕けた。
無駄に体を動かさなければ、石の服を身に着けた姿のままでいられただろう。下着姿になるよりマシだったはずだ、多分。
魔物のせいで服を石にされたが、下着姿になったのは自分のせいだ。まあ酷い。
「ふぅむ?どういう事であるか?どうして石にならぬ?」
下着姿でうろたえていると、頭上から声が降ってきた。巨体に相応しい重低音。
「我の呪いが効かぬなど、あり得ぬ。あり得ぬのである」
「ふしぎ~」
「我よ。まさか手を抜いたのではあるまいな?」
「手が無いのに手抜きとは、これ如何に。我はおかしな事を言うのである」
「横から茶々を入れるでない。我の言いたい事はわかっていよう」
「我は本気でやったのである!手など抜いておらぬ!」
「では何故、我の呪いで石になっておらぬのだ。おかしいではないか」
「手抜きを隠そうと嘘を吐くとは。そういうの良くないと思うぞ、我よ」
「我は本気だったのである!嘘など吐いておらぬ!」
「疑わしいのである」
「我、たまにそういう事するよね。我のそういう所、良くないと思うのである」
「然り」
「同意である。我よ、白状せよ」
「我は本気だったのである!我も、我も、我も、勝手な事を言うな!」
なんか十本の首が揉め始めた。やいのやいの言い合っていた。
どの首も我我言ってて聞き取り辛い。一人称が全員同じ。顔も声も似すぎてて区別が付かない。某六つ子より区別が付かない。
「って、ヘビがしゃべった!?」
ビックリしすぎて思わず普通に聞いてたけど、よく考えたら、おかしい。
ヘビは普通、人語をしゃべらない。
「……まあ、普通のヘビじゃないしな……」
よく考えたら普通じゃなかった。魔物だった。
頭大きいし、頭の数も多いし、きっと普通のヘビのよりは頭が良いだろう。十本首の赤蛇が人語をしゃべっても、おかしくない、多分。
「我を疑うと言うなら、我の代わりに我がやれば良かろう!」
「望む所である。我の代わりに我がやって見せよう」
「がんばれ~」
「刮目せよ、我の本気を!」
揉めてたと思ったら、首の一本が急に自分の方を向き、大口を開けた。さっきよりも念入りに溜めが入った後、水色の光が放たれた。
「うわああああああああっ!……って、やっぱり何とも無いな」
ノリで叫んでしまったけど、特に何も無かった。
体は無事。インナーのシャツ、トランクス、靴下、革靴も無事。変化無し。
「ば、馬鹿な!?石にならぬだと!?どういう事であるか!?」
「ほれ見た事か。我は本気だと言ったであろうに」
「我も、我も、戯れが過ぎるのである」
「然り」
「一度ならず二度までもとなると、少々ふざけすぎであるな」
「我はふざけておらぬ!」
「我は本気だったのである!」
「……そこまで言うなら、どれ、次は我がやって見ようか」
「がんばれ~」
別の首が自分の方を向き、大口を開けた。雑にペッと水色の光が放たれた。
「……やっぱり何とも無いな、これ」
「……やはり石にならぬぞ、こやつ」
何とも無かった。
「ふぅむ?これはなかなか面妖であるな」
「面白い。次は我がやるのである」
「いや待て。次は我がやるのである」
「同時にやれば良かろう。その方が面白そうである」
「ならば我もやろう。我もやるか?」
「いやだ~」
「我はやるぞ」
「我もだ」
複数の首が同時に大口を開けた。タイミングを合わせて、水色の光が同時に放たれた。
「……全然何とも無いな、これ」
「……全く呪いが効かぬ」
何とも無かった。
よくわからないが、これも勇者召喚の副次効果の一種だろうか。
心技体の内、体のスペックだけなら勇者級。単純に物理的に頑丈なだけではなく、各種耐性まで付与されてるのか。本当に体だけは凄い。
ビビッて損した。
「……まあ、だからって、どうにかなるもんでもないけど……」
とりあえず、石化のブレスは効かない。それ以上でもそれ以下でも無い。
人間と魔物では、生物としての格が違う。勝つとか負けるとか、それ以前の問題。格が違いすぎて、そもそも勝負が成立しない。石化のブレスが効かなかった程度では、ほとんど誤差みたいなものである。
例えば、殺虫剤に耐性のある羽虫が1匹いたとして、それがどうしたって話。
