9.そうですかありがとう転生すごいですね(ラストバトル後編)
その後ニーシャがナマの感情丸出しでわめいたのは俺の予想を遥かに意味不明な理解しがたい異世界言語であった。
もはや自白どころじゃない漂白剤がとれたくらい
俺がニーシャを挑発したのは滑った口から出た挙げ足取りしよう自白を促しただけ
それなのに発言の数々がお花畑装備してると頭がかもし出すエネルギー量がオーラとして黄色く見えそうになってる危険すぎる語群から理解が届いたのは
この世は「スタジオラビュオール」とかいう一切聞いたことない謎の集団が作っていて
世界は「わらしべプリンセスプロジェクト」なる計画にそってコントロールされていること
ここまででもうカルト集団なのだが更に混沌無形な言葉を続けていた。
ニーシャはなんと自分が計画に選ばれた転生の主人公なのだと興奮にうち震える様子で語っていた
転生というと異端の信仰のうちの死んだのに死後世界にいつかず現実世界に戻ってくるとかいうサンノイア教では信じられないものの考え
死んだらちゃんと生前の行いに準じて太陽の国か月の国かで永遠を過ごせよと言いたい。
そのままニーシャはずるずるとこの計画がどれほど自分好みで素晴らしいかを声が大きくなってなんか数年後の計画まで組んでるのか我が国は滅んで人間と魔物の平等の世界とか寝言ほざいてる国の支配下になるとまで寝言をほざいていた。
しかも当事者になるっぽい予定なのを嬉々としていたので計画的犯行予告ということになる
「あんたなんて『わらプリ』のラヴァンスルートの脇役のクセに
ちょっとアドリブイベで悪役断罪してみたかったから
構ってあげたのにこんなに逆らうなんて信じらんない」
というニーシャの様子は人間だけど人間じゃない別のなにかだと思った。
「あどりぶいべ」というのは俺の理解で意味が分からない
常軌を逸している 非女の理論だと思うけどもうついていけない。
だれかが「通報……」と言ったのだがニーシャには聞こえてないみたいだった。
俺は言った。
「おまえそれで楽しいの?」
「はー? 楽しいにきまってるじゃない!
どんなにやらかしても運命の修正力でストーリー通りに戻るんだし!
ルディック様からリアルに抱いてもらえるかもしれないしサワラン君をツンツンできるかもだしガラッカ先生とイチャラブできるかもって考えたらワクワクじゃない!」
俺は馬鹿にしたつもりだし計画設計を得意げに語る姿がアワレになったから聞いただけなんだが
この場にはいない未知の名前だすと勝手に一人で盛り上がってた。
ならこの場にはべらせてた奴らはラヴァンスとはなんだったのか
サファエアのぎゃく鱗に触れたどころかブシツケに撫でまわしているぞ
自分から墓にいきたがる奴は度し難いな穴も自分で掘ってるしな入れないほうが難しい
「おまえは貴族の足元にも及ばない貧弱一般人
その一般人が貴族社会の者に対してナメタ言葉を使うことでおれの怒りが有頂天になった
この怒りはしばらくおさまる事を知らない」
「っさい! もうマジあんた明日には死刑にしたげるし
どんなふうにやったげるか考えてたら寝不足になるかも
あーそれにしても負け犬の遠吠えが心地よいですわ~」
そもそも怒りが有頂天ってなによ、などとのたまたニーシャは妙な笑いどころに陥ったみたいでゲラゲラ笑いだした。
ニーシャにとってだいたいが全てナントカの計画通りに進んでるっぽい慢心から
発言に事実ならどうせなんとかなると頭を回転させずに言ったんだろうけど
挑発に軽々と乗ってくる馬鹿には確実な死が待っていた。
「おいィ?お前らは今の言葉聞こえたか?」
俺はしばらくおいてけぼりしてたギャラリーに聞くとザワザワするだけでサファエアの想像のお約束みたいな返事はなかったからこれだけでも俺は現実にリアルを感じるしなんでも思い通りにならないのはわかると思うけどニーシャにはなんでも思い通りの台本しか見えてないだろうな。
俺はニーシャの致命的な致命傷をとりあげることにした。
「異端狂信罪に異端布教罪のダブルの罪。
もう名誉棄損どころじゃない
これ以上は裁判所より異端審問グループのマスタークラスに任せたほうがよさそうだな……
ま、ボコらるる前に白状するんだな。
勝敗は決まってるからこれ以上は時間の無駄なので任せるわ」
俺が指摘していると殺意むき出しの魔力がもうすぐ近くまできてるみたいで俺は今日一日でビビることはまずなかったがほんの少しビビった。
「お待たせしました。どなたでしょうか?」
「あああああそこの二人ですハイ私は一切関係ない立会人でございます」
「わかりました。ありがとうございます」
ギャラリーのほうから会話が聞こえたと思ったらすぐあらわれたのは
赤ローブに赤頭巾装備の背に白い太陽を示す紋様を背負う者であった。
異端者から真っ赤な花を散らすのが得意で元は白単色ローブだったと噂に名高い伝説の衣服だから間違いなく異端審問官でしょう
ぱっと見た感じの外見で個人特定できないようにのためか全身や特に顔がぼんやりかすんで見える。
異端審問官は俺とニーシャに間に割って入り
「何故私がここに来たのかおわかりになりますでしょうか?」
と礼儀正しく問いかけてきた。
その礼儀正しさが異端者個人に向いたときにどう変わるかというのは噂でしか知らないし知る機会もないと思う
「はい。彼女が異端発言者です。
対応よろしくお願いします」
俺が答えると異端審問官がなんらかの魔法を使って俺とニーシャを調べてるみたいだがすぐに終わった。
「確認しました。
あとはこちらで対応します」
するとニーシャは白い発光に包まれるのだがゲラゲラ笑ってたニーシャもこれはまずいと思ったのか
「え! なになになに! 何よこれ! こんなの知らない!」
とギャんギャー叫びながら跡形もなく消滅した。
異端審問官は国内での使用を唯一常時許可された転送魔法でニーシャ転送させると
俺にも向き直り忠告してくれた。
「サファエア・ケルウィンケ。
あなたの発言には不敬罪が含まれています。
別途衛兵からの取り調べがあるでしょうがその際は正直に発言しなさい」
「はい。わかりました」
どうやら俺は異端属性の発言してないから忠告だけで俺に転送の手が伸びることはなかった。
さっきのは過去の発言とかの個人情報をあらいざらいにする魔法だったか。
異端審問官の魔法はどれもパクリのニセモノもできそうにない
俺も結構魔力強いんだけど学園で習わない構成だったしな
どこまで読まれたかはわからないが前回サファエアのピンチに駆け付けた初登場の伝説知ったらもう少し厳重注意だったかもだから読める昔はそれほどでもないのかも
「それでは、よい宴を」
異端審問官は最後にダンスホールに一声かけてから転送魔法で消えた。
勝負には勝ったが嬉しくないけど勝てない勝負をするなと言いたい墓穴を掘る
もうちょっとだけ続きます