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白金の騎士

白金の装備に身を包んだ騎士が剣を抜く。

その剣は、素人でも凄まじい業物だと気がつく程精巧な作りをしており、雨の中で尚美しく輝いていた。

騎士が一歩踏み込む。

その瞬間、テイルは振り返って逃げ出す。


「逃げるなよ。」


声の方向を振り返ると、既にそこに騎士の姿はなかった。

何者かに肩を叩かれる。

前を見た瞬間、騎士が目の前にいた。


「いつの間に…!」


テイルは騎士に打撃を加えようとするが、簡単に腕を掴まれて引き寄せられてしまう。

騎士が軽く笑いながら言う。


「お前エルフだろ?魔法は使わないの?」


明らかに舐められていた。

そんな態度に苛立ちを覚えたテイルは、腕を振り払い距離を取る。


「そんなに使って欲しいなら、使ってやるよ…!」


テイルは火球(ファイアボール)の構えをとる。

魔法の発動を察知しながらも、騎士はそれを阻止しようとしない。


「俺を出来損ないだって見くびってるんだろ…!お前も…!」


騎士はその言葉には反応しなかった。


「やってやる、もう俺に未来なんてなかったんだ!どうせならパーッとぶっぱなしてやる!」


負傷による興奮と、舐められたことによって冷静さを失ったテイル。

より強力な威力の火球(ファイアボール)を放つために魔力を圧縮し始める。

やがて、巨大な火の玉がテイルの手の中に生成される。


火球(ファイアボール)!」


そう唱えると、巨大な火の玉が高速で射出される。

そして、それは騎士に直撃し、大きな爆発が起こる。

普段魔法を使わないテイルは、魔力不足による息切れを起こしてしまう。

そして、確実に殺したであろう騎士を背に、その場から逃げようとするのだが…


「この程度?エルフにしては少し弱くない?」


煙の中から、騎士が姿を現す。

鎧には傷ひとつ付いておらず、その輝きは更に増しているようだった。

まるで何も無かったかのように立っている姿を見て驚愕するテイル。

そして呟く。


「じ、人外め…!」


そんな呟きを気にせず白金の騎士は歩き出す。

その歩調は落ち着いており、まるで散歩でもしているようだった。

そして騎士は、テイルの目の前に来て言う。


「耳が長くて魔法が使える、お前エルフだろ?」


「ち、違う!俺はハーフエルフだ!」


その言葉を聞いて、騎士はポカンとする。


「ハーフエルフ?あー、そっちか、通りで魔法の威力が低いわけだ。」


そして騎士は、少し考える素振りを見せ、ブツブツと何かを呟き始める。


「でもこの国で異種族はレアだしな…ハーフだろうとなんだろうとエルフはエルフ…」


騎士はテイルの方に向き直り、彼の額に指を当てる。


「まぁ、合格だ、お前俺の仲間になれ。」


その言葉に、テイルは自分の耳を疑う。


「ご、合格?仲間?どういうことだ?」


「お前、俺を捕まえにきた騎士じゃないのか?」


騎士は笑いながら兜を外す。

騎士の兜の下は、金髪で顔の整った青年。

常にニヤニヤしており、どこか人を舐めているような表情をしている。


「ふっ、ビビった?俺は別にこの国の騎士じゃないよ。」


テイルはそれを聞いて驚愕する。


「なっ!じゃあなんで俺を襲ってきたんだよ!?」


「実は今、仲間を集めててね、お前の実力がどれくらいか試したかっただけ。」


「仲間を集めてるだって…?一体お前、何者なんだ?」


気が動転しているテイルを見て嘲笑する騎士風の男。

そして、男はテイルの質問に答える。


「自己紹介がまだだったな。」


「俺の名はササキ、冒険者だ。」


雨が止み、天気は嘘のように快晴となった。

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