効こうが効くまいが、羽虫は羽虫だ。大差無い。
勇者級の身体能力は人間離れしているが、あくまでも人間基準での評価。それに、自分は中肉中背で、体格は普通の人間相当。筋力や体力は増えたが、体重は変わっていない。全高10mの魔物とは、明らかに質量差がありすぎる。
例えば、パチンコ玉をボウリングの玉にぶつけたとして、それがどうしたって話。
ちょっとグラつかせる事くらいなら、がんばれば、できるかもしれない。
がんばっても、できるのは精々グラつかせる事くらいだろう。
つまり、どうにもならない。どうしようもない。どうこうできる気がしない。
望遠鏡越しに見ていた時には、思ったよりも小ぶりだとか思ったりもした。間近で直に見上げれば、そんな気の迷いを抱く余地は無い。
こんな馬鹿デカい生物、人間にどうにかできるものか。
「認めぬ!矮小なる存在に我の呪いが効かぬなど、あってはならぬ!」
「我は何を言い出すかと思えば……。効かぬものは効かぬのである。見ての通り」
「然り」
「認めるしか無いのである。実際、効かぬし」
「矮小な分、数が多いのである。こういうのも稀にいるのであろうよ」
「認めぬ!我は断じて認めぬぞ!」
「ださい~」
「そこまで言うなら、気が済むまで、やって見れば良かろう」
「我に言われるまでも無いのである!やってやるのである!」
「くだらぬ。我は知らぬぞ。やるなら我だけで勝手にやれ」
「横から見ているだけと言うのも退屈であるな。我も付き合おう」
「我も我に手を貸してやろう。手、無いけどな!」
「我はどうしたものかな。手を貸すか、貸さざるか……」
なんかまた、やいのやいの言い合ってる。意外と仲悪いのか、この十本首。それとも、ケンカするほど仲良しな兄弟みたいなものなのか。区別が付かない。
それにしても、よくしゃべるな、この魔物。さっきまで無口だったのに。
これはアレか。普通の羽虫なら無言で追い払うけど、キモい羽虫が出たらギャアギャア騒ぎながら追い払う感じのアレだろうか。
誰がキモい羽虫だ。キモくないわ。
それはさておき。引き続き、状況は必ずしも悪くは無い。十本の首の全てが、自分に注目している。首ごとに温度差を感じるけど、興味を引き続ける事には成功している。ある意味、大成功と言って良い。
つまり、計画通りである。あらゆる要素が想定外で、状況グッチャグチャだけど、そんなのは些末事である。結果が全てである。
「絶対に石にしてやるのである!」
「やれやれ~」
ある意味、人気者。モテる男は、つらいね。
中央の左首を筆頭に、複数の首から水色の集中砲火を浴びせかけられた。
しばらくの間、ひたすら光を浴び続けた。
棒立ちのまま、ひたすら光を浴び続けた。
他にどうしようも無い。だから、棒立ち。下着姿のままで。
結局の所、最初から、自分のやる事は決まっている。
魔物が飽きて縄張りに帰りたくなるまで、ひたすら時間を稼ぐ。
行動方針は何も変わっていない。時間の稼ぎ方が変わっても、時間を稼ぐ事には変わりない。
ヘビの怒りポイントは、いまだ謎に包まれている。
ここで下手に怒りを買えば、飽きるまでの時間が伸びてしまう。
とにかく1分1秒でも早く飽きて欲しい。これ以上は興味も関心もいらない。とにかく飽きて欲しい。
棒立ちのまま、下手に動かず、回避も防御もしない。どうせ効かないので、回避も防御も意味が無い。
ただただひたすら棒立ち。ヘビが飽きるのを待つ。
魔物であっても、ヘビはヘビ。飽きるのは早かった。そう大した時間もかからず、ほとんどの首が飽きてブレスを吐かなくなった。
「ぐぬぬっ、解せぬ」
中央の左首だけ、しつこい。
「我よ。もう良かろう」
「良くないのである!」
「しつこい~」
「少々熱くなりすぎである。落ち着くのである」
「然り」
「我の呪いが効かぬのであるぞ!これが落ち着いていられるか!」
「……なあ、我よ。本当に落ち着くのである。我、ちょっと思ったのであるが、これ実は、呪いは効いているのではないか?」
「我は何を言っているのであるか?こやつ、石になっておらぬぞ?」
「まあまあ。我も、我も、よく見よ。こやつ、解呪の条件を満たしているから石にならぬのではないか?」
「ふぅむ?……言われてみれば、確かに」
「その可能性は失念していたのである。大抵の奴は時間かかるからなぁ……」
「矮小なる存在に我の呪いが効かぬよりは、納得できるのである」
「そうであろう?」
「あり得ぬ!あり得ぬのである!こやつが我に何をしたのか、我は忘れたとでも言うのであるか!我は忘れぬぞ!」
「忘れておらぬよ」
「うむ。忘れぬ忘れぬ」
「忘れようにも忘れられぬ」
「アレは実に愉快――……じゃなかった。実に見事――……でもなかった。何と言うか、まあ、とにかくアレは実にアレであったな。良い音したし。……ぷっ」
「笑ったであるな!?我を笑ったであるな!?許さぬぞ、我よ!」
「ぷぷぷ~」
「落ち着くのである。とにかく落ち着くのである」
「まあ実際、何かされたの、我だけであるし。我は何もされてないし。我にとっては笑い話である」
「ぐぬぬっ!」
「やめるのである、我よ。そう我を煽るでない。そういうの、実に良くないと思うぞ、我は」
我我言ってて超わかりにくい。でも一応、中央の左首の事を、他の首が諫めているらしい事はわかった。
この分なら、そう遠くない内に縄張りに帰ってくれそうだ。
そうなれば、またすぐに元の日常が戻ってくるだろう。
……なんて甘い希望はあっさり砕かれた。
「ここはひとつ、試して見れば良いのではないか?」
十本首が、全く別の方向を向いて言った。
その視線の先にいるのは、三人。
「あちらに似たようなのが見えるぞ。あれ、使えるのではないか?」
「つがい~」
「ふぅむ。番と子か。別個体ではあるが、多少は性質を受け継いでいよう。呪いの効かぬ性質があるのか、試すに丁度良いか」
「名案である。実に名案である」
「では早速、試すとしよう」
最悪だ。
「お、おい!ちょっと待て――」
ギロリッッッッッッッッッッ。
十対の瞳が一斉にこちらを向いた。
「……っ……」
ビビッた。ただこちらを向いただけじゃない。マズい。何か地雷を踏んだっぽい。一斉に睨み付けられた。心臓が縮む。痛い。死にそう。
「……っ……はははっ!大出世じゃねえか!上等!」
ビビッた自分を死ぬ気で鼓舞する。
最初に家を飛び出した時には、すぐ横をすれ違ったのにガン無視された。今は、たかが羽虫のオス1匹如きが羽音を少し立てただけなのに、十本の首が一斉に振り向いた。
無視してもいい無価値な羽虫から、絶対無視できない羽虫にクラスチェンジ。正真正銘、大出世である。嬉しすぎて嬉ションしそう。
どうにか、そう思い込む。
ここでビビッたら終わりだ。いやビビッてるけど。超ビビッてるけど。でもビビッてないと自分で自分に言い聞かせる。
膝ガクガク震えて腰が抜けそう。へたり込むのだけは耐える。二本足で立ち続ける。こんなに真剣に二本足で立とうとしたのは、赤ん坊の頃以来に違いない。
最低最悪の事態を回避するためには、ここで魔物にナメられる訳にはいかない。ハッタリだろうが何だろうが、絶対に無視できないだけの存在価値があるかのように見せかける必要がある。
見せかけるだけなら、できる。身体だけなら、各種耐性付きの一級品だ。精神の方は混乱耐性も恐怖耐性も無い凡人仕様だけど、それは一旦脇に置く。
「不遜である。実に不遜である」
「然り」
「これは少々不愉快であるな」
ヘビが不機嫌そうな顔をした、多分。
ヘビの表情読めないけど、不機嫌そうな顔してる気がする、多分。
「よもや、石にならなかった程度の事で、図に乗ったのであるか?」
「我に指図しようなどと、矮小なる分際で何たる傲慢か」
ヘビの沸点が低い。どうやら、行動を指図されるのが嫌なようだ。待てと言っただけで不機嫌になってる。
わからなくはない。羽虫に行動を指図されたら、誰だって嫌な気分になるだろう。しかし、ここは引き下がれない。
「……石にされて堪るかよ……!」
あの三人に石化のブレスを浴びせる訳にはいかない。絶対に、ここで止める。
一つ、案がある。腹案がある。
とても他人に信じてとは言えないような案だが、あるにはある。
魔物の行動を完全に抑止できる可能性のある案が、あるにはある。
最大の問題は、これから自分がやろうとしている事は、確実に魔物の怒りを買うという事だ。
待てという一言だけで不機嫌になるほど沸点が低い魔物なら、絶対に怒りを買う。
それでも、他に妙案が思い付かない。
前向き思考だ。こういう時こそ前向きに考えよう。
このまま魔物に何もしなければ、最低最悪の事態になるだろう。
ここで魔物に何かして失敗すれば、最低最悪の事態になるだろう。
つまり、ある意味ノーリスクだ。
何もしなかった時と、何かして失敗した時の結末が同じようなものなのだから、ある意味ノーリスクと言っても過言では無いはずだ、多分。
失敗しても結末は変わらず、成功した時だけ結末が変わるのだから、ある意味ノーリスク・ハイリターンだ。
ある意味ノーリスク・ハイリターンなのだから、やらないのは損だ。
怯える肺を叩き起こす。深呼吸を一つ。
気合を入れ直し、口を開いた。
「お宝がありゅ!俺の要求を呑みゅなら、お宝をくれてやりゅ!」
噛んだ。
「不遜である」
「図に乗るのも大概にせよ」
「大層な物言いを」
「許し難し」
「不愉快であるな」
「くだらぬ」
「然り」
「矮小なる分際で、身の程を弁えぬとは」
「どうやら潰されたいようであるな」
マズい。案の定、怒りを買った。凄まじい怒りが迸る。
盛大に噛みすぎた。もう少しちゃんと言えていたら、ここまで怒りは買わなかったはずだ、多分。
「おたから~?」
十本首の中に、一本だけ、怒っていない首があった。中央の右の首だ。
「おたから、なにかな~?」
「ええっと……。取って置きの凄い奴だ。絶対に、お前も気に入るぞ。断言する」
「へ~」
一本だけ、やけに雰囲気が気安い。
気安すぎて、逆にこっちの方が戸惑う。
「俺のお宝を、お前に渡す。その代わり、聞いて欲しい事があるんだけど」
少々戸惑うが、話を聞いてもらえるだけマシだ。
「おたから、みせて~」
中央の右首が、頭を近付けてきた。
「我よ!こやつの戯言になど耳を傾けるでない!」
「え~。おたから、きになる~」
「矮小なる存在が大した宝を持っているとは思えぬ」
「然り」
「どうせ苦し紛れの物言いである。我が気にするほどの宝など出てこぬよ」
「それでもいいよ~。きになる~」
中央の右首を、他の首が総出で止めてる。
「われの、じゃまするのかな~?」
「「「「「「「「……っ……」」」」」」」」
中央の右首の言葉に、他の首が引っ込んだ。十本首のパワーバランスが透けて見える。
「おたから、みたいな~」
「な、ならぬ!我は許さぬぞ!」
「え~。そんな~」
中央の右首を、中央の左首だけが止めてる。でもちょっと腰が引けてる。腰と言うか、首が及び腰と言うか。
「大体、こやつは要求を呑めと言っているのであるぞ!矮小な宝を差し出して、過大な要求をするに決まっているのである!」
「そうかな~?」
「そうに決まっているのである!」
「それでもいいよ~」
「な、ならぬ!」
「じゃま~」
中央の右首が、中央の左首を退けた。再び頭を近付けてくる。
「きたい、してるよ~?」
中央の右首が、気安い調子で言う。
「きたい、うらぎらないよね~?」
中央の右首が、気安く聞こえる調子で言う。底知れぬ悪寒が走る。
「……ああ、期待に応えてやるよ」
中央の右首に、返事を返す。完全にハッタリだが、態度は変えない。押し通す。
「わ~。たのしみ~」
「……ああ、存分に楽しませてやる。覚悟しやがれ」
「かっかっか~。……ほんとうに、たのしみだな~?」
中央の右首が、愉しそうに嗤った。
期待に応えられなかった時の事は、考えない。
ある意味ノーリスクだ。考えるだけ無駄だ。だから、考えない。
アイテム設定。
勇者召喚時に持っていた品々は高性能品に化けたので、石になりません。
【胴装備:英雄の肌着】
【腰装備:英雄の下着】
【足装備:英雄の靴下】
【足装備:英雄の靴】
【特性:全環境対応、物理反射、魔術無効、自動治癒、自動修復、自動洗浄】
【所有者:白木英雄】※所有権解除不可
単品装備。廃棄不可。それをすてるなんてとんでもない。




